何ごころ？

「知らんかったと思うけど俺昔○○ちゃんのこと好きやったよ」

この夏、実家に帰省したときに言われた。
幼馴染に言われた。3個下の幼馴染。
声も低くなってて髪もワックスでかっこよくしてた。

彼の噂は母からLINEでちょくちょく教えてもらっていた。彼は今バスケ部部長をやってて生徒会長も務めているらしい。

あの頃じゃ考えられなくてなんだか親のような気持ちになった。
サンダルで走り回ってコケて大泣き、自転車の補助輪外すのにそれはまあ時間がかかった、声が高くて本当に声変わりすんのか心配、町内会の肝試しで号泣しおんぶで一緒に帰還、そんな子だった。

そんな彼がバッシュを自転車のカゴの中に入れて私の横を歩いていた。声が低くて呼び止められても彼だとは気づけなかった。

好きだと言われた。正確には、好きだったと言われた。こんな経験なかったからなんて返せばいいかわからなくて、咄嗟に

「それは私が結婚の報告しに来たときに言うやつやでまだ言ったらだめじゃん！！！笑」
って腕バシッと叩いて笑い話にしておいた。叩いてみたけど腕が筋肉で硬かった。

「○○くん、彼女出来たって☺️❤️」

今日。母からLINEの通知が来た。
おっ？と思ってスタンプを選んでいたら

「あんたに報告しとけって頼まれたよ👍」

と立て続けに通知がきた。

報告してくれてありがとね、おめでとう！
って思いながら母のLINE既読無視しといた。

私の夏の話。