【FF14暁月台詞集】Lv83 嘆きの海【選択肢未記載あり】

本記事は、FinalFantasyXIV 暁月のフィナーレ のクエスト台詞集になります。
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◆嘆きの海開幕

***

赤き月ダラガブに神が封じられるより 遥か昔――

白き月にもまた
星の意志になるはずだった神が封じられた

古き人の魂を呑んだその神は 今もなお
完全な形となる日を夢見て眠っている

どこまでも荒涼とした光景は
揺り籠というよりも 墓碑のない墓場のようで

聞こえる筈もない 嘆きの声と祈りの歌が
青き星に昇っていく気がしたものだ

***

どこからか響く声 : ……者よ……こちらに…………。
どこからか響く声 : ハイデリンに導かれし者よ…………。


◆『泡沫は嘆きて』

***
月の監視者 : 私は「月の監視者」。
ハイデリンによって月とともに創造された、
管理機構の一端だ。
月の監視者 : 名のとおり、
「あれ」が正しく封印されているかを監視している。
月の監視者 : ゾディアークだ。
もっとも、あそこに浮いているのは、
月の中枢で眠る姿を投影したものにすぎないが。
月の監視者 : 遥か昔、ハイデリンに分かたれた彼は、
七度の世界統合によって力を取り戻してきた。
しかし見てのとおり、まだ完全ではない。
月の監視者 : この状態では、アシエンたちが望むように、
古き人々を蘇らせることはできないだろう……。
月の監視者 : ゆえにこれまでは、誰ひとりとして、
不完全なゾディアークを引きずり出そうとしなかった。
月の監視者 : ……だが、今回は事情が違うらしい。
手痛い一撃を食らわせてくれたおかげで、封印が損傷している。
月の監視者 : 大穴のまわりに、6つの構造物があるのが見えるだろうか?
月の監視者 : あれが封印の要……
その形から、私たちは「剣」と呼んでいる。
月の監視者 : あれらがすべて破壊されたとき、ゾディアークが解き放たれる。
先ほどの攻撃で5つが砕け、うち1つを修復……。
月の監視者 : 残り4つの「剣」も、全速力で修復を試みているのだが……。
月の監視者 : ゾディアークを構成する、贄となった者の魂。
その思念が、封印が弱ったことで浮かび上がっているのだ。
月の監視者 : 彼らが「剣」の修復を阻害している。
どうにか排除してきてはもらえないだろうか?

 封印が正しいことなら手を貸そう
>彼らを問答無用で倒すことはできない

月の監視者 : ……そうか。
君は、それを躊躇ってくれる人なのか。
月の監視者 : 私はただの監視者だ。
それ以上の役割は持たないゆえ、
貴殿の求める答えを提示することもできない。
月の監視者 : それでも、ひとつ告げるとすれば……
月は、ハイデリンの持つ、停滞の力で編まれた檻なのだ。
月の監視者 : その内にいるかぎり、
ゾディアークが新たな贄を求めることはないし、
消えてしまうこともない。
月の監視者 : あとは、古き人の思念に触れてみて、
どうするか判断するといい。
月の監視者 : 月面に浮かび上がった、贄の幻影たち……。
封印の「剣」を修復するため彼らを排除してほしいと言ったが、
なにも戦う必要はない。
月の監視者 : 多くの幻影は、ただ触れれば霧散するような、
淡く不確かな存在だ。
月の監視者 : しかし、先ほど貴殿が遭遇したように、
彼らの想いが形を成して襲い掛かってくることもある……。
それだけは、注意してほしい。
月の監視者 : では、私は「剣」の修復を続行しよう。
まだ距離はあるが、貴殿以外の、招かれざる訪問者たちが、
着実にこの区画へ近づいてきているのを感じるのでね……。
月の監視者 : 封印の「剣」は、霊水、霊氷、霊土、霊火、霊雷、霊風の6つ。
そのうち今残っているのは、霊雷と霊風の2つのみだ。
月の監視者 : それらを招かれざる訪問者たちが壊すまでに、
どうにか「剣」の修復を終えて、
堅牢な再封印を施さなければならない。
月の監視者 : そのためには、修復を妨げている、
ゾディアークの贄の幻影たちを掃わなければ。
貴殿にはその協力を頼みたいのだ。

気疎なげに囁く幻影 : 今はいつかしら……。
長く……長く……眠っていた気がする……。
朧げに囁く幻影 : そう……時は流れた……。
すべては、むかしむかしのことだ……。
寂しげに囁く幻影 : あのころの私たちは、星と調和していた……。
寂しげに囁く幻影 : 自然を紐解いては、新たな種を創り出し……
在るべきものを丹念に選んで……大いに栄えさせた……。
物憂げに囁く幻影 : ああ……そうだ……。
あのころ、我々はまさに星の意志であり、細胞だった……。
物憂げに囁く幻影 : この命こそが星に流るる血の一滴……
己が身のごとく……星を育め……。
物憂げに囁く幻影 : そのために、我々は望むだけ生きた……。
学び、創り、星を善くしていった。
物憂げに囁く幻影 : 欠けることなく満たされていたのだ……。
星も、我々も……。
物憂げに囁く幻影 : なあ、そうだろう……?
儚げに囁く幻影 : そうよ……私たちも星も、満たされていた……。
儚げに囁く幻影 : なにもかも、うまくいっていたの……。
悲しみなんて、知らなかった……。
儚げに囁く幻影 : なのに、あの恐るべき日がやってきたんだわ……!
「終末の災厄」が……アァ……ッ!
儚げに囁く幻影 : あの災厄によって、
私たちは、はじめて死を「押し付けられた」。
儚げに囁く幻影 : 同胞が、望みも役目も果たせずに終わっていく……。
予定にない別離が、突如としてやってくる……。
儚げに囁く幻影 : 闇のように素早く……灰のように冷たく……。
儚げに囁く幻影 : あぁ……なんてこと……!
これほど恐ろしく、悲しいことが、存在し得るというの……!?

