#このラジオのススメ ⑥

皆さんこんにちは。

6回目を迎えた不定期連載。
今回は、毎週土曜日・日曜日に、ラジオNIKKEIにて放送されている『中央競馬実況中継』について紹介する。

概要

番組名:中央競馬実況中継

放送局:ラジオNIKKEI第1(東京・中山・福島・新潟・札幌・函館)/第2(京都・阪神・中京・小倉)

放送日:毎週土曜日・日曜日

放送時間:9時30分~16時45分

提供:JRA 日本中央競馬会


特徴

1956年から、長きに渡り放送されており、ラジオNIKKEIの屋台骨といえる番組。

スポーツ実況の中でも、花形とされている競馬実況。
ラジオやテレビでも、注目度が高いということもあり、各局を問わず、力を注いでいる。

とりわけラジオNIKKEIの実況音声は、もちろんラジオで流れているほか、WINSや競馬場の場内音声、さらにはグリーンチャンネルの中継でも使用されているほど信頼性が高い。

実況を彩る各アナウンサー

ここからは、レースを彩る競馬の伝道師・アナウンサーの面々を紹介する。

ラジオNIKKEIのエース・小塚歩アナウンサー

2020年から牡馬クラシック路線を担当されており、2021年にはスポーツ情報部部長に就任するなど、今やラジオNIKKEIの顔とも言えるアナウンサー。

声の聴きやすさはもちろん、レースの描写の実況技術など、小塚アナウンサーがエースと言われる理由は、実況を聞いてわかるのではないかと思われる。

そのような理由からか、Nintendo Switch向けのゲーム『ダービースタリオン』の実況音声を担当している。

中の人なりに、塗り絵の見やすさは、小塚アナウンサーが群を抜いて見やすいと思っており、中の人が塗り絵を作成する際には、必ずと言っていいほど小塚アナウンサーの塗り絵を参考にしている。

絶大なる信頼を胸に・大関隼アナウンサー

2018年の第35回から、6年連続でG1開幕戦であるフェブラリーSの実況を担当され、牝馬クラシック路線も担当された経験を持つアナウンサー。

関西勤務時代、藤田直樹元アナウンサーに「しごかれた」というくらい徹底的に鍛え上げられたという大関アナウンサー。
今も、実況が終わった後には「勝負の勘所を捉える嗅覚が甘すぎる」「脚色の見極めも、ラジオの実況としてのきめ細やかさもない実況。お叱りを受けて当然」など、ラジオたんぱ・ラジオNIKKEIの実況アナウンサーをリスペクトし、自分に厳しすぎるほど反省の文章が書かれてるなど「真面目一筋」というくらいには、自身の実況を真摯に受け止め、さらに高みを目指す様子が見て取れる。
その真面目さと信頼の厚さが、2023年の第68回有馬記念の実況担当に抜擢された理由だと言っても過言ではない。

そんな大関アナウンサーといえば、G1実況前のルーティーン断酒と散髪。そのような様子は、毎週金曜日の20:00から放送されている『うまきんⅲ』で伺える。

また、大関アナウンサーは出馬表に様々な情報をぎっしりと書き込んでおり、各馬の馬主や調教師に関するものが事細かに書かれている。

愛すべき御来光様・檜川彰人アナウンサー

「まぁったく並んでゴールイン!」でお馴染みの関西の重鎮。

ツルツルした滑らかな舌捌きと、進行の際のお茶目なキャラクターでも親しまれ、その実況のファンもかなり多い。

長らく関西を拠点に実況しているが、2020年には、なんと22年ぶりに札幌での実況、その翌年には函館でも実況をするなど、還暦を迎えた今も、実況の最前線で活躍している。

