『継ぎ接ぎの鎧』

目覚めの悪い朝だった。
やっと得た休日、少しゆっくり寝ようとしたが1通の郵便が全てを狂わせた。
八つ当たりとか抜きにペーパーレスと言われる時代にわざわざ印刷して送り返すのもいかがなものか。

過度な寝不足、抱えてるタスクの多さ、時間への焦り
色々な事が重なった心への負荷が限界に達してしまったようだ。
まだ大丈夫だと思っていたのに。
大丈夫じゃなくても動き続けなければならないのに。
今止まってしまったらきっと二度と動けなくなってしまう。
時間は待ってくれない。

わかってるよ、ごめんね。
体は大丈夫だからもう少しだけ頑張って。
もう少しだけ平気なふりして笑っていて?
心にそう言い聞かせながら頑張ってるんだけどそれももう効かなくなってしまったようだ。

上手く笑えない。
吐息でさえが涙に変わる。
何の為に、誰の為に頑張ってるんだろうか。
全てから逃げ出して飛んでしまいたいと思うのは我儘だろうか。


今日は大好きな人に会いに行く。
余計な心配はかけちゃいけないよ。
今日だけでいい、数時間だけでもいいから。
あの人の前では上手く笑っていて。

継ぎ接ぎの鎧をもう一度纏って。

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