想いを囁く幻影 : 終末が振りまいた「絶望」というものは、
あまりに理不尽だった。
唐突だった……乱暴だった……。
想いを囁く幻影 : あんなものが在ってはならない。
だから私たちは、命を捧げてゾディアークを創ったのだ。
祈りを囁く幻影 : ゾディアークが……私たちが世界を救う……。
願いを囁く幻影 : 取り戻すのだ、楽園を……。
憂いを囁く幻影 : 星と愛しあっていた、あのころを……。
誓いを囁く幻影 : そして人は再び、星の意志となる……。
想いを囁く幻影 : 命を紡ぎ、天地を満たし、
一切の絶望なき世を創るだろう……。

???? : やあやあ。
盛り上がっているところ悪いんだけど、
ちょっとどいてくれるかな?
懐かしい雰囲気の幻影 : ……ああ、やっぱりアゼムの色だ。
懐かしい雰囲気の幻影 : その魂を持つ、けれどもアゼムではないキミがここにいる。
いることを認められている。
懐かしい雰囲気の幻影 : うん、そっか……エメトセルクは託せたんだね。
懐かしい雰囲気の幻影 : おや、どうしたんだい?
ワタシ、驚かれるようなことをしたかな。

>もしかして、ヒュトロダエウス……?
ヒュトロダエウス : いかにも、ヒュトロダエウスだけど……
どうしてキミが知ってるの?

>人民事務局の受付の人……?
ヒュトロダエウス : 惜しい、しいて言うなら創造物管理局で働いていた人だよ。
名はヒュトロダエウスだ。
ヒュトロダエウス : けど、よく人民事務局なんて言葉が出てきたね?

ヒュトロダエウス : エメトセルクがワタシの幻影を創った……
それも、アーモロートごと……。
ヒュトロダエウス : フフ……エメトセルクがねぇ……フフフ……。
ヒュトロダエウス : でも本当に、ずいぶん時が経ったんだね。
彼が、失くすことを、そんな風に悼むようになるなんて。
ヒュトロダエウス : 残念ながら、ワタシはキミが出会った幻影とは別物だよ。
別物というか……本物(オリジナル)というか……。
ヒュトロダエウス : ゾディアークを成す、贄となった魂のひとつなのさ。
ヒュトロダエウス : 「ワタシたち」は、
ハイデリンに封印されるまでのことは、
しっかり把握できているんだ。
ヒュトロダエウス : だから、自分たちを復活させる計画があったのは知ってるし、
ハイデリンによってそれが阻止され、
世界とゾディアークが分かたれたことも理解してる。
ヒュトロダエウス : そのあとのことは、夢うつつだったんだけど……
うん、おかげではっきりした。
ヒュトロダエウス : キミたちが、ゾディアークやあの星を、
どこに導いていくのかはわからない。
ヒュトロダエウス : ……でも、ワタシは信じるよ。
エメトセルクと出会って、そしてここにいるキミを。
ヒュトロダエウス : だからキミも……キミを信じて、進むといい。

ヒュトロダエウス : おや、「剣」がひとつ壊されたね。
近くにいるのは……ああ、この色だと、今のファダニエルかな。
ヒュトロダエウス : もう片方は誰だかわからないけれど……
なんだかすごいのが来たみたいだ。
ヒュトロダエウス : 急いでいたのに、ごめんね。
お詫びに、残りの「剣」にたかっている思念は、
ワタシがなだめておくよ。
ヒュトロダエウス : キミは、最後の「剣」に向かうといい。
ヒュトロダエウス : では、良い結末を。
懐かしく、新しいキミ…………



◆『星を救った英雄』

ファダニエル : 残念、時間稼ぎが少しばかり足りませんでしたね。
ファダニエル : さあ、封印は破られた。
目覚めのときです、ゾディアーク……!
ファダニエル : ゾディアークからは、
エリディブスという核が抜け落ちている。
ファダニエル : さながら、本能のみで生きている赤子です。
使うも乗っ取るも、たやすいこと……。
ファダニエル : ああ、いいですね……。
脈打つたび、ゾクリとするほどの力が吹き上げてくる。
ファダニエル : どんなありさまになっていようが、
かつて星を救った英雄なんですから。
それくらいでいてくれないと。
ゼノス・イェー・ガルヴァス : さて……。
いよいよだが、お前はどうしたい?
ゼノス・イェー・ガルヴァス : 俺としては、かの蛮神を喰らい、世界を喰らったあと、
怒れるお前と狩り合いたいものだが……
ゼノス・イェー・ガルヴァス : お前がここで、俺を殺す気で止めるというのなら、
それもまた一興だ。
ゼノス・イェー・ガルヴァス : …………ハ。
では俺を生かし、仕留めろよ。
ファダニエル : ああ、すみません。
戦うなら「こっち」を先にしてもらえますか?
ファダニエル : ……言ったでしょう?
すべてを殺して、死にたいんだって。

私は 世界を救うもの――
星を巡らせ 理を紡ぎ直すもの――
命を対価に より多くの命をもたらすもの――

ファダニエル : 世界を救う?
いいえ、あなたたちは今から世界の敵になる。
何もかもを終わらせるために!

終わりは嫌だ――
私たちは帰る 在るべき場所へ――
再び星の意志となるのだ――

ファダニエル : いいえ! いいえ! いいえ!
何もかも否ですよッ!!
ファダニエル : あなたたちは、もう死んでいるんです。
亡霊らしく、お眠りなさい!

お願い どうか 私たちに――
星を――壊させないでくれ――

懐かしい雰囲気の青年 : そう、信じて前に進むんだ。
その魂は、それでこそ輝くというものさ。
懐かしい雰囲気の青年 : キミが望んでくれた結末とは、違うのだろうけど……
これはこれで、ワタシたちに似合っているんじゃないかな。
懐かしい雰囲気の青年 : キミも少し、そう思ったんじゃない?
ねえ、ハーデス……。

ゾディアーク : ああ、馴染んでいく……。
果てしない力が、私の意志と繋がっていく……。
ゾディアーク : ふふ……ふふふ…………。
ゾディアーク : 不完全な状態でどこまでやれるか、
殿下で試そうと思っていたのですが……
ゾディアーク : この際です、世界を平らげるのに最も邪魔な、
あなたから消すといたしましょう……!


