英語

 まずは英語から書いていこうと思いますが、先に「はじめに」という記事を読んでいただけると嬉しいです。今回記事を複数書くにあたり葛藤がありましたので、それを「はじめに」に書きました。ざっと目を通してから、この記事に入っていただくようよろしくお願いいたします。

  さて、英語は現役の頃からずっと得意で、今年度の模試でもそれなりに良い成績を維持できた科目です。英語くらいなら、私が効果的だと感じた勉強法を書いても怒られないかな…?と思うので、できるだけ具体的に述べようと思います。
 本題は「さあ、音読だ」という見出し以降になるので、お急ぎの方はそこから読んでいただければと思います。それまでのエピソードは、言ってしまえば「別に高校内容先取りしていなくても大丈夫だよ」「音読が効果的だと思うよ」ということが言いたいだけなので、軽く読み流してください。

~中学校

 小学校低学年の頃に公文の英語を始めました。といっても定型的な"When is your birthday?"や"I don't remember him."などの短文を少し覚えたくらいで、具体的な発音などはe-pencil(名称はうろ覚えです。コードを読み取り発音してくれる手持ちタイプの機械でした)で再生されるのを聴いて、何となく真似する程度でした。「英語が話せる」という状態からは程遠かったです。その後他の学習塾に通うことになったので、公文は小学3年生くらいでやめました。ただ、その塾では、小学生は英語以外の4教科(国数理社)のみ授業があったので、あまり英語に触れる機会がありませんでした。そこで、小学校高学年になったあたりから、幼馴染のお母さんに英語を教わるようになりました。中学校用の教科書を使った、週1回1時間の授業でした。たまに一緒に英検を受けに行ったり、後半はオールイングリッシュのテキストも使ったりしましたが、あくまで中学内容までだったと記憶しています。分詞がなかなか理解できずに少し足踏みをしたこともありましたが、中学1年生用のテキストにある「アルファベットの音読み」「フォニックスの基礎」から順に中学3年までの内容を丁寧に教えていただきました。

中学校

 中学生になると私も幼馴染も部活動で忙しくなり、先の友人母による英会話教室も打ち切りとなりました。学校や塾でも英語の授業が始まりましたが、一度やったことの復習のような感じだったので、特に困ることもなくついていけました。特に塾では、学校の授業で不足していた文法問題の演習を積みました。塾で配布されるテキストに加え、必要に応じてシグマベストや全国高校入試問題正解などもかじったと思います。ただ、地元の公立高校に進学することは両親との話し合いであらかじめ決まっていたことでしたから、少々オーバーワークだったとは思いますが、並べ替え問題のカンなどは養えたので、長期的に見たら大いに意味はあったと感じています。そして、中学卒業間近になって、高校内容に少しだけ触れました。仮定法、過去完了、分詞構文だけ、少し塾の先生が解説してくださいました。前者二つは何となくわかりましたが、分詞構文は「へー」くらいにしか思えなかったと記憶しています。ただ、仮定法のイメージが「自分の心との距離感」であることと過去完了における「大過去」の概念をぼんやりと理解できたのは大きかったように感じます。

高校

 地元のトップ高に進学しました。東大や医学部医学科も毎年コンスタントに出ていて、地方の割には奮闘している方だと思います(上には上の高校があることは知っているので、こんなことを書くのは恥ずかしいですが)。塾は、小学~中学のときに通っていたところを辞め、東進に通わせてもらいました。高1の頃は数学特待で数学のみ授業をとっていたため、英語の授業は高2以降、太庸吉先生の講座を二つ受けたのみです。それ以外では学校の授業や自主学習、あとは部活動での英語ディベートで英語に触れていました。高1の頃の英語の成績は学年1位から3位までを行ったり来たりするような感じで、1位で安定したのは高2以降でした。だから高1の春休みにやった勉強法が効果的だったのだろうと思います。また、英語ディベートはスピーキング能力と作文力の向上(即興でスピーチをすることもしばしばあるため、自分が言いたいことを即座に正しい英語にする作文力が必要でした)には役立ちましたが、成績が上がった直接的な原因はそちらではないと考えています。もし仮に英語ディベートが最も効果的だとしたら、他の部員も私と同等の成績をとれるはずです。しかし実際はそうではなかったため、私が自主的にやった何かがたまたま功を奏したと考える方が自然でしょう。また、太先生の講座は、長文精読力を上げるのに役立ちましたから、英語学習における「ホップステップジャンプ」の最終段階「ジャンプ」の部分を担っていたと思います。この記事では各人に合わせたその最終調整の部分ではなく、万人に通ずるであろう「ホップ」「ステップ」の二つの部分について記したいので、太先生の講座については割愛します。私が受けた講座の雰囲気だけでも味わいたい方は、研究社出版「英文精読へのアプローチ ミクロとマクロの視点から(太庸吉著)」を手に取ってみてください。少し難しいですが、英文の解像度が上がると思います!

