2020.12.21

大阪フェスティバルホールで佐野元春&THE COYOTE BANDのコンサート。感染症対策がきっちり行われたホールの緊張感の中、1曲目、黒いマスクをして歌う佐野さん。歌い終わって、外す。ダークでブルーなライティングの演出は不穏なムードまありつつ、中盤から少しずつ明るくなる。でも、制約と調節の中で。ロックンロールが爆発出来ない時代。叫べない、歌えないオーディエンスのしんどさ。それでも、こんな風に歌を感じ取れたことは今まであっただろうか、と思う。アンコールで歌われた「ニューエイジ」を聴きながら、ハードだった心の中の諸々が少しずつ溶けてゆくようだった。

来年の今頃も今と同じような音楽状況なら、もう音楽から離れたり、やめるひとも続出するだろう。それでなくても厳しい世界。楽しむための音楽が楽しめないなら、やらない方がいい。今日は色んなことを考えさせられた。佐野さんのコンサート、行けて本当に良かった。ゼロから曲を作り、音を作り上げるミュージシャン、バンド。この世に必要かどうかわからないまま産み落とされる曲を、みんなで共有すること。