◆ゾディアーク討滅戦

接続開始ーー
万象の理を 我が意のままに

ゾディアーク : どうせ終わるなら、派手に散ろうじゃありませんか!
ゾディアーク : この魔力、シルクスの塔が玩具に思える……!
ゾディアーク : イデア展開……獣よ来たれ……!
ゾディアーク : 耐えられますか!
ゾディアーク : ゾディアークと繋がりきるまで、あと少し……!
ゾディアーク : ああ、ついに、このときが……!
ゾディアーク : ハハハハハハハッ!
ゾディアーク : 完全に繋がった、私こそがゾディアークだ!
ゾディアーク : 活なる闇で、新たなる理を紡がん……
ゾディアーク : 天地万象を我が意のままに!
ゾディアーク : すべてを終わらせるために!
ゾディアーク : この日を待ち望んでいたのだ!
ゾディアーク : さて、終末の再現を始めましょう……
ゾディアーク : 恐怖よ、星となれ……!
ゾディアーク : 降り注げ、あの日のように……!
ゾディアーク : 先などないのだ、出し惜しみはしない!


◆討滅戦後

月の監視者 : 待たせてすまない……!
ゾディアークを、ひとまず再封印するだけの準備が整った。
月の監視者 : まずは貴殿をこちらへ退避させる。
転移魔法に備えてくれ……!

ゾディアーク : ふふ……くくく……。
不完全とはいえ、ゾディアークの力でも倒せないなんて。
ゾディアーク : 本当に、本当に厄介な人たちですね……。
ゾディアーク : ですが……残念、私の勝ちです!
ゾディアーク : 最初から、狙いはこちら……
ゾディアークを殺すことだったんですよ。
ゾディアーク : 方法は、いくつか想定していました。
殿下がゾディアークを喰らって、
それをあなたが倒してもよかったんです。
ゾディアーク : ですが、私自身がゾディアークを乗っ取れれば、
それ以上に確実なやり方はない……。
ゾディアーク : ついでにあなたを潰しておけなかったのは残念ですが、
このとおり、本懐は遂げられる……!
ゾディアーク : さあ、今度こそ始めるといたしましょう……
ゾディアーク : 真なる終末の災厄を!

ファダニエルを名乗ったもの : ……身体から、急速に力が抜けていく。
寒いような気がするが、よくわからない。
ファダニエルを名乗ったもの : 何度も身体を変えて、肉体の死も経験してきた。
今回もまた、ただ眠りに落ちるかのように、すべてが遠くなる。
ファダニエルを名乗ったもの : あまりにも当たり前のことのようで、
もう二度と目覚めないのだという実感はないままだ。
ファダニエルを名乗ったもの : せめて、終わったのだと自分に言い聞かせる。
望みがなかった分、未練もない。
少し先の未来を思い描いて「ざまあみろ」とだけ思う。
ファダニエルを名乗ったもの : この結末を、遥か昔、
自分と同じ魂を宿して生きた「あの男」は嘆くだろうか。
ファダニエルを名乗ったもの : だとしても、私は到底、
人が続いていくべきものだとは思えなかった。
一万年以上の昔、彼が掛けた問いに、今、そう答えを返す。
ファダニエルを名乗ったもの : それが誤りだと言うのなら、こののち来たる災厄に、
お前たちの答えを示すがいい……ハイデリンよ。
ファダニエルを名乗ったもの : ご覧ください、ザンデ陛下。
これより、あらゆるものが無に還ります。
ファダニエルを名乗ったもの : 私も、星も、すべての命が……あなたと同じに。


◆嘆きの海

ああ――やっと―――

???? : 息を吐くんだ、呼吸に意識を向けて……。
月の監視者 : ……貴殿も視たか。
青き星が、禍々しきものに侵されるのを。
月の監視者 : そうか……。
残念ながら、あれは幻惑の類ではない。
月の監視者 : ゾディアークが喪われてしまったことで、
彼が司っていた星の理が綻び、
いにしえの終末が再来しようとしているのだ。
月の監視者 : 今はまだ、貴殿の持つ「超える力」によって、
予兆を視たにすぎないだろう。
地上に実害は出ていないはずだ。
月の監視者 : だが、恐らく遠くないうちに……

ゼノスらしき声 : ……いいや、違う。
今のお前と戦ったところで、俺の望むすべては手に入らない。
ゼノス・イェー・ガルヴァス : 新たな獣が、お前の縄張りに踏み込もうとしているのだろう。
その目も、耳も、牙も、もはやこの身に向けられてはいまい。
ゼノス・イェー・ガルヴァス : また、探さねば……
かつて神龍にそうしたように、お前が闘志を注ぐものを。
ゼノス・イェー・ガルヴァス : 古き神などというものも、期待外れだった。
必要なのは、さらなる悪……さらなる絶望か……?

>絶望でどうにかできると思うな
 お前が愉しむための戦いはしない

ゼノス・イェー・ガルヴァス : …………そうか。

月の監視者 : ……あの若者の気配が消えた。
この月から去ったようだ。
月の監視者 : 貴殿があえて彼を追わないのであれば、
私から、改めて話をさせてほしい。
月の監視者 : ゾディアークのこと……いにしえの終末のこと……
私の知り得るすべてを託そう。
あの青き星の、未来のために……。