   さて、私が高1終わりの春休みに何をやったかというと、「音読」です。ただ、一口に「音読」といっても、効果が出る方法と出ない方法がある(のかもしれない)と思うので、私が気を付けていたことも含めて記したいと思います。

「さあ、音読だ」

 上の見出しは今井宏先生の書籍のタイトルで、私が「じゃあ音読してみるかー」と重い腰を上げるきっかけになった本です。下にリンクを貼っておきますので、興味のある方はチェックしてみてください😊

 さて、本題の音読…の前に、私は音読は「ステップ」の部分に相当すると思っています。では「ホップ」の部分は何かというと、「基礎文法知識の習得」です。Evergreen(名称変わったんでしたっけ…?)などの文法書の内容をすべて覚えている必要は必ずしも無い(最終的には大体頭に入っていることが望ましいとは思いますが、たぶん私も理解できていない部分があると思うので何も言えません)と思うので、まずは学校で配られる文法問題集をしっかりこなしてほしいです。記号で選ぶタイプのものではなく、各単元ごとに自分で和訳・英訳・並び替えなどして「文字を書く」タイプのものが良いと思います。お持ちでなければ、書店に行って探してみてください。何かしらはあると思います。参考までに私が何を使っていたかご紹介すると、高校の英語表現の教材がVision Questだったので、その傍用問題集であるVision Quest Workbookをやっていました。教科書の問題もワークの問題も両方やっておくと良いと思います。合わせて、中学校内容に不安があるなら、そこもしっかり対策しましょう。これも先ほどと同様、単元ごとに「自分で書く」タイプのものを使うのがおすすめです。
 さて、大学受験に必要な文法系の基礎が固まったら、次はいよいよ「ステップ」―音読の出番です。ここで、私が音読に力を入れたのが高1終わりであることを踏まえると、まだ高校英文法を学習し終わっていない高校生の方も取り組みやすい内容であることがご理解いただけるかと思います。ご自分の現在の学年に合わせて、「とりあえず既習範囲の文法は大体できる」状態にしてから音読に入ると効果的だと思います😊
 音読をするうえで気を付けるべきポイントは、
①発音良く、リエゾンやアクセント、抑揚に注意して読む
②何度も同じ文章を読む
③内容を理解できる最速のスピードで読む
の三つです。ひとつずつ詳しく説明していきます。
 まず①の発音などについて、先ほど「~中学校」部分の最後で私が「音読み」や「フォニックス」について言及しましたが、これがポイントです。例えば "l"と"r"、 "s"と"th"、 "b"と"v"、"er"と"ar"など、英語には意識して言い分けるべき発音がいくつかあります。そのすべてを意識し、「正しい発音で」各単語を読めるようにすると良いです。各単語の発音をしっかりできるようになれば、迷いやすいlとr、bとvなどのスペルミスをぐぐっと減らすことが出来ます。フォニックスや音読みに自信が無い方は、YouTubeなどで調べて、ぜひ英語の発音を自分のものにしてみてください。下に良さそうな動画を貼っておきます。

  加えて発音記号も大体読めるようにしておくと便利です。発音がよくわからない初見の単語に出遭った時には、辞書の発音記号や電子辞書・スマホの音声を頼りに、できるだけネイティブに近い発音ができるようにしましょう。さて、各単語の発音がしっかりできるようになっても、英語らしい読み方をするには少し壁があります。その一つが「リエゾン」と呼ばれる、語と語のつながりによる音の変化です。例えば英語圏の方が"I am a doctor."と言うとき、「アイ アム ア ドクター」とは言いませんよね。極端に書くと「アマドクター」のように聞こえると思います。このように、文の中において、前後の単語によって少し音が変わってしまうことを「リエゾン」と言います。これを意識するとぐっと英語らしい発音に近づきます!どの単語がどのようにつながっていくかは、ネイティブの発音を聴いて経験則的に理解するのが手っ取り早いです。英単語帳を買うときに短文の音声がついているものを選ぶなどして、ネイティブの話し方を真似していきましょう。

