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大地はあおいガラス
森は燃えるパーティー
動物たちはへ大陸を渡っていった
わたしは横たわっている
ひとりで
夢も燃えた
眠ることもない

燃える夢の悶えるさまは最後まで確認した
愛するひとの荼毘のように
三日はかかる
夢が灰になるまでは
炎のなかにいるのは
夢なのかわたしなのか
わからないのだが

帽子をとって挨拶する
わたしの記憶へ
過ぎた時間へ
火をつけたほそい指へキス
誰かはわからない
泣いているのは
わたしか
わたしの夢か
それともきみなのか
地が割れて
こぼれるのは多分きみだ

そのあとわたしは生きるだろうか
灰になった夢といっしよに
生きるだろうか

灰をすくって河に流す
父の灰や母の灰
足腰はふらふらしている
そのまま水に落ちると
新しい夢を見るだろうか
河をながれる灰と涙
終わった音楽
始まった慟哭
大地があおい陶器になる
その時
わたしはどこに立っているだろう
大地を管楽器が割る
その時
わたしはその音を聞くだろうか

わたしの眠りから熱は過ぎさった
時間をかけてゆっくりと立ち上がろう
ガラスのような
わたしの生のためでなく
あなたの死のためでなく
だれも憶えない記憶のために
与えられた歩数だけ
時をカラカラもどす

あなたが海にたどりつき
塩っからい水にとけるように
わたしが闇の果てにながれつき
あおい粒子に散るように

そこで
あなたはわたしを見れるだろうか
わたしはあなたの眼の色がわかるだろうか
あなたとわたしも
たがいの声を聞くだろうか

永遠の耳鳴り
ああああう
ありがとうとこたえる
わたしと歩いたきみの
呼吸に

あおい球体が落ちていく
あれはどちらの涙だろう


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