◆『長き時の記録』

・嘆きの海

月の監視者 : 私が感知したのは、彼ら3名で間違いないよ。
サンクレッド : こいつは……。
いったい、何がどうなってるんだ?
ウリエンジェ : 遅ればせながら、参上いたしました。
して、こちらが月の住民の方……でしょうか?
ヤ・シュトラ : ああ、Cilina、会えてよかった。
ヤ・シュトラ : こちらは派遣団と総出で、
暴走状態になったテンパードたちを取り押さえたわ。
ヤ・シュトラ : 残念ながら、最初の段階で自爆をした人を含め、
死者が出なかったわけじゃない……
それでも、おかげさまで被害はかなり抑えられたはずよ。
ヤ・シュトラ : あとは双方の怪我人の手当てと、テンパード化の治療を、
地道に進めていく段階に入っているわ。
ウリエンジェ : クルル嬢につきましても、応急処置は済みました。
あとはゆっくりと療養していれば、
消耗したエーテルも身体に満ちてくるでしょう。
ヤ・シュトラ : ということで、ひとまず3人であなたに合流しにきたの。
アルフィノたちなら、私たちが抜けても、
ガレマルドでの役目を立派に果たしてくれるでしょうしね。

ヤ・シュトラ : ……それで、これはどういう状況なの?
彼は、まるでアーモロートにいた古代人の幻影のようだけど。
月の監視者 : おおよそ間違いではない。
私は月の監視者、ハイデリンによって月とともに創造された、
管理機構の一端だ……。

ヤ・シュトラ : ゾディアークが……消滅したですって……!?
月の監視者 : 同時に、彼が維持していた星の理も綻び、
いにしえの生命を壊滅せしめた終末が、
星に再来しようとしているのだ。
月の監視者 : それについて、私の知っていることを、貴殿らに…………
サンクレッド : おい、大丈夫か……!?
月の監視者 : ……すまない。
ゾディアークの封印を行うために……
大量の処理を行った影響が……出ているようだ……。
月の監視者 : すぐに復旧を試みる……。
ほんの少しだけ……時間をくれ……。
ヤ・シュトラ : 了解よ、きちんと聞くべき話だし、焦らずに待つわ。
ヤ・シュトラ : 待つ間、ここに保管されている記録を見させてもらっても?
壁一面にはめ込まれているのは、それ用のクリスタルでしょう?
月の監視者 : ああ、もちろん構わない……。
これらは私の監視記録……
上階の方が、より古いものになっている……。
ヤ・シュトラ : それじゃあ、彼が落ち着くまで閲覧させてもらいましょう。
あなたは上の方から見ていってもらえるかしら?


・ヒントトーク

月の監視者 : すまない……できるだけ早急に……戻す……。

ヤ・シュトラ : あなたは上の、古い記録から順に辿ってもらえるかしら。
クリスタルに近づいて意識を向ければ、
込められた記録が閲覧できるはずよ。
サンクレッド : しかしお前……
統合が果たされていない不完全な状態だったとしても、
ゾディアークを降したとは恐れ入る。
サンクレッド : ファダニエルがゾディアークごと自滅するつもりだった以上、
この結果は、まず避けられなかっただろう。
サンクレッド : それでも、お前がここで止めていなければ、
地上はゾディアークと終末の両方に蹂躙されたかもしれない。
だから俺は、最良でなくとも適切だったと思ってるぞ。
ウリエンジェ : 月とともに創造された、月の監視者……。
すると彼は、世界が分かたれたときからの果てしない年月を、
独り、ゾディアークの監視に費やしてきたのでしょうか。
ウリエンジェ : ……この記録は、彼の人生そのものなのですね。
丁重に拝見するといたしましょう。


・クリスタルを調べる

クリスタルに封じられている、
とても古いゾディアークの監視記録が、
意識に流れ込んでくる……。

クリスタルから響く記憶 : 本日は異常なし……。
本日は異常なし…………。
本日は異常なし………………。

世界が分かたれてから長い年月、
月の監視者は、変わらぬゾディアークを眺めていたようだ。

ゾディアークの監視記録が続いている。
今度は、幾度かの霊災を経たあとの記録のようだ。
曰く、世界統合が進むたび、
ゾディアークは本能的に自身の解放を求め、
封印を侵食、破壊しようと蠢いてきたらしい。
それによって、封印の主であるハイデリンは、
大きな負担を強いられてきたようだ……。

ゾディアークの監視記録が、なおも続いている。
世界がさらに統合され、
封印に伴う負担が、ますます増加しているようだ。
ハイデリンがいつまで持ちこたえられるか、
月の監視者は案じている……。
同時に、「レポリット」なる存在とともに、
月の定期点検をしたことが記録されている。

ある日の記録に、エリディブスが月に来たことが記されていた。
ゾディアークと繋がりを持つ彼は、
ときおり本体のそばに来ていたらしい……。

クリスタルから響く記憶 : エリディブスは此度も、封印に手出しすることはなかった。
彼らにとって月は、残りの統合が遂げられるまで、
現生生命の好奇心からゾディアークを護る揺り籠なのだ。
クリスタルから響く記憶 : 彼らはもう理解している。
ここから解放しないかぎりにおいて、
我々が、決してゾディアークを消したりはしないことを……。

ヤ・シュトラ : どうかしら、いくつかの記録は読めて?
ヤ・シュトラ : そう……。
ゾディアークの封印は保たれていたけれど、
ハイデリンは切迫した状況に追い込まれていた……。
ヤ・シュトラ : 第七霊災を経た今、彼女が次第に、
人々を直接導けなくなっているという事実とも、
合致しているわね。
ヤ・シュトラ : 私も、いくつかの記録を見て、興味深いことに気づいたわ。
ヤ・シュトラ : こうして私たちが降り立った、白き月……。
これ全体が、どうやらハイデリンの創造物らしいのよ。
ヤ・シュトラ : 月の監視者が「月とともに創造された」と言っていたけれど、
比喩でも何でもなかったというわけね。
世界分割のことといい、全盛期の彼女の力は計り知れないわ。


・ムービー

月の監視者 : 皆、こちらに集まってもらえるだろうか。
時間をくれて助かった。
もう大丈夫だから、話をはじめよう。
ヤ・シュトラ : よくなったのなら何よりよ。
壁の記録も興味深くはあったけれどね。
ヤ・シュトラ : それじゃあ、聞かせてもらえるかしら……
いにしえの時代に起こり、これから再び起きようとしている、
終末の災厄について。

