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TomoPoetry、レースのドレスで。

死はたがいに手をつなぎながら
ひとつの風になり
ひとつの泡立つ流れになり
地を覆い
沁みていった 
窓はすべて閉じネズミたちは神聖文字を削り
遺跡が完成する朝

ウェディグドレスをまとった死
暗闇での人生をクラリネットで語る死
ストロベリータルトを抱いた死
全身を桜色の絨毯で巻かれた死
砂をさらさら落としつずける死
おちてきた空に蒸発する死
見えない死

知らない死の時
眼がひらいていることは確かだ
そこでは 天体図が
時間の速度で散乱している

愛するひとよ
死ぬときはわたしの星空を見よ
星空のさらにかなたに
すべての焦点を合わせよ
時の先端に
あなたの足型が並んでいる
花を踏まないように
歩き始めよ

あなたは見る
今は見えないものが
宇宙が割れた風船のように大砲を鳴らす
最初にひとが足を引きずる音
はじめてくぐるカーテンの向こう
地は埃の海
そこに最初の足跡を残せ
砂を平す手
緑の茎が絡み合い
命が落ちる
あなたは
最初の言葉を聞く

あなたは脚のない靴のあとを辿る
あなたは存在しない肉体がつくる風を感じる
あなたの見えない足
踏みしめる砂に
文字が残る
足先を見ている
それを大声で読みあげるがいい
平安
喜び
何を意味するか
誰かが耳打ちしてくれる
それを記憶せよ

見えなくなる時がくる
見る価値がなくなる時がくる
あなたは足先を感じる しかし
石膏像の足先は動かず
罅が未来を示す
あなたが読めない文字で

愛するひとよ
そのときは見上げるがいい
見えない天のさらに上にあるもの
そこに
あなたは
あなたのものでない瞳を見る

あなたに見えるはず
今あなたに見えないものが
あたらしい言葉が生まれる時のように
カーテンが輝き
木漏れ日が
たくさんの昼と夜を重ねている
あなたに見えるはず
あなたへの最初の言葉を聞くだろう
星空が震えるような
光でできたオルゴールのような
理解できない
言葉

すると あなたは知る
黒ビールとクリームチーズ
そしてはじめて出会う口が
語る言葉の意味を

待っているといい
白のレースのドレスに
時間の破片を飾り
夢のように
触れることができない生と死を
ゆらしながら

あなたを待っていた口は
まだ黒ビールを飲んでいるのだから


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