トマトアドベンチャーって、知ってる?

トマトマトマ〜トケチャプップ〜…

トマトマトマ〜トケチャプップ〜…


はい、こんにちは。私は正常です。大丈夫です。正常です。

「トマトアドベンチャー」というゲームをご存知でしょうか。2002年に発売された、ゲームボーイアドバンス(GBA)用のロールプレイングゲームです。開発はアルファドリーム。「スーパーマリオRPG」のディレクターである藤岡千尋さんらが中心となって設立した会社です。近年では「マリオ&ルイージRPG」シリーズを制作していますね。ちなみにこの記事冒頭の謎フレーズは、このゲームのCMで流れていた歌のものです。このフレーズをバックに、オムライスにかけられる大量のケチャップ。一度見たらもう忘れられないものでした。

さて、いまではすっかり名前を聞かなくなってしまったこの「トマトアドベンチャー」、とんでもなく名作だったわけです。

ゲームの舞台はアビーラ国王が統める「ケチャプー王国」。ああ、わかりやすい! そうです、ケチャプー王国。トマトだけに。そしてこの王国は、コドモのコドモによるコドモのための国。国王・アビーラはもちろん、住民たちも、みーんなコドモです。オトナは…まあ、そのうちわかります。そんなケチャプー王国の隅にある、コボレー村。主人公・デミルの住むこの村から物語は始まります。このコボレー村、ちょっと特殊な村です。ここに住むコドモたちは、トマトが嫌いなのです。

え? ちょっと待って? トマトが嫌い? じゃあ食べられない? トマトアドベンチャーなのに? そうなんです。食べられないんです。トマトアドベンチャーなのに。そしてここのコドモたちは、好きで住んでいるわけではなく、村に閉じ込められているのです。もちろん、デミルも。

トマトが嫌いなコドモたちは、この国では「ドロッパーズ」と呼ばれ、制限された生活を送ることとなります。コボレー村のドロッパーズ。さしづめ、落ちこぼれと言ったところでしょうか。やはりケチャプー王国と言うだけあって、トマトを食べられない子は憂き目に合うのですね。ちなみにアビーラ国王自身は、非常にトマトトマトしい見た目をしています。各自ググれ!

トマトきねん日のケチャプー王国に、臨時ニュースが。永遠にコドモでいられるマシン・スーパーキャラクッカーが作られた…というニュースを、コボレー村の自宅のテレビで観ていたデミル。そしてなんやかんやあってテレビが大爆発するので、そのテレビを作ってくれた親友・セレモの家に向かいます。文句を言うために。そりゃあテレビが爆発したら文句を言いますよね。あるあるネタです。テレビが爆発したときあるあるです。

セレモが言うには、あのテレビは「ダイナマイトテレビ」で、爆発する機能も込みで作られたものだそうです。何なんですかね、この子は親友を殺したかったんですかね。まあ、それはいいとして、デミルはセレモから、彼が作った「ギミック」をもらいます。

さて、ギミックとは何ぞや。簡単に言うと、このゲームでの武器です。ここでデミルがもらったのは「はぐるまヨーヨー」。文字通り歯車のヨーヨーで、チキチキーンと飛ばして相手を攻撃します。そしてこのこのゲームのミソは、このギミックという存在にあるとも言えます。数多くの種類があるギミックには、それぞれに応じたアクションコマンドがあります。例えば先述のはぐるまヨーヨーなら、…あ、言い忘れましたが、敵とのバトルはターン制です。で、はぐるまヨーヨーのコマンドは、伸び縮みを繰り返すゲージを、決められた範囲内で止めるというもの。言葉では微妙に表現しづらいですね。まあ、タイミングよくAボタンを押しなさいよということです。元も子もない言い方になっちまった。そのように、数秒のプチゲームをこなす感じで、相手にダメージを与えていきます。回復などは普通にアイテム選択ですね。