月の監視者 : 遥か昔、我々が生きた時代。
あの青き星は、ただ「輝く空」と……
「アーテリス」と呼ばれていた。
月の監視者 : ある日、大地が悲鳴を上げたかのような音が響き、
生き物たちが異形へと転じはじめた。
月の監視者 : 影響は、人にも現れた。
創造魔法が暴発し、不安や恐れ、絶望を、
次々と現実のものに変えていったのだ。
月の監視者 : その災厄は限られた地域から始まり、
徐々に範囲を広め、やがて星中を混乱に陥れた……。
ヤ・シュトラ : 原因は突き止められたの?
月の監視者 : はっきりとしたことは……。
ただ、十四人委員会によって「次にどこで起きるか」までは、
予測できるようになっていたのだ。
月の監視者 : アーテリスには、
いくつかの大きなエーテルの流れが存在している。
月の監視者 : 大地に沿う「地脈」と、海を巡る「水脈」。
月の監視者 : 空を流れる「風脈」。
月の監視者 : そして、この月も含めるようにして、
星のいちばん外側を通っている「天脈」だ。
ヤ・シュトラ : 天脈……その言葉は、初めて聞いたわ。
月の監視者 : 地上で暮らす貴殿らには、馴染みがないのも頷ける。
我々の時代ですら、それを認識しているのは、
一部の研究者のみだった。
月の監視者 : しかし、その天脈こそが、終末を知るための鍵だったのだ。
月の監視者 : 地脈や風脈と同じく、
天脈も細かい網目状に広がっていて、
ところによって濃淡がある。
月の監視者 : 十四人委員会は、終末の現象が、
天脈の薄い地域から発生していることに気がついた。
月の監視者 : 彼らは、根本的な原因はわからないとしつつも、
天脈が循環不全を起こしている場所から、
星が腐り始めたのだと見たようだ。
ウリエンジェ : だから、闇の力を……
活性の力を持つゾディアークを創造したのですね?
ウリエンジェ : 星全体のエーテルの流れを増強し、制御する。
まさに理を敷き直すがごとき神業です。
月の監視者 : 正解だ。
そうして創り出されたゾディアークによって、
予測どおり、終末は退けられた。
サンクレッド : そのあとに、ゾディアークの扱いを巡って対立が起き、
ハイデリンが生み出された……
エメトセルクはそう語っていたが、相違はないか?
月の監視者 : ああ……。
しいて補足をするとすれば、対立したといっても、
ハイデリンの願いはゾディアークの消滅ではなかったことだ。
月の監視者 : 終末の根本的な原因を断てたわけではない以上、
ゾディアークがいなくなれば、それは再開しうる……。
月の監視者 : ゆえに彼女は、世界と自分を巻き込んでまで、
ゾディアークを分割し、封じるという手を選んだのだ。

>闇を消し去れと言われた気が……
月の監視者 : ああ、その真相についても、
今の貴殿らであれば、理解が及ぶかもしれない。

>前に星海で聞いた話は噓だった……?
月の監視者 : なるほど、光と闇がひとところにあり、
増大した闇を封じるために世界を分かった……と。
確かに、ひどく婉曲的だ。
月の監視者 : しかし、彼女がそう話した理由について、
今の貴殿らであれば、理解が及ぶのでは?

月の監視者 : ゾディアークもハイデリンも、人が創り出したものだ。
真実と正しさだけでできた、絶対の神ではないのだよ。
月の監視者 : その上で、両者を比べればハイデリンの方が弱い。
ゾディアークは当時の人類の半数を贄として創られたもの……
どう足掻いても規模が違う。
月の監視者 : かつての戦いにおいては、
あらゆる技を尽くしてハイデリンが勝利したが、
それを抑え込み続けるとなると、いかにも分が悪い。
月の監視者 : 彼女の力のほとんどは封印の維持に使われ、
地上に対してできることといえば、
星の内から危機を訴え、応じた者に加護を与える程度だった。
月の監視者 : だからなんとしてでも「光の戦士」の協力を得たい一方で、
彼女のことだ、旧き世界の事情は、
できるだけ伝えたくなかったのだと思う。
月の監視者 : 人が、過去を過去として、前に向かって進むこと……
それがハイデリンに込められた願いなのだから。
ヤ・シュトラ : 実際、ハイデリンのその導きがなかったら、
アシエンに、もっと多くの世界統合を許していたでしょうね。
ヤ・シュトラ : そして、今を生きる生命は、
かつての人を蘇らせるための贄とされていたはず……。
サンクレッド : ……わかった。
ひとまずお前の言うことを信じよう。
サンクレッド : 絶対の神がいないなら、俺はあいつが……
ミンフィリアが支えようとしたものを、信じてみたい。
サンクレッド : そのつもりで、もうひとつだけ教えてくれ。
サンクレッド : このあと、本当に終末が再開されてしまうとして、
俺たちがそれに対処できなかった場合……
サンクレッド : 原初世界が滅びた場合、鏡像世界はどうなる?
月の監視者 : ……原初世界は、すべての鏡像世界と繋がりをもつ。
いわば核たる世界だ。
月の監視者 : そこが終末で腐り落ちれば、
すべての鏡像世界も、運命をともにするだろう。

月の監視者 : 起動したか……。
月の監視者 : 見せたいものがある。
上まで、ご同行願えるだろうか?
月の監視者 : あれだ、光が灯っているのが見えるだろう。
ヤ・シュトラ : 何の建物かしら?
月の監視者 : 先ほども話したとおり、
ハイデリンは万能ではなく、最強でもない。
むしろ、つねに窮地にあると言った方が近いだろう。
月の監視者 : だからこそ、彼女は「もしも」に備えていた。
ゾディアークが予期せず消滅した場合の策を、
この月に仕込んでいたのだ。
月の監視者 : 再び終末に見舞われるアーテリスから、
生命を連れ出す巨大な「船」……
それこそが、月のもうひとつの役目だよ。
月の監視者 : ゾディアークの監視者にすぎない私が語れるのはここまでだ。
船としての月を繰る者は、また別に存在している。
月の監視者 : 最後の仕事として、貴殿らを彼らと引き合わせよう。

