小説『内閣官房参与 平井政司』

内閣官房参与とは、日本の内閣官房の役職の一つ
。内閣総理大臣の“相談役”的な立場の非常勤の国家公務員である。


内閣が対応すべき各種分野において優れた専門的識見を有する人材を首相が直接任命し、任じられた当人は首相に対して直接意見を言い、また情報提供や助言を行う。いわゆる“ブレーン”、“側近”的存在。人数制限はなく、通常は複数人いる。職務に対しては守秘義務が課される。全員に、所属する内閣府や総理大臣官邸で一つずつ執務室が与えられる


平井「おい、総理! お茶はまだか!」

総理「へい、いまお持ちします」

平井「おい、そうり! 女はまだか!」

総理「へい、いまお持ちします」

立場的には平井は派遣社員であり、総理は株式会社の社長みたいなものである。いつリストラされてもおかしくない平井が、なぜ、社長より偉そうなのか。

平井政司はその名が示す様に
【平たく政治を司つかさどっている】

複雑には司つかさどってはいない、あくまでも平たい。
つまり、専門家より司つかさどっていない。

つまり、専門家でもない平井に、総理は媚びている。

真実はこうだ。平井政司ひらいせいしは別名、平井精子。つまり平井はエロスの神なのだった。

総理は高齢ゆえ、どうしても夫婦生活に馬力が欠ける。妻一人すら幸せにできないのに、国民一億を幸せに導けるはずもない。また夫婦の悩みが原因で政務の効率が悪くなっては本末転倒でもある。故に平井は総理の夫婦生活の相談役として、内閣官房参与となったのだ。

だが平井は執務室にいない。彼はそもそも引きこもりだからだ。
彼が引きこもりになったのは、凡そ2000年前からである。そう、つまり平井には前世の記憶2000年分があった。
その2000年の記憶の積み立てこそが、平井を精の化身としたのだ。

平井と内閣の出会いはブログからだった。平井はブログにエロスな小説を書き込んでいて、それがたまたまた、総理のまたまたにヒットしたのである。

平井はインターネット上のエロスアドバイザーとして、総理にバイト代を貰っているのだが、ある時、アマチュア小説家仲間が平井が童貞であることをバラしてしまった。

「しまった! バイト先を失ってしまう!」

平井は童貞らしかぬ発言をしてエロスの化身を演じていた。前世2000年間でも童貞人生だった彼は、ある意味で童貞のカリスマなのだが、しかし、童貞だと夫婦生活へのアドバイスに説得力が欠ける。

平井は2000年分の童貞エネルギーを小説にぶつける事で才能を開花させた。平井の書くエロス小説が神領域にあったからこそ、総理を騙す事ができた。

しかし、仲間に童貞をばらされてしまったから、さあ大変。この先どうなる平井?


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