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バーチャル航空管制官向け 90秒でおさらいする 航空管制 無線交信 ~飛行場管制 VFR 出発編~

このnoteは、yoububeで公開中の「90秒でおさらいする 航空管制 無線交信」動画の90秒に収まらなかった内容の補足になります。


この動画のポイント

飛行場管制 VFR 出発編ということで、VFR 出発機がエプロンから地上走行をして滑走路から離陸、管制圏離脱するまでの流れのおさらいとなります。


1.通信の設定(イニシャルコンタクト)

パイロットが無線通信を開始する(呼出し)際に、まずは通信の設定を行います。同時にRADIO CHECKをされることもあります。

RADIO CHECK
P: Miyazaki Tower, JA71MA, radio check (118.3), how do you read.
(周波数はほとんどの場合省略されます)

また、自局のコールサインの後にATIS受信証を通報する場合もあります。

ATIS受領証を最初に通報する場合
P: Miyazaki Tower, JA71MA, with information Alpha.

2.地上走行

エプロンから滑走路までの地上走行の要求時には、駐機している場所、飛行方式や目的、出発方向、高度、TCAアドバイザリーの要求などが通報されます。

P: JA71MA, at CAC. Request taxi and TCA advisory, south.

P: JA79MK, at CAC. Request taxi for VFR and TCA. After airborne, proceed to KS 4-2, climb to 4500. 

エアラインの航空機がVFRで飛行訓練をする場合は、地上走行の前にプッシュバック許可の要求があります。

P: ANA9261, spot 110, request pushback with information Delta. After airborne, downwind for touch and go.

3.インターセクション・デパーチャー

管制官から指示する場合はパイロットの同意を得る必要があります。
ただし、到着機がいない場合、または到着機よりも先に離陸ができる状況に限ります。
もし到着機があって待機が必要なら、そのまま滑走路末端まで走行することを選択するパイロットが多いです。

離陸準備完了の通報 (REPORT WHEN READY)
実際の宮崎空港ではGroundも開局しているので、これまでの交信はGroundの周波数で行われます。
動画では地上走行の指示とともに、離陸準備完了の通報を要求していますが、離陸準備完了の通報が必要な場合はTowerの周波数への変更指示とともに指示されます。

C: JA71MA, contact Miyazaki Tower 118.3 when ready.

4.離陸許可

地上走行の要求時に離陸後の方向(departure direction)や目的(intention)の通報が無かった場合は離陸許可の前に確認が必要です。

また離陸後の方向には以下のようなものがあります。

left/right turn approved
straight out approved
downwind departure approved (ダウンウインド経由で管制圏離脱)
join downwind
downwind approved

ただちに離陸許可を出せない場合、滑走路内待機を指示します。

C: JA71MA, runway 27 at N4, line up and wait.

5.管制圏離脱

離陸後、管制圏を離脱する場合は決められたVREP(目視位置通報点)に向かい、通報があります。

P: JA71MA, approaching SHIRAHAMA, leaving 1500, climbing to 2500, leaving control zone.

管制圏離脱の通報時に位置と高度の通報があれば、他機に交通情報として利用できます。

C: JA79MK, traffic, SR22, approaching SHIRAHAMA, 1500, climbing to 2500. Use caution.

TCAアドバイザリーを要求していた場合は、IFR機のDEPへの移管のタイミングと同様に、離陸後にTCAに周波数変更指示をします。

C: JA71MA, contact Kagoshima TCA 121.25.


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