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バーチャル航空管制官のための航空管制講座 管制用語編 ~EXPECTについて考える~

パイロットに対して管制官の意図を伝える用語として EXPECT(予定)があります。


EXPECTで伝える内容

その内容は、レーダー誘導の目的・目標、STAR・進入方式、高度、経路、予定時刻など、指示や許可をはじめとして多岐にわたります。

Expect vector to final approach course.
Expect ILS runway 36 approach.
Fly heading 110 vector for descent. Expect direct APPLE.
Maintain 10000, expect FL330.
After landing, expect vacating runway via A10 due to traffic.
Taxi to holding point B4. Expect backtrack runway.
Expect approach at 33.
Expect one departure B737 before your landing.

FMC設定変更などの準備が必要なときや混雑時の時間短縮などで、前もって予定を伝えておくことでスムーズな流れになります。


でも誤解されやすい用語

その一方で、あくまでも予定であることが伝わっていないと、すぐに許可されたと誤解されてしまいます。

ほとんどの場合は、EXPECTという一語があるかないかで解釈が違ってくるので注意が必要です。

A: This time, expect direct APPLE.
P: Direct APPLE.
A: Negative. Continue present heading…

(ちょうどいい例が思い浮かばないので後で変えるかも)

特に、高度変更や経路変更などの要求に対する指示や許可には、期待している分だけ都合のいい解釈をしてしまう恐れがあります(実運航だと疲労やタイムプレッシャーなどの要因が追加?)。


誤解を防ぐには

EXPECTを強調して他と区切る、複雑な指示になるときや余裕がないときは最小限にとどめるか、すべての予定を伝えない、という工夫が必要です。

Climb and maintain FL300 due to traffic. EXPECT FL320.
Descend at pilot's discretion maintain FL170. EXPECT ANGEL at FL150.

(伝えなくてもいいんじゃないの例を追加予定)

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