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臨床検査技師が飲食店店長になって一年で売上を倍にした話

どうも皆さん初めまして!レックスと申します!!

私は臨床検査技師として都内の大学病院に約10年勤め、
その後心機一転して地方の飲食店店長にいきなり就任し、
一年後にはお店の売上を安定して倍に伸ばす事に成功しました!!

一見全く異なる業種に思える「医療」「飲食」ですが、
意外な事に私の臨床検査技師としての知識と経験が飲食店経営でもとても役に立ちました!!(自分でもビックリ!)

そしてこれらの知識と経験は私だけでなく他の多くの方にとっても有効であると感じ、それを皆さんと共有して経営の楽しさを皆さんと分かち合いたいと思い立った次第です!
※ただし、私は自身がコストを支払ってリスクを背負っている「経営者」ではありませんのであしからず。

この記事では、自己紹介代わりに私が辿ってきた軌跡を簡単にご紹介しようと思います。

【臨床検査技師編】

臨床検査技師とは?

臨床検査技師は国家資格を持つ医療従事者ですが、知名度が低くご存知無い方が大半だと思います。
簡単に嚙み砕くと、下記のような解釈になります。

臨床:医療の現場で
検査:「患者さん」や「患者さんから採取した検体」を検査する
技師:技術者

具体的に言うと、病院で採血をしたり、血液検査や尿検査をしたり、病原菌を特定したり、心電図や超音波(エコー)を採ったり、輸血の際に患者さんに適合する血液製剤を用意したり、癌細胞を調べたり、幅広い分野の検査を行っています(レントゲン等放射線を扱う物は放射線技師さんが行います)。
最近の身近な例だとPCR検査も臨床検査技師が行っています。

これらの検査には様々な機器や薬品を扱う為、臨床検査技師は医療従事者の中でも化学者寄りと言えます。
又、機器が正常に測定出来ているか確認するのに日常的に統計学を使用したり、論文は膨大な検査データを取り扱ったりするので数字に強い側面も持っています。

私の主な病院業務

まず、私が取得した資格は下記の3つです。

臨床検査技師(国家資格):一般検査学、血液学、生化学、免疫学(輸血含む)、微生物学、病理学、生理検査学(波形、画像)の全ての臨床検査業務を行う事が出来る。病院もしくは検査センターが主な活躍の場となる。

医療情報技師(認定資格):医療と情報システム(電子カルテ等)双方の知識を併せ持つ者の証。医療従事者以外も取得可能で、病院に関連するシステムを開発しているIT企業のSEさん等も取得している。まだ歴史が浅く(2003年認定制度開始)、認定者は年間約1500人程と市場規模の割に人口が少ない。

健康食品管理士(認定資格):食品や「いわゆる健康食品(サプリメント等)」の成分と医薬品との相互作用や適正利用に関する知識、疾患と栄養素に関する知識を持ち、その指導的な役割を担う為に作られた資格。その特性上、景品表示法等の関係法規にも詳しい。

病院での通常業務としては、約95%が臨床検査技師、約5%が医療情報技師として働いていました(健康食品管理士としての出番はありませんでした)。

私の主な検査業務は、
検体(患者さんから採取した物)検査の受付:検査依頼の受け付け、医師や看護師からの問合せの回答、検査に来た患者さんの案内。検体の採取方法や検査方法、診断や治療に関する知識が必要。
一般検査:尿、便、髄液等、血液以外のあらゆる体液を検査する。成分を調べたり、顕微鏡で細胞や菌、寄生虫等を鑑別する。
採血:血液を採取する技術だけでなく、神経損傷等合併症のリスクとその対策、接遇(対患者コミュニケーション)能力が必要。職員のトレーニングや力量評価を担当。

