見出し画像

2022.02.08阪神-日本ハム雑感

阪神2-6日本ハム

寸評

⑧近本光司 二安、遊直 1盗塁
試合勘が戻りつつあり、完璧なスタートの盗塁見せた
8島田海吏 遊飛、遊ゴ
脚力をセンター守備に最大限活かせるような練習を
④DH木浪聖也 見三、遊飛、左飛
見三は狙い見えず猛省求む、試合ごとの波が気になる
PH長坂拳弥 右飛
代打起用は期待の証、球児高評価のパンチ力見せたい
⑤大山悠輔 右飛、左本①
谷川相手に詰まらされず引っ張りこんでの完璧な一発
59熊谷敬宥 遊ゴ、左飛
打球の質に強さが加わってきた、菊池打法継続で勝負
⑨5佐藤輝明 左安①、右二、見三、投ゴ
左右に痛烈なライナー、そろそろ打球上がってくるか
DH糸井嘉男 左安、中飛
外角を強打、仕上がり非常に早く最年長が猛アピール
4遠藤成 空三、見三
変化球に対応できず2三振も当てにいかずに勝負した
②梅野隆太郎 右飛、遊ゴ
この日は無安打も、好調時の打法に見え好印象だ
2坂本誠志郎 遊ゴ
連日藤井北川両コーチにベッタリ、その成果が見たい
⑥小幡竜平 見三、空三
遊撃として2併殺に絡み強肩活かしたスローで魅せた
6高寺望夢 中安
外角低め上手く拾ってセンターへ、対応力ピカイチ
⑦江越大賀 左飛、見三、右飛
1本出れば固め打ちしそうな期待は持てる打席が続く
③小野寺暖 中飛、遊ゴ、見三
早く結果が欲しいだろうが焦らずに強いスイングを
①及川雅貴 3回49球3安打3四球2三振3失点
走者出てから安定、先発なら常時セットからもアリか
1浜地真澄 2回43球3安打1四球1三振1失点
大崩れはしなさそうだが強みを見出せない投球に終始
1村上頌樹 2回25球2安打1三振1失点
直球の球速UPで軌道が気持ち悪いカットが更に活きる
1石井大智 1回16球1安打1三振無失点
唯一の無失点は好印象、失投でもキレで空振り取れた
1湯浅京己 1回18球2安打1三振1失点
投げ下ろしの角度光る、再現性高めて安定感向上を

ピックアッププレイヤー

#3  大山 悠輔

 第2打席、マウンド上には昨季までのチームメイト・谷川昌希。阪神ファンにはお馴染みのシュートピッチャーは、その武器を存分に使って内角を抉ってくる。大山にも攻め方は変わらず、インハイを続けて身体を起こす。谷川らしい、いやらしい配球だが、この時期にそういったシビアな内角攻めができる投手との対戦は大山にとっては非常に貴重である。というのも、このインハイへの対応が大山の調子を測るバロメーターの一つであるからだ。このコースを無理矢理フェアゾーンに飛ばそうとして詰まったフライになる時はえてして不調と見ていい。しかし、この日の大山は違った。豪快に引っ張りこんでレフトへ特大のファウルを放ったのだ。こういった打球は、俗に「三振前の大ファウル」などと呼ばれる。余談だが、筆者の高校時代の監督はこれを嫌い、「タイミングが早いんだよ!」と筆者はよく叱責を受けていた。次の球に詰まって「遅いんだよ!」とこれまた叱責されるまでがセットである。どないせえっちゅうねん。まあそれはさておき、こと大山にとっては吉兆以外の何者でない。丁寧で生真面目な大山が、自らの調子を鑑みて振り負けないと判断したからこそフルスイングで勝負を仕掛けたのだ。自分の精神的な拠り所にしているボールが打ち返された谷川は、これで攻め手を失った。この後、打って変わって外角への投球が続く。そして次のストライクが来た時、大山は迷わず踏み込んだ。結果はレフトへ、目の覚めるようなホームラン。これが阪神タイガースにとって、2022年対外試合第1号となった。
 3番で起用された大山が、シーズンで何番を打つかはまだ分からない。最適解の組合せを考えて打順は組むものであり、特定の打順を神聖化する考え方は個人的に相容れない。だが、あえて言うならこの打席の大山の立ち居振る舞い、駆け引きはまさに日本野球が古くから信奉してきた4番打者像そのものであった。昨季チームで最もそこに座った大山の、圧倒的な底力を感じずにはいられない1打席であった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?