札幌が待ち遠しい・小林雅巳アナウンサー

数年前まで有馬記念の実況を担当され、今もなお最前線で実況している。

小林アナウンサーといえば、夏の北海道開催、特に札幌開催が楽しみであり、『うまきんⅲ』内では、このような発言が飛び出すほどである。

・もういくつ寝ると〜札幌競馬♪
・夏を待つ男、小林雅巳です
・夏競馬を愛する男、小林雅巳です
・札幌開催が年末のようなものですね

ゆったりとした前口上と、音引きの馬が1着に来た時の伸ばし方が特徴的であり、そのほかにも、レース後のコメントにも注目である。


NHKからのニューフェイス・三浦拓実アナウンサー

2021年12月末まで、天下のNHKでスポーツ中継などを担当されたのち、翌月にラジオNIKKEIに”転厩”した異色の経歴を持つアナウンサー。

特別戦や重賞の前には、そのレース名にちなんだものの解説をすることでも知られている。
中でも、2024年2月11日の京都10レース「北山ステークス」では、このような解説が行われた。

京都市北区の北山エリア。
駅の近くには、パン屋さんなどが集まっています。

これを渋谷のWINSで聞いていた中の人は「パン屋の情報まで押さえているのか」と、驚きを隠すことができなかった。

また、2024年4月14日の三木特別の解説では、このような豆知識でリスナーを驚かせた。

金物と酒米とゴルフの街、兵庫県三木市は、今年7月1日に市制70周年を迎えます。
市内には25のゴルフコースがあるそうですが、ここ阪神競馬場にも、かつては内馬場にゴルフコースがありました。

さらに、2024年5月12日の京都競馬場。
11レースには栗東ステークスが設定されており、京都競馬場には、栗東市のマスコットキャラクターである「くりちゃん」が来場。その時のレース紹介はこんな感じであった。

今年も、栗東市の栗東芸術文化会館 さきらを拠点に活動する「さきらジュニアオーケストラ」の皆さんが演奏したファンファーレをお聞きいただきました。
今日は京都競馬場には、栗東市のマスコットキャラクターである「くりちゃん」もお目見えしています。
身長150cm、体重は栗2000個分だということです。

くりちゃんの体重が伝えられた時、実況音声には、観客の笑い声が入っている。
WINS後楽園にいた中の人と友人はつい笑ってしまったと同時に、どんな情報を仕入れているのかと驚くしかなかった。

そんな三浦アナウンサーだが、2023年4月22日にリニューアルオープンを迎えた京都競馬場にて、前半6レース分の実況を担当され、京都競馬場の歴史の新たな1ページにその名を刻んだ。

2022年6月中旬より、大阪支社で勤務しており、現在は京都・阪神を中心に、西日本方面で主に実況している。

皆が知っている落雷様・中野雷太アナウンサー

2011年から8年間、日本ダービーの実況を担当するなど、ラジオNIKKEIの顔であり、エース格と言われた。
とりわけ、2013年に行われた第80回日本ダービーの実況は、ゴールの瞬間に5着馬までしっかり追うことができていることもあり、民放地上波のクオリティも相まってか、競馬史に残る名実況と評されることも多い。

そのような実況は、競馬関係者の中でも評価が高く、中でも「実況が上手い騎手」との呼び声が高い、園田競馬所属の石堂響騎手が尊敬し、実況スタイルを参考にしているだけある。

そんな中野雷太アナウンサーだが、以前の不定期連載でも取り上げた内容になるが、予想の的中率が低いことから「落雷予想」と呼ばれている。

渋い声の寅さん•米田元気アナウンサー

ラジオNIKKEIのアナウンサー陣の中で、ひときわ低音ボイスで実況をするのが米田元気(よねだ・もとおき)アナウンサー。

メディア出演、特に顔出しを嫌がってしまう傾向があるが、そんな米田アナウンサーは、『競馬LIVEでGO!』という番組で一変する。
「皆様!ご機嫌いかがでしょうか!」と、音割れ寸前の大声でスタートする。
共演者の藤巻崇さんや、大恵陽子さんが連発する下ネタに「カットだよ!」とツッコミを入れる米田アナウンサー。
そのギャップにも注目したい。

