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創作~桃太郎の世界~

世にはいくつかの桃太郎がある。陽日の描く未来の桃太郎。


太陽系第三惑星、地球。

かつて鬼退治で知られた桃太郎の一族は、大切な部下である犬と猿と共に、この美しい星を守るため、日夜平和を守る役割を果たしてきました。

しかし代々受け継がれた家族の使命である、鬼退治を続ける中で、彼は自分自身の中に疑問を抱くようになっていた。

ある日、桃太郎は幼い頃から抱いていたその疑問を彼の仲間たちにぶつけました。

桃太郎: 「なぜ争いはなくならないのだろう?」

犬: 「鬼は霊性が低い民族ですから、自分の欲を抑えられず、力で民を支配しようとするのです。」

猿: 「平和のためにも対話が通用しない相手には、武力の行使がやむを得ない場合もあるかと思います。」

きじ: 「一度ご自身で鬼と対話されたらいかがですか。」

犬や猿と共に、代々桃太郎をサポートしてきたきじは、世の中の情勢を見聞きし、桃太郎に必要な情報と助言を提供する彼のブレーンでした。

桃太郎はきじの提案に心を動かされ、東の鬼ヶ島へと向かい、鬼大将との対話を試みることを決意しました。

鬼の住む島は世界にいくつかあるが、この東の鬼ヶ島は、美しい海に浮かぶ、水の豊かな緑の山々に守られた島でした。

桃太郎が鬼ヶ島に到着すると、島に住む人々は思いのほか暖かく迎え入れてくれました。その姿からは明らかにモラルと秩序を重んじていることが伝わってきました。

そして鬼大将から思いもよらない事実が明かされました。

鬼大将: 「あなた方はいつもそうです。我々が平和に暮らしていると、犬や猿達がやってきて、最初は優しい顔で島に入り込み、
やがて自分たちのコミュニティを作る。それが次第に大きくなって争いのもとをつくり、我々の穏やかな暮らしを脅かす。戦争を仕掛けているのは常にあなたたちだ!」

驚きと衝撃が桃太郎の心を満たしました。彼が思い描く平和とは、まさか鬼たちにとっての争いの原因だったのです。
鬼大将の言葉に疑問が生まれ、桃太郎は彼との対話を深めることにしました。

桃太郎: 「どうして私たちは争いのもととなる存在なのですか?」

鬼大将: 「それは一部の犬と猿が原因です。それは我々鬼の一部にもいますが、彼らを思考から操る魔の宇宙人がいるのです。彼らは私たちの心を操り、争いを引き起こすために存在しています。彼らの影響力が広がれば広がるほど、私たち鬼は苦しみを増していくのです。」

この事実に衝撃を受けた桃太郎は、きじの存在が自分に真実を知らせてくれたことに気づきました。

きじ:「宇宙人には善なる存在と、悪なる存在の両方がおります。悪なる存在達が地球に住む我々の中の一部に入り込んで思考を操り、対立と分断を助長し、争いを生み出しているのです。」

きじは宇宙にいる高次元の存在からのサポートを受けており、その力で悪なる宇宙人を見破ることができるのです。

魔の宇宙人との戦いを決意した桃太郎は、月に帰った「かぐや姫」の子孫である神楽(かぐら)の協力を得ることにしました。

神楽は月に住む知識と技術を持つ存在であり、彼女の力を借りて桃太郎は犬、猿、きじと共に、宇宙警察の一員として魔の宇宙人と戦う覚悟を固めたのです。

他の星から集まった仲間たちと共に、宇宙警察のトレーニングを積みながら宇宙を旅する中で、桃太郎はさまざまな種族や文明と出会いました。
彼らとの交流や困難な任務を通じて、彼の知識と洞察力が深まっていきました。

魔の宇宙人は地球だけでなく他の星にも存在し、それらを捕らえて、刑を償う星へ送ることが桃太郎たち宇宙警察の任務でした。

さまざまな星での戦いの中で、桃太郎は地球に関与している魔の宇宙人にも遭遇し、命がけの戦いを強いられましたが、桃太郎と仲間たちは団結し、ついには彼らを逮捕、一掃することに成功したのです。

神楽や戦友たちに別れを告げ、桃太郎たちはなつかしい地球に戻りました。そこには、自然豊かな美しい大地が広がり、あらゆる民族が仲良く暮らす、桃太郎の思い描いた地球天国がありました。
人々は桃太郎と彼の仲間たちの勇気と奮闘をたたえ、彼らを英雄として迎えました。

桃太郎は、自分が平和を守る使命を果たし、魔の宇宙人との戦いを終えたことに大きな喜びと、仲間たちへの感謝を感じました。
しかし、彼は決して安住することなく、未来の平和のために努力し続ける決意を胸に抱いていました。

桃太郎と彼の仲間たちは、新たな平和のために奮闘し続けるのです。

めでたし、めでたし。


作品後記...
日本人なら誰でも知っている昔話の「桃太郎」だけど、
10年以上前に芥川龍之介の「桃太郎」を読んだ時、驚いた。
こんな解釈もあるのかと。
めでたし、とはほど遠い、人間の性悪説を思わせる世界観に、表現の面白さはあったけど、後味が悪くて、こんなのは嫌だなぁと思ったことを覚えています。今回はAIさん協力のもと、桃太郎でうれしい、楽しい未来を描きました。

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