プーリアの誘惑
2019.10.10 容易には行けないプーリア
みなさま、こんにちは、千葉忠平です。何故か今、香港空港にいます。2時間後の便でローマに向かいます。
イタリア語レッスンのクラスメート4人で、手作りの旅行、南イタリア・プーリア州周遊の旅を計画。10日午後1時15分成田発ローマ行きに乗るはずでした。
それが搭乗手続き間際になって、機材の不備のため欠航になり、他社の便に振り分けされることに。数百人の乗客を他社の空席に振り分けるための個別の交渉が始まり、便が決まるまでに4時間もかかりました。結局キャセイパシフィック航空で、成田→香港→ローマ→ブリンデシ(プーリア)ということに。
ブリンデシから迎えの車で10日の深夜にレッチェに着く予定が11日のお昼到着になりました。超大型の台風が近づいているさなか出発できただけでも、良しとしなければ。
2019.10.11 プーリア州周遊の旅・レッチェ№1
成田空港でアリタリア航空欠便のあおりで、10日着の予定が、半日遅れで11日お昼になったけど、ローマ・ブリンデシ経由で、レッチェのホテルに到着したときは、ほんとにホッとしました。ホテルはB&Bと聞いていたので粗末な宿屋という先入観でしたが、到着時には、門の前でガイドさんが観光客ご一行さんに何やら説明の最中でした。
古色蒼然とした貴族の館というイメージでしたが、広々とした個室は快適で、ノルマン貴族になったような気分です。
B&Bと言っても、夕食を出さない(どうせ観光客は夕方は外食するから)というだけ。
(写真は中庭から、玄関の門の方向と朝食のテーブル)
2019.10.11 プーリア州周遊の旅・レッチェ№2
レッチェはイタリアの他の都市同様歴史遺産の街で、教会のファサードはもちろん一般の建物でも、美しいけどゴテゴテとした装飾で覆われていて、レッチェ・バロックとか。
2019.10.12 プーリア州周遊の旅・レッチェ№3 サレント半島周遊
今回の旅行はイタリアの地図で見ればブーツのかかとの部分、プーリア州(プーリア周遊にはつきものの、お隣バジリカータ州のマテーラを含む)全行程運転手付きのワゴン車で巡るという私にとっては贅沢な旅です。
12日の今日はかかとの先の先、サレント半島(オートラント・レウカ・ガッリポリなど)を一周する行程です。
オートラントはイタリア半島の最東端で古代よりアドリア海を挟んで、目の前のギリシャ、北アフリカからの侵略にさらされてきた地域です。添付の写真はサラセンの塔とオートラント大聖堂と床のモザイク画です。
塩野七海ファンの私は「ローマ亡き後の地中海世界」で読んだサラセンの塔を見たときは感激しました。対海賊の見張り塔です。
朝、目覚めたとき、目の前の海をサラセンの海賊船で埋め尽くされているに気が付いた見張り役はどんな気持ちだったでしょう。
2019.10.12 プーリア州周遊の旅・レッチェ№4 サレント半島周遊
ガッリポーリは海岸の小さな島ですが、半島とは道路で繋がっております。画像の角ばった建造物はローマ時代の城(要塞)です。
島めぐりの最中、同行者が大きな建造物の中庭に宝石店を見つけました。商品のデザインが個性的で、素敵なものばかり。二人の店員も美しく、感じのよい方でした。
ローマのお店で買ったら倍額ではきかないとか、メッチャ楽しい雰囲気になりました。
2019.10.13 プーリア州周遊の旅・オストゥーニ№1 古物市
レッチェのB&Bをチェックアウトし、ワゴン車で内陸のオストゥーニへ。
オストゥーニの市街地は小高い丘の上のあるちいさな町ですが、下から見ると白い壁に囲われています、外敵の侵入から町を守るためでしょうか。
この日は日曜日ということもあって、町の中心部の公園で古物市が開かれていて、大変な賑わいでした。 土地の人の生活感ある使い古しから、女性に人気の装飾品、食器類もたくさん。皿専門の売り場はなんとロイヤルコペンハーゲンが山積み!値引きも可能なようでしたが、陶器類は持ち帰りが大変。
2019.10.14 プーリア州周遊の旅・オストゥーニ№2 マッセリア
オストゥーニの市街地を離れ郊外のマッセリアへ。マッセリアはプーリア州だけにある独特な宿泊施設で、オリーブ畑やワイナリーを経営する大規模農園主の館を宿泊施設として提供しているものです。