本社に帰ってきた南米系・山本直アナウンサー

三浦アナウンサーと入れ替わる格好で、2023年2月より、東京本社に復帰した。

元々、AKB48が好きだったというが、昨年12月まで放送されていた『私を競馬に連れてって』で共演していた藤江れいなさんとのやり合いが、今もなお続いている。

例えば、12月10日の中山競馬場でのこと。

山本直アナウンサーが、昼休みに入った中山競馬場の様子を載せると…

偶然にも、ウィナーズサークルにてイベントを行っていた藤江さんがいないタイミングで写真が撮れてしまった様子。すると…

藤江れいなさんの部分を補完するかの如く、かなり縦長の写真を貼りながらも、仕事が増えるのにまんざらでもない様子。

他にも、ばんえい競馬実況などで共演することが多いという山本直アナウンサーと藤江れいなさん。

先日、船橋で行われたかしわ記念実況中継で共演した際には、「頂いた資料で、最近"おばさん"になった藤江さんは…」というイジりに対し「強調する部分が…」「なんか直さんに言われると違うんだよなぁ」と返したり、終盤では「2戦2勝すると公言して裏パーだった」とイジって番組終了。すると…

と、お互いまんざらでもない様子。いつしかこの2人は「令和のトムとジェリー」と呼ばれるようになっていった…()

また、山本直アナウンサーといえば、ある馬名になると、ラジオNIKKEIリスナーの間で、かなり話題になる。

というのも、この馬のデビュー戦である、2021年9月18日の中京4レース。
山本直アナウンサーは、この馬を、関西弁に"寄せた"イントネーションで実況した(どうやらネイティブの発音は違うようで…)。
それ以来、ナオミニデレデレヤの出走レースが決まると、どのアナウンサーが実況するのか、そして、山本直アナウンサーが実況するのかに注目が集まる。そして、ナオミニデレデレヤ出走レースの実況が決まると『うまきんⅲ』には、リスナーから大量のメールが寄せられる。噂によれば、ナオミニデレデレヤの出走レースが決まると、トラックマンからのホットラインがあるとかないとか・・・

ナオミニデレデレヤ以外にも、エエヤンやナニスンネンなど、関西弁から来ている馬名は、それっぽいイントネーションで読むことが多々ある。

そんな山本直アナウンサーだが、昨年の第43回ジャパンカップの実況を務められ、さらには、第84回オークスの実況を務めることが発表された。
桜花賞、秋華賞の実況は経験があるものの、オークスは初実況。
正確無比ながらも情熱を前面に押し出している山本直アナウンサー。
あわよくば、第140回の中山大障害の「前王者か!現王者か!」のような名言を残して欲しいと期待してしまうが、何事もなく終えて欲しいものである。

いよいよ実況デビューの紅一点・藤原菜々花アナウンサー

2020年入社で、ラジオNIKKEIの実況アナウンサー陣の中で唯一の女性アナウンサー。

2024年1月8日の中山開催で実況デビューとなった。
場内放送&映像は、本来の担当である小塚アナウンサーの音声だが、ラジオで流れた実況に、思わず驚いた方も多いはず。

そして、2024年3月3日の中山競馬場。
3レースにて、場内実況デビューを果たした。

現段階では、先輩アナウンサーが見守る中、ステルス的に実況している。
間違える箇所も少しあり、まだ慣れないところもあるが、ラジオNIKKEIの実況担当アナウンサー一覧の欄に、藤原アナウンサーの名前が載るのもそう遠くはない。
そして、牝馬G1レースの実況を担当する日が待ち遠しい。

グッズ化された誰もが知る名フレーズ・山本直也アナウンサー

ラジオNIKKEIのOBであり、現在はフリーアナウンサーという立場ながら、引き続きラジオNIKKEIの競馬中継の第一線で活躍している。

そんな山本直也さんといえば、このフレーズというほかない。


踏み切ってジャンプぅ!


このフレーズは、障害戦にて、各馬が障害を飛越する際に発されるが、山本直也アナウンサーの代名詞となっている。

今では、中山グランドジャンプが行われるシーズンに合わせ、毎年「踏み切ってジャンプぅ!Tシャツ」なるものが販売されている。

まとめ

長らくラジオNIKKEI、そして競馬界を支えてきたラジオNIKKEIの実況。
今までも、そしてこれからも、競馬界、そしてその実況に注目していきたい。


オークス

◎ステレンボッシュ


じゃ、また。

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