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コロナ禍中、「今じゃない」ことはしてはいけないのか?

コロナ禍の関係で、様々な場面で
「いまそれ必要ある?」
「そんな緊急性高い?」
っていう批判をちらほら見ます。

もちろん、いま世界中が抱いている1番の悩みの種は、新型コロナウイルスがいつ収束するのかということでしょう。

では、世界中のすべての人は今このとき、コロナに関することを第一優先にすべき、なのでしょうか?




コロナ時代の違和感

「いつやるの?」


以前流行った、林先生の名言(?)ですね。
こう聞かれると、つい「今でしょ!」が脳裏に浮かんできた人も多いのでは?

この言葉は、時代の変化が早いこの現代において、とても有用でした。

案ずるより産むが易し、思い立ったが吉日。
行動が早く、PDCAをより数回した人が成功していきました。


一方で、最近もうひとつの傾向が見られるようになりました。

それは、

「いつやるの?」

「今じゃない」

という概念です。

もちろん、旅行や留学など、外出を伴うものは今できないことです。

では、旅行の予定を立てることは?法を改正することは?ある企画をすることは?どうでしょうか。


自分の行うことについては、様々なことにすぐ取り掛かっている人を多く見かけます。例えば、ケーキ作りをしたり、手芸を始めたり、資格勉強をしたりなど。


一方で、政治や仕事において、「コロナに対策したもの」がより良いとされ、その他の施策が後回しにされてはいないでしょうか?




コロナ時代の企画立案の不安

ここで自分自身の話をしたいと思います。

今年の3月4月、コロナによって私の所属団体も販売や新歓の対応に追われ、たくさんの人がコロナ対策を考え発信し実行してきました。  

その中で、私もあるチームのリーダーとして、当初の予定を変更すべきなのか、コロナに合わせて対策になることを優先すべきなのか、と悩みました。  

だって、トレンディじゃない。    

みんなの目にはコロナによる影響ばかりが映っていて、目の前の困りごとをどうするかで精一杯。  

この状況でなにかコロナ対策に直接関係のない広報企画を考えても、「今それどころじゃないだろう」と突き返されないだろうか。  

こんな不安を持っていました。



結局、私の担当チームはほぼ計画を変えず、予定通りに施策を進めることにしました。

コロナ対策に値する施策は最低限にして。


私のチームは、団体の広報の方向性を作る役割をもっています。団体の広報は、決して1年単位のものではなく、認知度の向上を目指して、毎年毎年積み重ねていくものです。  

そこで、いまは「SDGsと団体を関連させた企画」を行っています。


今の社会のことを考えると、コロナ時代における見られ方や、コロナ時代に対応したブランディングを考案すべきなのかもしれません。

もしくはそれらを中断し、多忙なSNS広報の現場へ手伝いに行くべきなのかもしれません。


では時代に即した施策はより重要で、それ以外は不必要なものなのでしょうか?私の判断とチームの方針は、コロナ時代にアンマッチなのでしょうか?



"今じゃない"ことは要らないということなの?


オンラインでの授業。

レストランのテイクアウトサービス。

図書館の郵送貸し出し。

コロナ時代を乗り切るための給付金。


このようにコロナウイルスと、それによる社会への影響に対応する施策は、とても必要とされていることです。


では、

ある音楽史についての研究。

レストランの新メニュー考案。

図書館の整理や所蔵図書の追加。

あるコロナとは無関係の法の改正。


このようなコロナウイルスとは直接関係のない施策は、必要とされていないのでしょうか。

「今じゃない」のでしょうか。



きっと、そんなはずない。



コロナがなければやってる予定だった施策(感染の危険を伴わないもの)だって、やる価値があります。


なぜなら、全員が全員、目の前のコロナ対策のことばかりを考えていては、この1年を停止させてしまうからです。

コロナ時代以前に、今年は2020年で、
寿命85歳でいま84歳の人にとっては最後の1年で、大学4年間のうちの1/4で、今後も続く企業経営や政治の一期なんです。

決して、無駄にしてもいい時間ではありません。  

「コロナ時代だからすべきこと」の中には
「コロナ時代でなければしなかったこと」
「コロナ時代が終われば必要ないこと」もいくらか含まれています。


だから、「コロナ時代にすべきこと」のみをしていたり、「コロナ時代にすべきこと」と同時に「コロナ時代後に繋がること」の蓄積をしていなかったりすれば、2020年は「消えた1年」になりかねません。


目の前のニーズに縛られてはいけない。
長期的に見て必要なことを忘れずに、同時並行でやっていかねばならない。

そのためには、もしかすると「コロナに直接関係すること」をやる人と、「コロナに直接関係ないこと」をやる人の分担が起きるかもしれません。

そのとき、後者の人は否定される必要はないと思います。

今年を来年に繋げるために、それもひとつ大切な行動なんですから。


まとめ

コロナ禍だからといって、それ以外の施策を止める必然性があるわけではありません。

世の中を進め、この1年をフリーズさせない行動も、この時代に必要です。

目の前のニーズに追われている人は、ぜひ来年以降を見越して蓄積できるものを探してください。

今を守る人と、今と未来を繋げる人。
両方をリスペクトし支え合っていきたいですね。