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たりない

Single『いつかの夜』セルフライナーノーツ

3曲目、たりない



日常で珍しいものにであった

電車が遅延して駅のホームに人が溢れている

SNSで意見の分かり合えない人たちがレスバトルをしている

有名人が不倫をした

痛ましい事件が起きた

異常気象で被害が出ている

どこかで大きな地震が起きた

遠い国で戦争が起きた


いまのわたしたちは、いろんな情報を
手元の小さな画面から得たり、発信したりしている

嬉しくてわくわくするような情報か
目を背けたくなるような悲惨な情報か
心温まるような出来事か
思いやりのない憎しみか
吐き出されたストレスか
見たいものか、見たくないものか、そんなことは関係なく
ありとあらゆる情報や感情が飛び込んでくる

そんな情報や流行をインスタントに消費しては
問題をどこか遠い他人事のように分かった気になって
また次の刺激を求める


画面の向こうに自分と同じ血と感情の通ったひとがいることを忘れて
簡単に言葉の刃物を投げつけあう


それを繰り返して何が残る?


人間は文明を築いてきたけれど
いまの社会はすごく便利だけれど
それに依存したら、空虚な存在になっていく
それに驕れば、自然というもっと大きな存在に見放されていく


大きく発展しているようで
誰もが余裕をなくしている
小さな愛を忘れている。



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バンド音源がメインの作品ではあるけれどアコースティックの曲は絶対に入れたくて、
サウンド面では70年代の洋楽のようなローファイ、オールド感を意識しています。
ちょっと渋い曲かもしれないけど
受け止めてもらえたらいいな。

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