バーチャル航空管制官のための航空管制講座 ~風はどこから来るのか~
風の情報(風向と風速)は通常、METAR/SPECI、ATISがあればATISから得ますが、実際に管制官が出している風の情報が違う場合があります。
もちろん同じ数字になる場合もありますが、そもそも、それぞれのソースが違うので、数字が少し違う場合があっても不思議ではありません。
現場で表示されているのは過去2分間の平均値
METAR/SPECIとATIS、どちらも管制卓にある画面上で確認できますが、これらの数字とは別の、2分間平均風向風速計で観測された数字を読み上げます。
METAR/SPECIは過去10分間の平均
一方で、METAR/SPECIは過去10分間の平均です。もしMETARが出た後に大きく変化した場合はSPECIとして更新されるので、2分間平均と10分間平均の違いは誤差の範囲内となりますが、ここで問題になってくるのが風向の方位です。
真方位と磁方位
方向(方位)には真方位と磁方位があります。ヘディング(機首方位)をはじめ、方位のほとんどは磁方位が使われていて、真方位とは磁針偏差(日本ではVAR 5°W~10°W)があります。
日本のMETAR/SPECIには、場内報(SAARP)と場外報(SAJP)の2種類があり、現場で使われている場内報では風向は磁方位で表され、インターネットなど外部から取得できる場外報では風向は真方位で表されます。
場内報と場外報の違いは風向だけでなく、地上視程や雲の種類、QNHの表記、REMARKSの内容など、いくつかあります。
気象庁のサイトで「航空気象通報式」が公開されていますので、詳しくはこちらをご覧ください。
最新版:航空気象通報式第3版 第16号(2017年3月8日)
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