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僕が体験した1番ドラマみたいな話

noteは現在たくさんの芸人さんが
やっている。
色々な方々の読ませてもらうが
めちゃくちゃ文章力あるし
とても面白い。
僕にも文章力が欲しい。
正直noteを書いてると頭痛くなる時があったり
途中で消したnoteもたくさんある。

どこかおかしい文章、話の切り替え
などがあったら、
"あ、佳津山頭痛くなったのかな?"
って思って見てくれたら嬉しいです。。。


中学校に入学して
新入生歓迎会として
先輩方が部活紹介をしてくれていた。
僕はこんな歓迎会に出なくても
サッカー部に入る気満々だが
どんな先輩がいるのだろう?という
楽しみがあった。

そしてめちゃくちゃ気になる人がいた。

各部2人ずつくらいが代表して
校歌を最初に歌ってくれたのだが
1人だけ信じられないくらい
一生懸命歌ってる人がいた。
体を揺らし、声を伸ばすところは
目をつぶって、力量込めて歌っている。
リアル1人合唱団。
マジで申し訳ないが
笑ってしまった自分がいた。
人が一生懸命やってることを
笑ってはいけないのはわかってるが
合唱団の感じを不意に初めて見たので
バカにはしてないが、
すげー人だな、と思い笑ってしまった。

その人は100%吹奏楽部だろうと
思ったらまさかのサッカー部だった。

細身で高身長、軽いキノコ頭。
声変わりとはこのことか、と思わせる
響く低い声。顔は普通にかっこよかった。
その名も丸山さん。
その人が後にサッカー部部長になり
生徒会長にもなり
僕の人生においてもベスト3には入る、
かなり尊敬できる、スーパー出来る人だった。
僕はサッカー部初日で
彼と出会ってから
彼の歌う姿を笑うことはなかった。

僕の中学校は
群馬県高崎の高崎駅から1番近い中学校。
平和でヤンキーなんていない。
群馬県内ではかなりの都会中学校だった。
だからこそなのか
合唱コンクールをすごく真面目に取り組んでいた。
初めて合唱コンクールに出た時
2つ上の先輩方全クラスが
一生懸命歌っている。
こんなに真面目に合唱するんだ。
迫力がすごかった。
3年生の課題曲"大地讃頌"めちゃくちゃかっこよくて何度も痺れた。
僕には2つ上の先輩がキラキラして見えた。
1つ上の先輩方は丸山さんのクラスだけ
ダントツに声が出ていた。
さすがだ。

そんな僕たちは
思春期もいいところ。
女子と男子がめちゃくちゃ仲が悪くて
朝練で全然歌えない我ら男子に
女子から文句を言われる日々。
わかっている。歌わなきゃいけない。
わかっているが、当時の僕らは
上手く歌えなかったらどうしようとか
そんなことしか考えられないから
声を大きく出せないんだ。

結局合唱コンクールを頑張ろう!
って思えるのは3年生になってからであって
1年、2年生はそこに気づけない。
3年生と吹奏楽部と丸山さんだけ
一生懸命合唱コンクールに取り組んでいた。

丸山さん達の代が3年生になった時の
合唱コンクールは本当にすごくて
全クラスが"金賞"という
ドラマみたいな展開だった。

確かに昨年の3年生よりも
全クラス迫力があり
声を出していない人なんて
マジでいなかった。

その年も課題曲が大地讃頌で
この課題曲で指揮者賞を取ると
卒業式に大地讃頌の指揮者をすることができる。
そして、卒業式後に後輩からボタンください!
ってめちゃくちゃ集られてた。
これにめちゃくちゃ憧れていた佳津山。
1年生の頃から
3年生になったら絶対大地讃頌の指揮者を
やりたいと決めていた。

そして、あの丸山さんのクラスの
大地讃頌がとてつもなかった。

最後の部分。
母なる大地をあ〜♪
讃えよ大地を〜あーーー!!!!
の讃えよ大地『を』のところで
歌い手も、指揮者も、ピアノも2秒くらい
止まるという演出を見せた。
2秒止まってからの
あーーー!!!!で
完全に鳥肌が立った。
マジでめちゃくちゃかっこよかった。
あれよりもすごいことを
来年したい。そう思えた。


中学校3年生になり
丸山さんの後を追いかけ
サッカー部の部長に。
そして知らなかったのだが、サッカー部の部長が歴代生徒会長をやるらしい。
さすがにそれはno立候補。
サッカー部の部長をやったことが
人生において、僕を大人にさせてくれたことであり、責任感や辛いことをたくさん経験した。このことはまた別でnoteにおさめたい。

合唱コンクールで課題曲が
大地讃頌と改めて決まった。
変わるかも!という噂があったので
一安心。
もちろん大地讃頌の指揮者に立候補。
今まで指揮者をやったことなかった僕が
初めての立候補。
もう1人立候補してた奴は
毎年毎年指揮者をやっていた奴だったが
僕の熱量を買ってくれて譲ってくれた。
今はそいつは警察官。当時から出来たやつだ。

最初の練習で
手を振ったが、恥ずかしさもあり
誰とも目を合わせられず、伴奏とも全然指揮が合っていない。
変な汗ばっかかいた。
その日の夜に丸山さんにメールをした。
"夏休みに修行をつけてください。"
こっそり練習しにいくのもセコいかと思い
同じサッカー部のみんなからの人気者大津くんも大地讃頌の指揮者をやるということで
連れてった。
そして、夏休みに修行をしにいった。
1日だけしか稽古してもらってないが
鮮明に覚えている。
ピアノが部屋にあり、自分で大地讃頌を弾いて、歌って、僕らの不器用な指揮者を
人前に立てるくらいまで成長させてくれた。