ヤ・シュトラ : さすがに参ったわね……。
「月が船でした」なんて報告しても、冗談にしか聞こえないわ。
地上に戻ったあと、どう説明したものかしら……。
サンクレッド : 終末に見舞われるアーテリスから、生命を連れ出す……
つまり諦めて逃げ出すってことか?
聞き捨てならない話だな……。
ウリエンジェ : ……ひとまず、話の続きを伺ってみましょう。


◆『いろいろレポリット』

***
サンクレッド : ……で、だ。
俺の譲れないもののために、ひとつ質問しておきたい。
サンクレッド : ハイデリンは、お前たちを……星の外へと逃げる道を、
原初世界以外の世界にも仕込んでるのか?
リヴィングウェイ : いないとも言い切れませんが、
少なくともわたくしは、そんな存在聞いたことがありませんわ。
リヴィングウェイ : わたくしたちは、あくまで原初世界に生み落とされた存在。
月に乗せて助け出せるのも、この世界の方々だけです。
リヴィングウェイ : それでも、14すべての世界のヒトを、終末で失うよりは……
ひとつだけでも救えるほうが、ずっといいと思いませんこと?
サンクレッド : …………そうか。

***

ウリエンジェ : それで、私に話とは……?
リヴィングウェイ : 本当は、こんなことを聞きたくはないのですが……
きちんと明らかにしておかなければなりませんわ。
リヴィングウェイ : わたくしたちが創っていた環境は、
ヒトにとって、不満足なものだったのでしょう……?
ウリエンジェ : それは……。
リヴィングウェイ : お仲間の反応を見ればわかりますわ。
何が悪いのかはわかりませんが、
わからないからこそ、駄目なのでしょうね……。
リヴィングウェイ : わたくしたちの至らぬ点は、改められるように善処します。
ですが、それを待っていていただく時間はないのです。
リヴィングウェイ : こうしている間にも、終末のときが近づいてきている……。
それが始まってしまったら、もう、
皆様をお助けできないのですわ……!
リヴィングウェイ : アーテリスの皆様には、
気に入ってくれなくてもいいから、月に乗ってほしい。
……そのために、お願いがあるのです。
リヴィングウェイ : あなたにだけ「協力者」の情報をお伝えしますので、
先に地上へ戻り、彼らとともにヒトを導いていただけませんか?
リヴィングウェイ : 月はすばらしい場所だったと……
何も不安はないから早く避難するようにと、
皆様に伝えてほしいのですわ!
ウリエンジェ : ……どうしてそれを、私に?
リヴィングウェイ : あなたはあまり、不満そうにしていなかったから……
リヴィングウェイ : いえ、不満に思っていたのかもしれませんが、
あえて異を唱えずにいてくれたのではと思ったのですわ。
リヴィングウェイ : それは、終末の危険性を理解した証。
すべてを完璧に救えずとも、生かせる者を生かす選択を、
良しとしてくださるはずだと踏んだのです。
ウリエンジェ : また何かの犠牲を選べと……。
私は、それほどに……。
リヴィングウェイ : ウリエンジェさん……?
ウリエンジェ : いえ、大丈夫です。
あなた方の考えは、よくわかりました。
ウリエンジェ : 私は…………


◆『薄情なヒト』

ウリエンジェ : いらっしゃるのではないかと思っておりました。
ウリエンジェ : ……先ほどのリヴィングウェイたちとの話を、
お聞きになっていたのでしょう?
ウリエンジェ : 申し訳ありません。
今度こそ、隠しごとをするつもりはなかったのですが……。
ウリエンジェ : 彼女たちは聡いですね。
私がこれまで、誰かを救うための犠牲を許してきたことを、
見透かしているかのようです。
ウリエンジェ : 私はかつて、水晶公からの申し出に……
彼の命と引き換えに世界を救うことに、力を貸しました。
ウリエンジェ : ミンフィリアにしても、第一世界に送り込む手引きをした。
彼女をサンクレッドやフ・ラミンさんから永遠に奪ったのは、
ほかでもない、私なのです。
ウリエンジェ : 無論、水晶公もミンフィリアも、
私の行い以上に、彼ら自身の気高い意志と願いによって、
その道を選んだことでしょう。
ウリエンジェ : けれど、私が背中を押したことで、
彼らの本当に言いたかった言葉を……
ウリエンジェ : 生きたい、という望みを奪っていたのではないかと、
そう思って、足がすくむことがあるのです。
ウリエンジェ : ……そのことで苦しみ、迷っているときに、
必ず胸をよぎってしまう考えがあります。
ウリエンジェ : アシエンを倒す方法を確立するために……
それによって平和がもたらされると信じて命を捧げた、
ムーンブリダのことです。
ウリエンジェ : 私が、ルイゾワ様の弟子としての、
あるいは「暁」としての使命以外に、
目を向けられていれば……
ウリエンジェ : あなたの命に勝るものなどないのだと、
ちゃんと伝えられていれば。
彼女は、今も笑っていただろうと思えてなりません。

ウリエンジェ : それほどの……耐えがたいほどの後悔と恐怖に駆られながらも、
私は、犠牲を許すようなレポリットたちの計画を、
間違いではないと考えてしまうのです。
ウリエンジェ : 幻影のアーモロートで見た終末は、悲惨なものでした。
だからこそ……。
ウリエンジェ : 救えなかった者の存在に苛まれ、
失ったものに胸を締め付けられようとも、
救える者を、救うべきではないか……と。
ウリエンジェ : そう思う私は、やはり、薄情なのでしょうか……。
ウリエンジェ : 私が選び、歩むことで、
在るべき笑顔を奪ってしまうのでしょうか……。

>正しいかどうかは、誰にもわからない
ウリエンジェ : あなたでも、そうなのですか……?
ウリエンジェ : それは……意外です。
「暁」にいる皆は、やりかたに迷うことこそあれど、
想いには揺らぎがないように感じておりましたので……。