広大な農地の中心に真っ白いホテルや食堂館、プールまで備えております。
ここでの食事は最高でした。土地のワインも安くて美味しく仲間との話も盛り上がりました。
ここのホテルにはトゥルッリも宿泊室として提供されていました。
2019.10.14 プーリア州周遊の旅・オストゥーニ№3 マッセリア
朝食には「ストラッチャテッラ」が。
調べたらブッラータの中身の部分だけを取り出したもの。ブッラータはフィレンツェのスーパーで買って食べ、すっかり好物になり、ミラノでもローマでも食べました。プーリアが産地として本家本元だそうです。丸くて大きな袋状の中で、生クリームのプールにモッツァレラのようなチーズが入っております。そのおいしい部分だけを食べられるのが「ストラッチャテッラ(STRACCIATILLA)」です。
そのほかの料理です。
2019.10.14 プーリア州周遊の旅・オストゥーニ№4 陶器の街グロッタリエ
マッセリアに2泊三日の中日にタクシーを依頼して、陶器の街グロッタリエに行きました。
小さな工房が集中している箇所があって、通りには直売所を設けております。
店内は残念ながら、撮影禁止。どの店も 個性的でまったくデザインが違います。(買い物をした店・・・この地区はすべて製造販売)
この後、アルベロベッロでの朝食の時、テーブルに並べてある皿を見て気が付きました。工房で見覚えのあるデザインです。鶏はグロッタリエの街のシンボルだそうです。
小さな地区ですが素敵な店がたくさんあって困りました。
2019.10.15 プーリア州周遊の旅・オストゥーニからアルベロベッロへ
親密でゆったりとして、限りなく居心地のよいマッセリアにお別れして、トゥルッリで有名なアルベロベッロへ。途中イトリアの谷に点在する小高い丘の上の町、チステルニーノ、マルティーナ・フランカ、ロコロトンドに立ち寄ります。
このきれいに飾った建物はお店ではありません。普通の民家です。白い迷宮と言われるこの町は車も通れないような、細い路地が入り組んでいて迷路のようです。
どの家も路地もきれいに掃除され、観光客を歓迎してくれています。
通路の敷石をモップがけしている方を見かけました。
この三つの町にはたくさんのバロック様式の教会がありますが、そのうちのひとつをご紹介します。サンマルティーノ教会です。
2019.10.15 プーリア州周遊の旅・オストゥーニからアルベロベッロへ№2
ロコロトンドの旧市街はまさに天空の町という呼び名にふさわしく、イトリアの谷の新市街からは見上げるような位置にあります。この三つの町は真っ白な建物が特徴です。
石灰岩を塗るらしいのですが、純白を維持するため、頻繁に塗るようです。
2019.10.16 プーリア州周遊の旅・アルベロベッロ №1
この地域は石灰岩の豊富な土地柄のため、掘り起こした石灰岩を一定の形に切り出し、 積み重ねただけの、あるいは漆喰で接着して住居を作ったのが、有名とんがり屋根の トゥルッリです。
トゥルッリはオストゥーニの地域に入ると、あちこちに有りますが、特にアルベロベッロには集中的に存在します。
私たちのトゥルッリホテル
今朝はワイン博物館の見学と試飲。赤・白・ロゼの3種類を試飲。
朝から飲むのは、これまで機会がなかったけど、なかなか良いものです。
その後チーズ工房での試食。写真の試飲用チーズの盛り合わせ、4人分と思いきや、4人に4皿出ました。
食べきれずに残りを持ち帰りにしてもらいました。
次にフォカッチャ工房の見学と試食。
これはほとんど持ち帰り。
昼食は地元野菜のコース料理。
おなかもびっくりしているでしょう。
019.10.16 プーリア州周遊の旅・アルベロベッロにて №2
夕方5時過ぎ、他の同行者が昨日訪れたマルティーナ・フランカに買い物に行っている間、部屋飲みワインを買いにスーパーに。
地図で探しながらですが、なかなか見つかりません。歩いているうちにアルベロベッロの駅に出会いました。
正面のドアから入り見学を。駅員は一人だけでホームにいる10人位の高校生に関心があるみたい。
入った正面ドアから出ようとしたら、開きません。ここは入り口専門で、出るときは、正面左側の車が停まっているところからでることになっているのです。
肝心のワイン。地図を見ているとおじさんが寄ってきて、スーパーが見えるところまで送ってくれました。チャオ!
