2024京大実践6番ユーザー解説

みなさんこんにちは、またお会いしましたね。たっくです。今回は題名の通り2024京大実践6番の解説をしていきたいと思います。とその前に余談を………本来京大実践僕も受けるはずだったんですが京大オープンでメンタルを完全に粉砕された僕は体調を崩してしまって受けることができなくなってしまいました。今もボロボロ体調でnote書いてます。でも京大実践何が出たのかはやはり気になるので見せてくれる人いませんかとツイートしたところ唯さん(@butsuriyarebot)、Kさん(@SSSkk363607)、やぎさん(@yagi_s_686)の三方からDMで問題をいただきました。人間ってあったかいですね。本当にありがたいです。ここで再度感謝を述べておきたいと思います。ありがとう!!!!!

とても素晴らしい三方

さて前置きはこれぐらいにしていよいよ本題です。そんな今回の京大実践数学6番で出た問題がちょくちょく見るものの処理の仕方があまり有名でない(?)タイプでTLも解けなかったという人が多く見られたので謎の使命感を背負い解説を書こうと思います。高校2年生の戯言に最後まで付き合っていただければ幸いです。

京大実践数学6番


全称命題と存在命題の複合条件

この問題のキーとも言えるテーマはズバリこれでしょう。これだけではピンときていない方も多いと思いますので具体的に述べますと任意のnに対し〜とか、ある実数mが存在するような〜みたいな文言が含まれる条件のことを指します。実際この問題でもこの表現が見られますね。こういうタイプの条件が本当に稀に難問で出たりします。是非ここでこのタイプの条件処理法を学んでいただけたらなと思います。

階層化と論理で潰そう!

このタイプの処理法はシンプルでたった一つで、それは論理で潰すということです。具体例を見た方が早いと思いますので早速この問題を例に説明しようと思います。

論理記号で条件を表す

論理で潰すとは即ち条件を論理記号を用いて表現するということです。(論理記号とは任意の〜を表す文字を三角形の亜種みたいなやつで、ある文字が存在する〜を表す文字をカタカナのヨみたいなもののことです。)扱い方は任意の〜や存在する〜を対象とする文字の横に論理記号を書いてその横にその文字が満たす条件を書く感じです。さて、ここまで書けたは良いもののここからどうすればいいか。そこで出てくるのが先ほど述べた階層化という概念です。文字で説明するよりやっていることを見る方がわかりやすいと思いますのでなんとか分かってください。

階層化

嘘です。ちゃんと説明します笑、階層化は端的に言うと全体として処理するのが厳しいので分割して内側の条件から順番に処理していく、という処理法になります。例えば上の画像では当初任意のnとmが存在するという二個同時処理しなければならなかった(日本語にしても意味わからなすぎて禿げる)ようなものを任意の〜の条件を無視して存在する〜の条件だけを考える事にしたんですね。ここまで大丈夫でしょうか。これだけでもかなりスッキリした条件になるでしょう。
じゃあまずこの簡素化した条件を処理していきます。

ドコドコドコ(式処理する音)

さて、存在条件は処理することができましたね。
ではあとこの条件を任意のnで処理します。

全称条件の扱い

掌握を見ろ

というと怒られそうなのでさらっと扱い方を述べていきたいと思います。

全称条件の扱い
1.数値代入(必要条件)
→少なくともn=1,2…で成り立つ必要がある、というものです。難問になると十分大きいnを取ったり取り方は様々です。
2.関数として見る。(最大最小の条件として帰着させる)
→ちまちま数値代入するのではなくて全実数まとめて議論してやろうというモチベです。
3.(2変数の場合)領域図示
その2変数を軸に取った平面で条件を考えます。個人的には領域展開と呼びたいところですが内輪ネタはあまり良くないのでここでは領域図示と呼びたいと思います。

さて今回は必要性で絞っていきたいと思います。
n=1を試しに代入してみるとなんと!c>3が必要条件として出てきました。もうこの時点で勝利のbgmが聞こえてきますね。さて必要性は確認できたのであとは十分性確認すればもう終わりですね。楽しい時間ももうすぐ終わるようで寂しいです……… 

…………ん?
まだ難関が残っていたようです。
実数じゃなくて整数だから不等式の処理を最大最小が使えなくて十分性が示せそうにない!?
もう一つ隠れたテーマがあったようです。
さてここで離散関数の扱いについて述べます。

離散関数の最大最小の扱い

掌握を見ろ

このネタもそろそろボツでしょうか…。
離散関数の最大最小では次のような手法がまぁまぁ使われます。是非覚えておきたいところですね。

離散関数の最大最小→連続関数として見なしたりする

さて戻りましょう。連続関数としてみなすというのはn(自然数)についての関数を実数xについてみなす、ということです。そしてその後付近の整数部分に注目したりします。今回もその手法で行けるのでグラフを書いてやります。xが正の範囲でf(x)=cx^2-2n√n+1の増減表を書くと(243/16c^3)+1が極小値ということがわかります。c>3の時明らかに極小値が正であることから任意の実数で正ということがわかりそれは即ち任意の自然数においても正ということがわかり、十分性は示されました。
これによって必要十分条件はc>3であることがわかりました。(証明終了)

おわり

長かったですね。ちなみに模範解答はあまり汎用性がない解法で別解の2番目が今回私と使ったようなものと似た感じで処理していました。論理で潰すというテクニックは市販の参考書ではほとんど見ない(一冊だけ唯一載せてあった)ので是非今度からこのタイプの複合条件が出てきたらガンガン使っていただければなと思います。また論理で潰す、階層化が効く問題として、別記事の存在条件の演習問題の方で挙げてますのでそっちも見ると理解が深まるかもしれません。
今回はそんなところですかね。ではでは!
今回も最後までご覧いただきありがとうございました!

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