>ウリエンジェも、進むのなら護り抜け
ウリエンジェ : それは、どういう……?
ウリエンジェ : なるほど、天竜ヴリトラがそのようなことを……。
あなたがそんな助言を受けていたというのは、
いささか意外に思えます。

>いっそ、立ち止まれたらよかった……
ウリエンジェ : 意外でした。
あなたが、そのように思っておられるとは……。

ウリエンジェ : ……考えてみれば、これまで長らくご一緒してきたものの、
こうしてふたりで語らうのは、非常に珍しいかと。
ウリエンジェ : 感謝いたします。
あなたから、今のお言葉を聞けてよかった……。
ウリエンジェ : レポリットの提案にどう答えるかは、
もう少しだけ、考えてみることにいたします。
ウリエンジェ : 実は……少し、気になっていることがあるのです。
私たちは、互いの核心に触れないまま、
手段の話をしてしまっているのではないかと……。



◆『青き星の君たちへ』

・ムービー

ウリエンジェ : はて……監視者の館に用があるのでは?
リヴィングウェイ : 察しが悪いですわ!
あなたを彼らから引き離す方便に決まっているでしょう。
リヴィングウェイ : 今のうちに地上に戻って、
ヒトを連れてくる段取りを進めてくださいませ!
ウリエンジェ : そういうことでしたら……
申し訳ありません、私は、地上へは戻らない。
マッピングウェイ : どうして!?
本当に、急がないとダメなんだ。
終末が始まったら、みんなが酷い目にあっちゃうよ……!
ウリエンジェ : ……あなた方は、本当に、
私たちのことを大切に思ってくれているのですね。

ウリエンジェ : 大丈夫、彼らも私も怒りません。
……そんなこと、到底できるわけがない。
ウリエンジェ : 何千年もかけて月を開拓するのは、
使命だとしても、決して楽なことではなかったでしょう。
ウリエンジェ : それでも、あなた方はやりとげ、
そして、その名前を選んでくださった……。
リヴィングウェイ : 名前……?
わたくしたちの、現代語での名前のことですの?
ウリエンジェ : ええ、名前とは己を表す大事なもの。
そう在りたい、そう在ってほしいという願いなのです。
ウリエンジェ : 私たちが親しみやすいようにと、
今の名前を選んでくれたあなた方のこと……。
ウリエンジェ : アーテリスの住民を心から想い、案じてくださっているのは、
疑う余地もなくわかっております。
シンギングウェイ : ……ああそうだ、そうだとも!
シンギングウェイ : オレたちは、ハイデリン様の、
あの星に暮らす命への想いから創られた。
シンギングウェイ : 大好きなんだ……
あの青い星は、どんな星よりキラキラして見える。
そこに生きてる奴らも元気だといいなって、ずっと思ってた!
マッピングウェイ : 月を開拓しながら、ボクら自身の気持ちも、
どんどん大きくなっていったのさ。
マッピングウェイ : ボクらは、あの青い星にいるみんなと会いたかった。
キミたちと、ずっとずっと、会いたかったんだ!
リヴィングウェイ : だから、どうかお願いです……!
終末から逃げて……月に来てくださいませ……!
リヴィングウェイ : 間違ってたのなら、いくらでも直しますから……っ!
ウリエンジェ : 間違っていたのではありません。
ただ知らなかったというだけのこと……。
ウリエンジェ : たとえば、シンギングウェイ……
あなたの名前の由来となった言葉は、
単に節をつけて声を出すということではありません。
ウリエンジェ : 地上には、数えきれないほどの唄がある。
それらは歓びや哀しみ、あらゆる想いや祈りを乗せて、
響き渡るものなのです。
ウリエンジェ : マッピングウェイ、あなたの名前になった言葉は、
あの広大な星を、長い時をかけて踏破し、知ってきた証。
ウリエンジェ : アーテリスには高い山があり、広い海があり、
彼方まで続く草原がある。
人は命を重ねてそれを拓き、明らかにしてきました。
ウリエンジェ : あなたは……
失礼、まだお名前を伺っていませんでしたね。
プディングウェイ : ……プ、プディングウェイ。
ウリエンジェ : それは……ふむ、言葉で説明するよりも、
作ってさしあげられればいいのですが……。
ウリエンジェ : ピクシー族に習った魔法が使えるかもしれません。
あとで試してみるといたしましょう。
ウリエンジェ : そして、リヴィングウェイ……
あなたの名前の意味を説明することは、とても難しい。
ウリエンジェ : ですが……そうですね……
私がまだ子どもだったころ、読書を邪魔してくる幼馴染に、
戯れのつもりで、その言葉の意味を問うたことがありました。
ウリエンジェ : 彼女はうんと悩んだあとに、こう言った。
ウリエンジェ : まだ読めていない本の続きに期待すること。
今日の嫌な失敗が、明日には塗り替えられるようにと願うこと。
ウリエンジェ : 今話している誰かと、また話せたらいいなと思うこと。
多分、そういうことの積み重ねじゃないか……とね。
リヴィングウェイ : ……よく、わかりませんわ。
ウリエンジェ : 私もまだ学んでいる途中です。
ですが、精一杯あなた方に伝えさせていただきますので……
少しの間、私たちのことを知っていただきたいのです。
ウリエンジェ : これを……。
ウリエンジェ : インクです、アーテリスと同じ青色の。
急ごしらえですが、出来には少しばかり自信があります。
ウリエンジェ : 私が嘘で先導せずとも、
人は必ず、ゆくべき道を決断するでしょう。
ウリエンジェ : どうか、それを待ってはいただけないでしょうか。
そのインクで、あなたの持つ本の続きを綴りながら。
ウリエンジェ : 人を知っていくうちに、付き合い方や、
月の変えるべきところが見えてくるかもしれない……。
ウリエンジェ : 何より、互いにとってより良い、
新たな道を見つけられるかもしれません。
リヴィングウェイ : ……わかりました。
是非、お願いいたしますわ。
ウリエンジェ : お聞きのとおりです。
私はここに残り、レポリットとともに月を整えます。
ウリエンジェ : サンクレッド、あなたはまさか、
リーンを見捨てるような選択はしないでしょう?
ウリエンジェ : ほかの皆さんも、同様です。
きっと最後の瞬間まで、星を捨てず、
鏡像世界を犠牲にしない方法を探すでしょう。
ウリエンジェ : ……だからこそ、です。
いざというときは月で逃げられる段取りがされていた方が、
そちらも、心置きなく足掻けるかと。
サンクレッド : わかった。
俺たちがしくじったら、あの星の連中を、
必ずお前が救ってやってくれ。
ウリエンジェ : ええ、そのようなときには、
「あなた方ごと」引っ張り上げますので……ご容赦を。

