自民党公式アプリ「あべぴょん」があべぴょん

ひとつ、反省をしなくてはならない。

https://twitter.com/jimin_koho/status/746269620001112064

筆者は先頃、公明党が制作したゲーム「進め! コメ助!」をプレイした感想を記事にしたのだが、そのときはこの事実を知らなかった。

その公明党と政権をともにする…いや、むしろ規模の大きい側である自由民主党(自民党)が、公明党が「コメ助」をリリースした2016年よりも早い2013年に公式ゲームアプリをリリースしていたのである。これは大失態だ。この重要なファクターを見落としていたとは。一生涯、心の傷として残るであろう。

2016年の夏、初の18歳選挙権による国政選挙が行われた。各政党とも、若者の支持を少しでも取り込もうと躍起になっている。その中での策として現れたのが公明党公式ゲームアプリ「進め! コメ助!」だが、その3年も前、第2次安倍晋三内閣発足から約半年後に、自民党が公式ゲームアプリをリリースしていた。その名も「あべぴょん」である。途中でリニューアルを経たため、「帰ってきた! あべぴょん」とも言うらしい。本稿では「あべぴょん」と呼んでいく。

このゲームは、自民党総裁でもある安倍総理大臣を模したキャラクター「あべぴょん」を操作して、足場をぴょんぴょんと登って行き、高みを目指す…というもので、非常にシンプルでレトロな作りである。最近で言えば、WiiUのゲーム「Splatoon」に搭載されている、マッチング待ち時間の合間にできる「イカジャンプ」を想像してもらえればわかりやすい。Splatoonは全員が持っているゲームなので。あのように、足場をうまく捉え、とにかく高く高く登っていくゲームである。

しかし、このテクノロジー進歩もたけなわの2016年、大ヒットゲームが「待ち時間のヒマ潰しに…」程度に搭載したミニゲームと同等のもの1本で勝負するこのアプリ、いったい誰がわざわざダウンロードしてプレイすると言うのだろうか…。



やるけどさ…。

というわけで、「あべぴょん」をダウンロードしてみた。早速プレイしてみよう。

遊び方の説明はこの1画面だけである。見ての通り、非常にシンプルだ。スマートフォンを傾ければ、あべぴょんが跳ねる方向を調整できる。あべぴょんは勝手に跳ね続けているので、タップ操作なども必要ない。跳ねる角度をうまく変えて足場を渡り、高みを目指そう。

3、2、1…のカウントダウンののち、あべぴょんが空へと跳ね上がる。スタートはもちろん(?)国会議事堂だ。永田町からいざ、空の彼方へ。

道中(?)の足場には、バネや風船、アベノミクスでお馴染み「3本の矢」などがある。バネを踏めば高く跳ね上がれるのはもちろんだが、この「3本の矢」のある足場に乗ったときの跳躍力がめざましい。「3本の矢で大躍進!」を刷り込んでくる戦略だ。

こういうことだろう(首相官邸ホームページより引用)。ちなみにファイル名が「sanponnnoya」だった。さんぽん。

特定の高さまで進むと、そこと同じ高さの名所などが表示される。

風船をゲットして楽しげなあべぴょん。スイスイと高度を上げていく。

画面スクロールは進行方向のみで、到達したところから下(画面外)に落ちてしまうとゲームオーバーとなる。時間制限はないため、慎重に足場を渡っていこう。

ゲームオーバー後のリザルト画面。201mの高さは「青年局長級!」とのことである。青年局長なら確かに201mくらい跳べても不思議ではない。

跳躍距離に応じて「バラ」がもらえる。政治でバラと言えば、選挙の際に当選者の名前のところに貼るアレである。バラをたくさん獲得できるのは縁起がいい。

ある程度の高さまで行くと、消える足場や動く足場が現れるようになる。この手のゲームのスタンダードな仕様だ。ちなみにこの画像の瞬間は、まともに作られたゲームではあまりない「詰み」の瞬間である。あべぴょんのジャンプの高さは常に一定である。青い足場が左右に動くが、その上の雲場の足場にはどうあがいても届かない。せめて左右でなく上下に動いてくれればよかったのだが。泣く泣く自死した。

554mは大臣級とのことである。確かに、国務大臣を仰せつかるような人物なら、554mくらいは跳べるに決まっているであろう。

そして、バラが貯まると、

なんと、あべぴょんのコスチュームが変更できるのである。1000人分の当選パワーで、あべぴょんの私服を入手しよう。国会議員は1000人もいないが。


コース途中でたまに出てくる星をゲットすると、小話が読めるようになる。政党としては、ゲームをプレイしてもらうより、こちらを読んでもらうほうが重要であろう。当然、よいことしか書いていない。

到達した高さを名所で見ることができる。到達した高さを名所で見ることができたところで何だと言うのだろうか。

ぴょんランキングである。目を背けないでいただきたい。ぴょんランキングだ。おわかりいただけただろうか。このように、ぴょんランキングなのである。


筆者はこういったゲームがあまり得意ではなく、最高でもここまでという結果になってしまった。総理大臣の座は遠い。


以上のように、自民党の公式ゲームアプリ「あべぴょん」は、シンプルな操作で楽しむことができ、「進め! コメ助!」よりも視認性のよいものである。皆様もぜひプレイしてみてはいかがだろうか。あるいはパズドラやモンストをプレイしてはいかがだろうか。

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