ギミックをもらって外に出ると、「デミル〜! デミル〜! どこなの〜! デミルー!!!」と、ものすごい声。爆走する女の子。この女の子がデミルのガールフレンド・パサランちゃんです。なぜデミルを探していたかというと、ふたりでオモチャのいせきに行くためです。…ん? 確かドロッパーズは、コボレー村に閉じ込められているのでは? とお思いでしょう。思え。実はこの日から…そう、トマトきねん日から1週間は、ドロッパーズが自由に村から出てもいいらしいのです。デミルがギミックをもらったのも、オモチャのいせきに行くためだったんですね。村の外には危険がいっぱいですからね。ギミックを携え、いざ村の外へと出

…ようとしたところ、門はしまっており、見張りに止められてしまいました。なんて理不尽な。「そんなに外に出たいならオレサマを倒してみろ〜!」とか言われて、バトルに。デミルにははぐるまヨーヨーがあるので、ぼっこぼこにしてやります。そして無事に村の外へ。チチカバの森を抜け、オモチャのいせきへ。その奥の奥に、目的のものがありました。パサランちゃんの忘れ物、ギミックロボです。なお、この目的を告げられた際、デミルは「パサランちゃんにそんな趣味が…」と軽く引いております。まあ、そんなこんなで、これを探すために、ふたりはここまでやってきたのです…が、よく見ると、そこにあるのは箱だけ。ギミックロボは影も形もありません。ふたりが不審がっていると、空からフック付きのワイヤーが…。なんと、それがパサランちゃんを引っ掛け、空へと持ち上げてしまいます。デミルも慌てて飛びつきます。

持ち上げられた先は、空飛ぶ円盤(のちに「カローナ2ごう」という名前だと判明する)でした。それに乗る怪しい2人組・ブリッキとゴリッキが、パサランちゃんを誘拐しようとしていたのです。と、円盤(のちに「カローナ2ごう」という名前だと判明する)内のモニター越しに、なんとアビーラ国王の姿が。アビーラがパサランちゃんを探していたとのことで、どうやらこの2人組はその部下のようです。「早くギミックパレスに連れて来い!」なんて言っちゃってます。ギミックパレスというのはこの国の真ん中に立つお城です。上にトマトが乗っています。アビーラの目的はパサランちゃんだけなので、デミルはおじゃま虫。2人組が指示を仰ぐと、アビーラは「ポイしてしまえ」。で、実力行使で強制排除に乗り出してきます。RPGっぽいですね。いいですよ。そしてデミルにぼっこぼこにされるわけです。悪役っぽいですね。いいですよ。はい、ぼっこぼこにしました。すると最後の手段で、2人組がスーパーポイすてスイッチをポチリ。空飛ぶ円盤(のちに「カローナ2ごう」という名前だと判明する)の床が開きます。せっかく勝ったデミル、簡単に地上へと落とされてしまいます。

落ちた先はトマト池。ギミックパレスのお堀です。地面にビターンじゃなくて本当によかったですね。お堀からよじ登り、ギミックパレスの内部へ。すると行く手を阻むのは、頑丈なレンガの壁。デミルにはどうしようもありません。考えあぐねていると、怪しいモグラが現れます。名前も教えてくれないまま、「この先に行きたければ各地にいる6人のスーパーキッズを倒し、『トイパーツ』を集めろ」と告げてきます。なぜそんなことを知っているのかも教えてくれません。怪しすぎます。フードかぶってるし。まずは近くの「マヨネンランド」というエリアをめざせと教えてくれます。怪しいですが、行く当てもないですし、行くしかありません。マヨネンランドにいるスーパーキッズ・ウープスの元へと向かいます。

オモチャのいせきの探検が、思いもよらない大ゴトに。さらわれたガールフレンドを助けるため、国中を股にかけた、デミルの大冒険が始まるのです。ポップな見た目でときどきダークなトマトアドベンチャー。かなり骨太な作りとなっておりますので、GBAやDS/DS Liteをお持ちの方は、いまからでもぜひぜひプレイしてみてください。もう12年も前のゲームですが、いまだに続編を望む声が少なくありません、ああ、続編とは言わないまでも、バーチャルコンソールで配信しないかなあ。


おわり。

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