8月14日の代代代(iCON DOLL LOUNGE @心斎橋BIG CAT)
代代代が前にBIGCATのステージに立ったのは、2019年8月31日、つまり味園ユニバースでのワンマンの2週間前だった。つまり、ここも出雲なるにとっては初めてのハコだ。
NUANCE、正式に5人になってからのライブを観るのは初めてだが、とても良かった(6月に名古屋でヌュ、代、クロスノエシスでスリーマンの予定だったけど、ヌュがキャンセルになった)。
約1ヶ月ぶりに観るきのホ。のステージがめちゃくちゃ良くて、唸ってしまった。ツアー、TIFと経て、普通のグループの何倍ものスピードで進歩している印象を受ける。万人に受け入れられるメジャー性がある。「誰でも分かる」だけではバカにされるだけで、「誰をも魅了」できないとメジャーには行けないのだろうけど、きのホ。はそれができる、若しくはその可能性がある。
代代代の出番はトリ前だった。1曲目「神ングスーン」から、それまでのグループと段違いな低音が響いてきた。それこそ、新木場コーストでのギュウ農フェスでのオクタゴンスピーカーを彷彿とさせるくらいの。2曲目「ガールズ」は、ぴょんぴょんジャンプして楽しい。ここまでは良かった…、いや、ここからさらに良くなるのだが、「忖度」、「歯止め」が失くなる。「棺桶」で地獄の釜の蓋に釘を打つような低音がBIGCATに響く。「4ME」の、クラップが止まって、空を呆然と見上げる4人のシルエットが神々しい。爆音の「LASE」も最高。久しぶりの「不安」、4人の表情とハンドサインが凶々しい。ラストの「THRO美美NG」はこれまで見た中で最高に良かったのではないかと思えた。怪物的な曲「THRO美美NG」は、BIGCATのスピーカーの轟音によって、ようやくその全貌を現したのではないか。
それにしても、一般受けしないセトリだった。自分たちだけが分かっていると言いたい訳ではない。その逆で、何年も見続けてもよく分からないグループだなと常に思っている。よく分からないけども、観るたび新しく、時に啞然とさせられる。見終わったあとに呆然とすることも多いが、強烈な印象や記憶が残る。今日の「THRO美美NG」のような、印象的な出だし、強烈なカタルシスをもたらすクライマックスの曲を歌うことのできるグループは唯一無二だ。
代代代の後はいよいよトリのsituasion。最近のシチュは、「革命」というコンセプトといい、衣装やジャケットといい、ストイックな楽曲といい、完全にアヴァンギャルドだ。だから、わけがわからない。でも、楽しい。ただ、アヴァンギャルドでい続けることは中々難しい。シチュはどのような方向へ進んでいくんだろうか。