アザーラさんは一妻多夫をどう思う?
アザーラ
「羨ましいよね。特に我のような強い血統は血筋を国レベルが管理しているから…。好きな人や 、ましてや複数相手とだなんて夢話過ぎててありえない。 特に我のような特殊能力者は種族からの遺伝が全てであるからして少しでも能力外の遺伝子が混じると劣化してしまう。とはいえ不思議なことに最適な遺伝子さえあれば劣化しないという訳でもなくて…。我ら一族の世界では超能力の類を自然がもたらす限りある資源のように解釈しているのだが、強すぎる遺伝子は自然の力を独占してしまい、弱い者から超能力の発現を奪ってしまう。我には少し歳の離れた兄(15歳上)がいるのだが、我が生まれると兄からは多くの能力が失われていき、それが我に移動してきた。親にも兄にも未来視の力があったはずで、そうなる未来を全て知りながら兄を産み、また兄も力を失っていく未来を知りながら我の産まれを迎え入れてくれた。未来人から見れば奇妙な関係性に思えるだろうが我が一族はそれを少なくとも1億年以上繰り返している訳で…。」
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