  そして仕上げに、特に長い文や文章を読むときの抑揚のつけ方も、ネイティブを真似して積極的に取り入れていくと、より英語らしいスピーキングに近づいていきます。最初は少し大変ですが、ある程度練習してこれらができるようになると、音読するのが楽しくなります。「私って英語ネイティブ~♪」などと思いながら得意げに音読できるようになります。こうなったらもう勝ちです。楽しいことは継続しやすいので、この状態になるまで根気強く発音練習をしていっていただきたいと思います。
 次に②についてです。一回に読む文章の長さは、長くても400字程度のものが良いと思います。そうでないと何度も読むのに疲れてしまって、習慣化できません。私は河合出版の「やっておきたい英語長文300」を、問題は解かずに一日一長文、15回ほど読みました。一日一つずつ進めていけば、一か月で全長文読み終わります(30題ほどあったかと思います)。ただ、この問題集には音声がついていませんでした。私は先の発音などには自信があったため、もともと家にあったやておきを使いましたが、発音など今まで意識していなかった、という方の場合は音声付きのものをお勧めします(補足 : 改訂版やておきには音声がついているそうです!是非ご検討ください)。速読英単語や英検文単など、単語学習の一環として音読を取り入れるのも良いと思いますので、ぜひ書店で「テンションが上がる参考書」を見つけて取り組んでみてほしいです😊大切なのは、「長すぎる量を一度に読まないこと」です。楽に続けられるくらいの長さの英文を繰り返し読むのがポイントです。その文章に出てくる単語も頭に入りやすくなりますし。また、余談ですが、私はわからない単語の下にオレンジ色のペンで日本語訳を書き込んで、それを見ながら繰り返し音読していました。長文を読むうえで知らない単語があるのはストレスなので、少しでも負担を減らすために何らかの工夫をしておくと良いです。単語の意味も頭に入りやすい(ような気がしました)と思います!
 最後に③についてです。「内容を理解できる最速のスピードで」は、音読を単なる口の運動にしないためにとても重要なポイントです。模試や普段の勉強で長文を読むときに、「目が英文の上を滑っているだけで全く頭に入ってこないような感覚」を味わった経験がある方は多いと思います。音読でそれが起こってしまうと、単なる口の運動になってしまい非常にもったいないです。一文一文理解しながら音読していくことが大切です。自分にとって最速のスピードでそれを行っているうちに、きっと「前から後ろへ戻ることなく、英語を英語のまま理解する」感覚が少しずつつかめてくると思います。もちろん複雑な構文を含む場合、一度立ち止まって考えることもあるとは思いますが、単純な関係詞などは前から後ろにとれるようになると、英語を読むスピードが大幅アップします。これが音読の最終的な目標です。「(ほとんど)全文を理解しながらも速く読む」ことが出来るようになると、英語長文での時間ロスを減らし、しかも正確な解答を導けるようになります。また難しい問題や英作文、和訳問題などに時間を割けるようになるため、解答を吟味する時間の余裕ができ、全体の得点率アップにもつながります。私の英語の高得点の秘訣はほぼこれに尽きると自負しております。共通テストリーディングも全文読み終えて軽く見直しできたりもします。(リスニングも、正しい発音をマスターできれば必然的に点をとりやすくなります。)ですので是非、「英語を英語のままさらさらと読んでいく感覚」を掴んでいただきたいです。先ほど問題集を選ぶときに長さの話を挙げましたが、構文が難しすぎないことも問題集選びのポイントになります。まずは簡単な文を「英語のまま理解」することから始めて、ゆくゆくは少し複雑な文も立ち止まらずに読めるようになることが目標です。最初からハードルを上げすぎずに教材を選ぶと続けやすいです😊
 以上が私の思う「音読のポイント」です。是非頭の片隅に置いておいていただけたら嬉しいです。

終わりに

 ここまでで5,300字超です。根気強く読んでくださった方、本当にありがとうございます。わかりにくい点や間違えている点などありましたら、マシュマロやDMでご質問・ご指摘などいただけますと幸いです。私はこの音読を春休み最後の二週間やっただけでしたが、効果を実感できました。以下効果を示すために少々の自慢を含みますが、ディベートの時に顧問の先生に発音を褒められることも増えたし、校内実力テストで平均40点(200点満点)のところ160点をとったり、偏差値98をとったりしました。もちろん都内の進学校ならこんなバグのようなことは起こらないでしょうが、音読なくして今の私は無いだろうとは思います。一度英語の読み方をマスターすれば、結構英語力は維持できます。私は今年度、模試や共通テスト、二次直前になっても英語にほとんど時間を割けず理数ばかりやっていましたが、耐えました。共通テストリーディングは満点でした✌あの春休み、頑張ってよかったなと今でも思います。高校生の方も、浪人生の方も、始業までの残りの期間、ぜひ音読に取り組んでみてほしいです。
 改めて、最後まで読んでいただきありがとうございました。

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