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お客様対応

 オンデマンドで動画と課題を配信した非常勤先の学生さんから、Teamsの使い方に関する質問やらチャットやらがパラパラと届く。
 全員が見ることができるはずの場所に使い方を投稿しても、それをろくに見ずに個別に問い合わせて来る学生さん。個別のメールで操作方法を説明しているにもかかわらず、それとは違う操作をして「できません」と言ってくる学生さん。
 こちとら、Teamsは初心者で手探りで使っているのだが、動画が見られない、課題が見つけられない、つまり授業が受けられない、という問い合わせを放置するわけにもいかない。もとはといえば、Teamsを使って1か所で動画も課題もアクセスできるような使い方を見つけられていない私か、そんな使い方ができないTeamsの仕様か、どちらかの問題が大きくて、学生さんには責めを負わせられないのだ。
 本当なら、それは私ではなくそちらの大学の専任の教職員に聞いてくれ、と言いたい気持ちはある。だが、私のフォローをしてくれている先方の先生も、自分の担当科目の他に非常勤の授業の面倒までつききりで見るわけにはいかない超多忙な方である。自分でわかる範囲のことはある程度対応するしかないと思う。
 で、結局「親切体質」(と私は自分で思っている)のために、親切すぎるほど懇切丁寧に、一人一人に対応してしまう。自分だってやらなければならないことが積み上がって山脈をなしているというのに、そんなふうに人の世話に時間と手間をかけてしまうのだ。因果な性分である。
 ただ、こちらから発信している情報がなかなか届いていない感じの学生さんのようすを見ると、講義の内容もどのくらい届いているかなあと不安になる。
 いや、まだ、そうやって問い合わせてくる人は見込みがあるのかもしれない。もしかしたらわからないまま放ったらかして、そのままにしている人がいないとも限らない。そう心配になるくらい、配信して5日目になっても授業を受けた形跡のない人がたくさんいる。
 これがあとから、またこちらの発信した情報なんか全然見ないで次々「見られません」と問い合わせてくるのではないか、というおそれに、寒心の予感を抱いている。

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