ありがとう、さようなら、評価制乱闘

みんな大好きスマブラのお話です。

「スマブラX」と「スマブラforWiiU」の対戦ルールは、タイム制、ストック制、コイン制の3つで成り立っています。タイム制とストック制はシリーズ第1作から存在するルールで、みなさんもだいたいはこのどちらかをプレイしていることでしょう。たまーに気分を変えてコイン制に手を出してみたりする感じではないでしょうか。

シリーズ第2作、「大乱闘スマッシュブラザーズDX」。これには、いまは亡き対戦ルールがあったのです。それが「評価制乱闘」。パッと見はタイム制乱闘と変わりありません。制限時間があって、その中で大乱闘をします。しかし、この評価制乱闘は、タイム制とは違い、ただ相手をふっ飛ばしまくっていればいいというわけではないのです。

どう違うのかと言うと、このルールは、対戦中に「役」を作り、その点数の合計で順位を決める、というもの。さて、みなさんは「役」と聞いて何を思い浮かべるでしょうか。麻雀? ポーカー? それとも花札? あ、任天堂はもともと花札屋さんです。はい。まあ、そういうゲームの「役」は、決められた条件をクリアして、それに応じた点数だったり強さだったりがあるわけですよね。国士無双! ロイヤルストレートフラッシュ! 猪鹿蝶! 的な。評価制乱闘も、それと同じです。大乱闘の最中に、大三元! フルハウス! 雨四光! 的なことをするのです。

もちろん、撃墜数は加点の対象になりますし。落下数や自滅数は減点の対象になります。ふっ飛ばせばふっ飛ばすほど有利になるのは間違いありません。しかし時として、10人ふっ飛ばした人が、2人しかふっ飛ばしていない人に負けてしまうのです。それが評価制の醍醐味。

どんな役があるかというと、わかりやすいところでは「歩かない」。はいわかりやすい! すごくわかりやすいよ! 歩かないだけなんだもの! 他には「走らない」。ほらわかりやすい! すごくわかりやすいよ! 走らないだけなんだもの! これだけで加点の対象になるのです。動き方ひとつで結果に大きく影響します。まあ、「歩かない」「走らない」はなかなか現実的ではありません。ただじっとしていたら、それはそれで減点になってしまいます。そう、減点の役もあるんですよ。さあ、現実的なものを紹介しましょう。「しゃがまない」。わっかりやすい! とてもわかりやすい! しゃがまないだけなんだもの! 普通に対戦してたらあんまりしゃがまないし! …しかし当然ながら、簡単にできる役は低得点です。ちなみにこれらの役、タイム制やストック制でもなぜかばっちりカウントされています。もちろんそちらのルールでは勝敗に一切関係ありません。

普通に対戦しながらそこそこの高得点を狙うなら、「一人に全ワザヒット」なんてものがあります。文字通り、ひとりに全ワザを当てることで成立する役です。これで20000点。ちなみに撃墜ひとつで500点(だったかな)なので、40人ふっ飛ばすのと同じだけの点数が、この役ひとつで稼げちゃいます。

ちなみに、減点の役にどんなものがあるかというと、代表的なのが「ワンパターン戦法」。同じワザばかり使っていると、これが成立してしまい、減点となってしまいます。加点の役を作ると同時に、減点の役を避けて対戦していくことが重要です。他にも「一人を集中攻撃」など、フェアプレー精神に欠ける人への天罰みたいな役がいくつかあります。役の総数はものすごいことになっており、私も全部は知りません。各自ググれ!

そしてこのルールで最も盛り上がるのが、結果発表の瞬間です。タイム制だとなんとなく1位はあいつかなーというのがわかりますし、ストック制なら試合が終わった瞬間が1位確定の瞬間ですよね。評価制は「タイムアップ!」と聞こえても、誰が勝ったのか全く予想がつかないのです。普通に対戦していて「あっ、いまあいつ『一人に全ワザヒット』を成立させた!」なんてわかるわけがありません。わかるのはせいぜい「撃墜数はあいつがいちばん多いかな」くらいです。で、そいつがマイナスの役をたくさん作ってしまっている可能性も多分にあるので、結果が本当にわからないのです。

結果発表画面になり、1位になったキャラクターのマークが表示される瞬間のドキドキ。あれは本当にすばらしい物でした。1位の発表で「おおっ!」、各プレイヤーの得点発表で「おおっ!!」、各プレイヤーが成立させた役の一覧を見て「おおっ!!!」。話が弾むのです。「意識してなかったけどこんな役できてた!」「『つかみを必ず失敗』ついちゃったよー」なんて言ったりなんかして。

そんな評価制乱闘も、「X」には実装されませんでした。評価制のルールどころか、役そのものが存在しなくなっていました。まあそうでしょうね。プレイする人が少ないのに、役はめちゃくちゃ多くて、製作コストに見合わないのでしょう。「forWiiU」にも評価制乱闘はありませんでした。おそらく、「DX」でできて「forWiiU」でできないことは、これだけなのではないでしょうか。…あ、キャラクターの入れ替わりは…無念!

評価制がなくなってしまったことは残念ですが、もし存在していたら、新作の開発は遅れ、販売価格もつり上がっていたんだろうなあと考え、あきらめることにします。有料の追加要素で…ないか。ないかなー。あったらうれしいんですけどね。ありがとう評価制。さようなら評価制。みなさんも「DX」をやる機会があったら、ぜひこのルールで遊んでみてくださいね。




私が好きな役は、挟まれてボコボコにされたとき成立する「ふくろだたきにあう」です。プラス100点。

ここから先は

0字

¥ 100

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?