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【悪役】

 悪役はもう気持ち良いぐらいのクソ野郎で良いんだよ。悪に堕ちた理由とかバックグラウンドとか描かなくて良いから、痛快に豪快にただただ純粋に悪で良い。
 レオンのゲイリー・オールドマンが大好きなんだよね。最初から最後まで救いようのないクソ野郎じゃん。なのになんか愛嬌があってだんだん好きになっちゃう感覚分かる?

 悪役に正当性を持たせようとすると必ず矛盾が生まれるから、そんなことしなくて良いと思うの。いるじゃん、子供の頃からクソ野郎だった奴とか、大人になってからキッカケもなくクソ野郎になった奴。基本的にそういう生き物なんだよ悪役は!と思うんだけど……どうだろう。
 深い理由とか原因が必要なのかな。ほんの遊び心で悪に堕ちる奴の方が多いと思うんだけどね。
 そういうキャラの方がリアルでゾワっとするから目が離せないし夢中になる。理不尽な暴力を振う奴の背後に暗くて重たい過去とか見えなくて良い。あっけらかんと悪であってほしい。

 そもそも争いや戦いなんて正義と正義がぶつかり合って起きるもんなんだから、正義を描きたいなら悪はもうとことんそれにまっしぐらで良いんだよ。もしくは融通の効かない正義、それを人は悪と呼ぶんだから。
 漫画とかで悪役がいつのまにか主人公の仲間になって、それまでの非道は感情的にどう処理するんだよみたいなのよくあるよね。つい何話か前まで女子供見境なく皆殺しにしてた奴に急に良い奴になられてもね、困るよね。

 現実がクソ野郎ばかりで溢れてちゃそりゃ本当に困るけど、映画や創作の世界でぐらいは突き抜けてクソなヒールが存在してくれても良いよね。
 そういう奴はそういう奴だからこそ憎めなくて、だからこそ創作の中でだけ活きるもんだと思うから。

 悪役は悪役のままで。

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