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助産師学生の時ただ一つだけ褒められたこと

 助産師学生としてはできる方ではなかったと思う。緊張しがちで患者さんへの対応も下手だった。そんな私ではあるがか一つだけ指導の先生に褒めていただけたことがある。それは、「同じチームの人が兄の結婚式に行けるよう工夫した点において」

 実習が始まると二人一組のペアで出産に立ちあわせて頂く。実習が始まると簡単な理由では休む事は許されないのだ。それは身内の結婚式にも出てはいけないほどだった。

 友人の兄が結婚するので実習を一日休みたいと申し出たところ、不許可となった。一人抜けると他の人の調整が大変なのだ。実習時間が極度に長くなる人が出てきたり、回数が増えるのである。それなので休む事は基本許されないのだ。

 しかし私たちはその友人をなんとか兄の結婚式に行かせてやりたくて、長時間実習を検討してみた。結果、無事その人は出席出来たのだが、その点において先生が「あんた、自分も大変やのに偉いなぁ」と初めて褒めてくださったのだ。学生時代の一番の宝物となる先生からの言葉である。

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