月の監視者 : これは懐かしい。
……どうしてその花を?
月の監視者 : なるほど、ヴェーネスらしい話だ。
月の監視者 : だとすれば、その花を標として進んだ先には、
私たちですら知らない彼女の真意が、
隠されているかもしれないな。
月の監視者 : 覚えておくといい。
その花は、我々の時代には「エルピス」と呼ばれていた。

リヴィングウェイ : あの……勝手に焦ってしまって、あなた方にも失礼を……。
本当に申し訳ありませんでしたわ……。
ヤ・シュトラ : おあいこよ、こちらも強行手段に出てしまったし。
グローウィングウェイたちに謝っておいてもらえると助かるわ。
リヴィングウェイ : 承知いたしました。
わたくしたちは、ひとまず、ヒトについて学びながら、
地上の皆様の決断をお待ちしますわ。
リヴィングウェイ : それにあたって、「協力者」のことを、
お伝えしようと思うのですが……。
ヤ・シュトラ : ああ、大丈夫よ。
どうせ、シャーレアンの哲学者議会でしょう?
リヴィングウェイ : ご、ご存知でしたの!?
ヤ・シュトラ : 状況からみて、ね。
あなたたちの話していた「協力者」の行動に、
彼らの動きが当てはまっていたのよ。
ヤ・シュトラ : 査問会にかけられてまで、
ラヴィリンソスや禁書庫を調査しておいた甲斐があったわ。
ヤ・シュトラ : 詳しい話は、地上に戻ってからにしましょうか?
アルフィノたちも待ちわびているでしょうしね。


・ヒントトーク

月の監視者 : ゾディアークのいなくなった大穴を眺めていたら、
貴殿らが次々に渡ってきたものだから、
つられて出てきてしまったんだ。
月の監視者 : おかげで、懐かしいものが見られた。
……といっても、これは私の記憶ではなく、
私のオリジナルが持っていた知識だが。
月の監視者 : エルピス……その名を携え、行くといい。
この先、アーテリスが暗い影に覆われたとしても、
貴殿らが、希望の光を見つけ出せることを願っている。

サンクレッド : 名前とは、そう在りたい、そう在ってほしいという願い……か。
まったく…………。
サンクレッド : ウリエンジェに考えを読まれてた上に、
お膳立てまでされる日が来るなんて、信じられないな。
サンクレッド : だが、せっかくの機会だ。
俺は全力で、リーンたちの未来も護ってみせる。

ヤ・シュトラ : レポリットたちは、月に乗せて救う以外に、
ヒトへの想いを表す方法を知らなかった……。
ヤ・シュトラ : 一方で私たちも、問うことに必死になって、
自分たちの想いや考えを伝えることが不十分だった。
ヤ・シュトラ : だからまず、「伝えることと知ること」から始めてみる……
それが今あるよりも良い選択肢を創ってくれると、
私も信じたいと思うわ。

シンギングウェイ : ウリエンジェがアーテリスのことを教えてくれるって聞いたら、
ほかのレポリットたちも、ハミングしまくりだろうな!
みんな、ずーっとあの星に憧れてたんだから。
シンギングウェイ : ああでも、話に夢中になりすぎて、
月のメンテナンスがおざなりにならないよう注意だな!?

プディングウェイ : あの、は、はじめまして!
プディングウェイと申します……!
プディングウェイ : ズルしようとして、ごめんなさい。
ウリエンジェと一緒に、お勉強しておくから……
きっとまた会いましょう!

リヴィングウェイ : 本当に、お騒がせいたしました……。
何としてでも皆様を終末からお救いせねばと、
そればっかりで……。

>グローウィングウェイを散歩に誘っておいて
リヴィングウェイ : …………!
ええ、ええ、必ず伝えておきます!
たんこぶも引っ込むほど、大喜びすると思いますわ!

>ウリエンジェとよく話すこと!
リヴィングウェイ : はいっ、承知いたしました……!
ヒトのことやアーテリスのことを、
たくさん聞いて、学んで、考えておきますわ。

>レポリットはもっと落ち着くべき
リヴィングウェイ : はうッ……肝に銘じておきますわ……。
これからは技術も気品も兼ね備えたクルーになるべく、
ウリエンジェのもとで、研鑽して参りますわ……!

マッピングウェイ : ボクたちは、終末を止める方法を知らない。
けど、宇宙を飛び回ったり、星を開拓したりは大得意さ。
マッピングウェイ : もしそういう知識が必要なことがあったら、
きっと声をかけてよねぇ。
ボクたちも、ボクたちのことを伝えたいからさ!

ウリエンジェ : あなたの協力を得て作ったインクが、
リヴィングウェイたちに気に入っていただけて、よかったです。
ウリエンジェ : 重大な決断を下すときだからこそ、
いっときだけ立ち止まり、互いの望みを伝え合う。
そのきっかけを作ろうというのが、私のささやかな策……。
ウリエンジェ : そしてそれを提案するからには、
私が彼らに伝える役を引き受けるべきだと、考えておりました。
ウリエンジェ : 災厄を前に「暁」を留守にすること、どうかお許しください。
されど、私は私のやり方で……
かけがえのない仲間たちを、護りましょう。

ウリエンジェ : くれぐれもお気をつけて……。
皆にも、そうお伝えください。
地上から見上げた月には、私がおりますと。


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