【連載】研究最前線⑦「サル痘に対するmRNA医薬品のアプローチ」

こんにちは。株式会社ARCALIS(アルカリス)です。

私たちの手がける「mRNA」という研究領域についてご紹介するこの連載。

今回は、「サル痘」に対するmRNA関連の研究動向についてまとめていきます。

1.サル痘に関する研究

①サル痘に対するmRNAワクチン開発

2022年5月24日のモデルナ社による発表によると、サル痘の流行を予防するための新たなmRNAワクチンが開発されつつあります。

詳細については公開されていませんが、前臨床試験が実施されていることが明らかになりました。

②サル痘とは

2022年5月7日にイギリスでサル痘患者が確認されたことにより、世界中に警報が発せられました。5月21日現在、通常サル痘が発生しない12カ国で92例が確認されています。

そもそもサル痘は1958年にコンゴ民主共和国で研究用に飼育されていたサルで初めて発見され、1970年に同国にてヒトへの感染が初めて報告されました。

感染者のほとんどは、流行地域に住んでいる人、流行地域の人や動物と接触したことがある人です。しかし、全ての感染者が一概にこの感染経路とは言えないため、現在も感染経路や感染要因の調査が続けられています。

③サル痘ウイルスに関して


サル痘ウイルスはDNAウイルスであるため、変異する可能性は低いと考えられています。

初期症状としては、特筆すべき症状はなく、発熱、頭痛、筋肉痛、リンパ節の腫れ、数日後に発疹が顔から全体に広がります。発疹は、かさぶたが剥がれ落ちると他者への感染を防ぐことが可能になります。症状は天然痘と似ていますが、重症化することはほとんどなく、多くのヒトが問題なく自然に治癒する病気です。また、サル痘には大きく2種類の株が存在します。毒性の強い株はコンゴ盆地のウイルスで致死率が1-10%、毒性の弱い株は西アフリカのウイルスで致死率は最大1%です。

2022年5月現在、世界中に広がりを見せつつあるサル痘ウイルス株は、毒性の弱い西アフリカの株に関連しています。

2.まとめ

今回は、2022年流行の兆しがある「サル痘」という病気の領域に関するmRNAをターゲットとした開発事例を紹介してきました。

mRNAを使った医療の可能性は広く、さまざまな研究開発がなされています。次回以降も、さまざまな研究開発の動向をお伝えしていきます。

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