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全館暖房・ハウスメーカーの問題点


【日本の断熱の義務化レベルはかなり低い】
日本の断熱基準は、実は平成11年に決められたもので、2020年に義務化されるべきものが、様様な理由で先延ばしされたものである。
さて、そのレベルはどういうものかというと、20℃で生活している中で、その暖房を切って寝て起きると、家の温度が9℃に下がってしまうという代物である。私が推奨するHEAT20のG2レベルであれば、13℃までしか下がらない。文化的な生活とは何かと考えると、国が設定する義務化レベルは、基本的人権的にも問題がある最低以下の基準である。

だが、ハウスメーカーはこのレベルのものを高断熱高気密と表現する。本来ならば、定量的な数字で表現されるべきだが、そうなってはいない。昨今、様々なユーチューバーがいて、高断熱高気密の住宅の解説をしてくれている。そこで、話されているレベルと、ハウスメーカーのそれは大きく違う。
消費者はぜひ賢く判断してほしい。

国もあり方検討会では、このことを指摘したが、まずは適合基準の義務化をし、その上の基準に引き上げていくことが決められた。どこまでいくのかというのは、今までの基準の1段階上までと言われているが、それだと、温暖化対策としては不十分である。

総合的に考えて、G2以上の取り組みが必要であると考えている。実はG2レベルになると、間欠暖房ではなく、連続運転してもエネルギーが掛からなくなることがわかっている。あり方検討会の提言資料に詳細に記しているので、参考にしていただきたい。

脱炭素社会に向けた住宅・建築物の省エネ等に関するあり方検討会 4月28日 提言資料 竹内委員資料を見られたい。URLは下記。


https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk4_000188.html

ここで書くのは、そういう前提に立った時に大きな問題がある。
現在、多くのハウスメーカー(断熱性能が優れているI工務店は除く)が全館暖房を売りにして点である。これをすると、これからエネルギーを減らしていかなくてはいけないのに、増エネルギーになってしまう。これは簡単に「やってはいけない。ダメですよ。」という問題である。あり方検討会の事前の情報交換でも問題になっていたが、未だ、その調査も行われていないし、よくない問題になっている。

ちなみに現在程度の断熱性能だと、ものすごくランニングコストも使う。つまり、全館暖房を続けようとしても、そう暖かくはならないし、コストもかかってしまうのものなのである。
さて、一方でハウスメーカーではない工務店に頼むとなると、どこを選んだ方がいいかわからないという話をよく聞く。その際に、参考になるのは「高断熱高気密住宅を作れるか」「施工段階で気密検査を全数やるか」という2点が参考になる。これができない、あるいはする必要がないという場合は、確実に落第である。また、この辺の情報は「新しい家づくりの教科書」に詳しく書いてある。参考にしていただきたい。


なかなか総合的に進められる工務店は少ないのだが、これから取り組む工務店のフォローアップも行っている。ぜひ、そういう家を建てたいが、建てられる工務店がないという方もぜひ質問をして欲しいと思う。

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