2019.10.17 プーリア州周遊の旅 海辺の白い町モノーポリ
とんがり屋根のトゥルッリを改装したホテルをチェックアウトし、海辺の白い町モノーポリへ。
この辺の人は生魚を食べると聞き、お昼のレストランでイワシを試食。
港の船着き場では集魚灯をたくさん装着した漁船が多数停泊、イカ釣り船かな。船腹に「ロレンツァ マードレⅡ」と大書した漁船を発見。海がしけたとき、ロレンツァ母さん!と叫ぶのでしょうか。
2019.10.17 プーリア州周遊の旅・ポリニャーノ・ア・マーレ
海沿いの町シリーズの掉尾を飾るのはポリニャーノ・ア・マーレです。
この地はカンツォーネのボラーレを歌ったドメニコ・モドーニョの出生の地として知られております。海辺の公園、と言っても私たちのホテルの前ですが、ブロンズ像が立っており、若い人たちの記念撮影が、引きも切らずでした。
ホテルは海辺の突端にあり、中央右端2階が私の部屋です。
個室に7色に変化するジャグジー風呂がついております。お近くにおいでの際は是非お立ち寄りください。
2019.10.18 プーリア州周遊の旅・カステル・デル・モンテ
塩野七生は「皇帝フリードリッヒ二世の生涯」の前書きで、私の生涯で一番好きな男性としてフリードリッヒ二世を挙げた(ギリシャ人の物語Ⅲアレキサンダー大王の前書きでは、私の好きな男はアレキサンダー大王だとも)。
そのシチリア王にして、神聖ローマ皇帝でもあるフリードリッヒ二世が建築したカステル・デル・モンテ。
血沸き肉躍る「皇帝フリードリッヒ二世の生涯」を読んでいたころは、まさかこの謎多い八角形の城に実際に足を踏み入れることができるとは夢にも思わなかった。
こんなに壮大な建築物で、いまだに真の建築目的が諸説紛々というのも不思議です。
2019.10.18 プーリア州周遊の旅・憧れのアンテキ・サポーリ
今回の旅行のメインイベントのひとつがカステル・デル・モンテの近くにあるレストラン、アンテキ・サポーリで食事をすることでした。
一般的なコース料理だと思いますが、どれもおいしく念願がかないました。ただ料理の種類とボリュームの多さに驚きました。飲み物が赤ワイン・リモンチェッロ、ノチェロ、料理が24種類。料理は一皿4人分と一人分とがあります。食べました、ひたすら。
2019.10.19 プーリア州周遊の旅・マテーラ
マテーラは何と言っても洞窟住居が有名です。
数十年前までは小作農民や家畜が住むところで衛生状態も悪く、マテーラの恥とまで言われ、州政府によって住民は他地区に強制移住させられ、廃墟と化した。
ところがその後世界遺産に指定されるや、脚光を浴び、観光地としてにぎわいを見せています。
とは言え私たちが宿泊している洞窟住居も急峻な坂道にあり、車も入れず、ポーターが スーツケースや大きなバックを2個ずつ担いで坂道を上り下りしてくれています。崖を下り向かい側の崖を登ると狭い通路があり、突然大きな広場が現れました。土産物屋やレストラン、美しい教会も。
私の洞窟ホテル
プーリア最後の夜なので、対岸のレストランに食事に出かけました。
2019.10.20 プーリア州周遊の旅:ローマ空港にて
10日成田発ローマ行き13:15が機材不備により欠航という、アクシデントで始まった今回のプーリア旅行だったけど、不運のネタはそれで出尽くしたようで楽しい旅を続けることができました。
旅は家にたどり着くまでが旅だと言われたことが有ります。
もう少し気を抜かないで旅を続けます。
20日14:50(日本時間、同日21:50)ローマ空港搭乗ゲート前にて
これまで12日間の長きにわたり、お付き合いいただきありがとうございました。
アリベデルチ プーリア
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