そこでアイデアを一つもらった。
"最後の『あーーー!!!!』のあと
両手で演奏を止めるでしょ?
あれを片手でビシッと止めたらかっこいいと
思うんだよね。"
頂いた。
これは頂いた。
かっこよすぎるよそんなの。
あの丸山さんが去年使わなかった技を
俺に伝授してくれた。
大津はトイレだ。
これはもらった。

そして夏休みもあけ
毎日の朝練、放課後練に励んだ。
合唱コンクールになると
あんなに男女仲が悪かった僕らも
3年生になってケンカしてるやつは
1人もいなかった。
みんな一生懸命練習している。
どのクラスも頑張っていた。
しかしぶっちゃけ言うと
2つ上の先輩、1つ上の先輩方に
勝るクオリティではなかった。
5クラスあって、どのクラスも
頑張ってはいるが、超えられていない。
やっぱり、ケンカはしないが
絶賛思春期中で、男女間で一切会話なんてなかった代だった。
さぁどうなるんだ。
先輩方が築き上げてきた素晴らしい
合唱コンクールを超えられるのか?
自分としては指揮者賞を取れればいい。
そう思っていた。

結果は誰も想像できない展開になった。

新型インフルエンザの流行した年で
なんと合唱コンクール、文化祭の
2つが中止となってしまった。
あんなに練習したのに。
それこそ学年ごとでやるのはダメなのか?
親御さん無しではどうなのか?
色々考慮したが中止。
今の新型コロナウイルスと状況は
似ているかもしれない。
泣いている女子たち。
さすがにこれは悔しかった。

放課後に中止の報告を受けた後
外から音楽が聴こえてきた。
ベランダを除くと
隣のクラスが中庭で課題曲の
"大地讃頌"を歌い出したのだ。
泣きながら歌う女子たち。
男子もちゃんと女子について来て
一丸となって歌っていた。

それに釣られて
またまた別のクラスの人たち、
そして自分らのクラスも中庭に集まって
課題曲や、自由曲をそれぞれ歌った。
外も気づいたら暗くなり始めてきて、
職員室から先生方全員、あんだけ俺らに不作の代だ!と言っていた校長先生も"急遽開催された合唱コンクール"を見にきている。
ベランダから他学年のやつらが覗いている。
最後のクラスの人たちが歌い終わった。
拍手をおくった。
そこで誰が言い出したのかはわからないが
みんなで大地讃頌を歌おうとなった。
僕らの代が全員男女に分かれて位置についた。

そこで音楽の先生が僕に

『あんたが指揮をやりなさい。』

告白をされたかのように
ドキッとした。
音楽の先生である"ローズ関根"(いつも薔薇の服を着ていてからローズっていうネームがついていた。しかも自分でつけてた。)は
正直怖い先生だったが
この時だけすごく優しく見えた。

恐る恐るみんなの前に立ち、構え、
ローズに同じく指名された伴奏者も
位置に付いている。
よし。最高の大地讃頌を奏でよう。

母なる大地の♪
懐に♪
我ら〜♪

もはや人の顔も見えないくらい
暗くなっていたし、
部活もないのに、
こんな遅くまでなにしてたの!
と親に怒られてもいい時間だったが
そんなことなんてお構い無しに
ゆっくりとゆっくりと
濃厚でかつ、素敵な時間を過ごした。
そして、
丸山さん直伝の片手止めをし、
大拍手が僕らの学年に
送られた。
これぞ"拍手喝采"。

僕は自然と振り向いた。
そして自然と言葉が溢れ出た。

"中止にはなってしまいましたが…
ありがとうございました!"

この一言を言うのに
口が回らなかった。
涙を堪えている。
堪えきれない声となってしまい
みんなもそれに続いて
"ありがとうございました!"と
揃えて言ってくれた。

そして男子が僕に駆け寄ってきて
人生初の

胴上げを経験した。

胴上げって野球チームの監督だけに
送られるものだと思っていたら
どうやら違ったらしい。
めちゃくちゃ気持ち良かった。
本当に素晴らしい経験をした。
僕らの代の合唱コンクールは
2つ上、1つ上の先輩も
経験してない、ドラマみたいなものになった。

そして、
ローズ関根の命令により
卒業式で指揮者をやることになった。
念願の卒業式での指揮者。
結果、素晴らしい合唱コンクールと
卒業式の指揮者をゲットした。
丸山さんからも良かったな!
とメールが来て
そこからもう10年くらい連絡取ってないが
なにしてるのかな。

卒業式も無事に終わり
外でみんなで写真を撮りあった。
あんなに男女間で話していなかった僕らだが
そんなことはなかったかのように
仲良く撮りあっている。
そうだよな。みんな仲良くはしたかったよな。
ただ思春期なだけだったんだ。
そして、写真撮ったり、喋ってるあいだに
時間が過ぎ、期待してずっと待っていたのだが

後輩からボタンくださいって誰からも言われなかった。

あれ?
話違くない??
丸山さん去年全部なくなってたよ?
俺は??
プラスアルファ、サッカー部部長とか
目立ったことやってたけどなぁ…

人生でモテたことがない。
売れたいな。



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衝撃デリバリー杉本佳津山

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