当直時はさらに、
血液検査:血液学、生化学、免疫学 等
輸血検査:患者さんに適合する血液製剤を緊急度に合わせて用意する
微生物検査:PCR、結核菌、血液培養 等

これに加えて医療情報技師としては、
ベンダー(主にIT企業や検査機器会社)と病院とのパイプ役:企業は医療の知識に、病院はITの知識に疎い為、お互いの会話が嚙み合わない事が多々有る。プロジェクトの中心に加わる事でこの摩擦が軽減し、円滑に進める事が出来る。
簡単なプログラムの作成:病院業務では常に様々な事象を記録し、集計し、対策する必要が有る。ここに人手が割かれ過ぎていたので記録と集計を半自動化するプログラムをいくつか作成した。
職員向けホームページ(イントラネット)の管理:各職種が利用するマニュアル類の管理や、病院から職員向けのお知らせ(社内文書)を発信及び管理する為のHPを構築し、維持管理した。


以上が私の「病院での通常業務」です。
そしてこれらのルーチンワークの他に、私には2つの大きな役割が有りました。

①臨床検査技師会の役員としての活動
臨床検査技師の専門業務は何年も勉強して現場で経験を積み重ねる事でやっと一人前になる事が出来ます。
しかし職場の規模や専門性によってはその経験や知識を充分積む事が出来ない場合も多々有ります。
それをサポートする為に各都道府県に臨床検査技師会という法人が設置されており、会員はそこで様々な講習会を受けたり学会や会誌で最新の知識を共有する事が出来ます。
私は東京都臨床検査技師会の役員として組織運営に携わらせて頂き、情報を発信する傍ら私自身も沢山の知見と経験を得る事が出来ました。

②ISO15189の院内導入と維持管理
実はこのネタこそが私のアイデンティティのコア部分であり、その後の飲食店経営に大いに役に立つ知識の柱となっています!!

ISOとの出会い

ISO(International Organization for Standardization:国際標準化機構)とは、製品やサービスに関して「世界中で同じ品質、同じレベルのものを提供できるようにしましょう」という国際的な基準の事です。

臨床検査室におけるISOとは、例えば「血糖値100の血液をちゃんと100と結果が出るようにしましょう」という解釈になります。
「それが出来て当たり前」と感じるかもしれませんが、実は同じ血液を分けて複数の検査室で血糖値を測定した場合、測定値が100と出る施設もあれば90、はたまた130と出てしまう施設もあります
それは血液の採取から前処理の方法、機器や測定試薬のメンテナス状況等いくつもの要素が関わって生じてしまう差です。
行った病院によって正常か糖尿病か診断が別れてしまうなんてたまったものじゃありません。
そのような事態を防ぐ為にISOという国際規格が存在し、検査結果に係わるあらゆる要素を適切に管理していこうという仕組みが存在するのです。

私は臨床検査室のISO15189を病院に導入し、それを維持管理する為のプロジェクトリーダーを務めていました。
ISOは認証機関による審査を受けて病院が認定をもらうという仕組みですが、一度認定をもらって終わりではなく定期的に更新審査を受けなければいけません。
そしてその為には品質を保つ、あるいは向上する為の取り組みを継続的に行う仕組みが必要です。
私の検査技師人生で最大の仕事は、この仕組み(品質マネジメントシステム)を作り上げる事でした。

~品質マネジメントシステムの骨組み~
文書管理:品質マニュアルと12の規程を作成。あらゆるルールを文書化し、全職員にそれが伝わる仕組みを構築。
教育:新人教育だけでなく中堅もベテランも全員が対象。又、全員の力量を評価し、力量に応じた業務を割り振る仕組みを構築。
精度保証:臨床検査が正確に行われる為に、係るあらゆる要素についてルールを定め、検査の品質をチェックする仕組みを構築。
情報システム:正確に測定が出来なかった検査結果をリアルタイムで抽出し、電子カルテに正しい結果のみを正確に届ける仕組みを構築。
セーフティーマネジメント:誤りやミスが発生した場合、その原因を分析して再発防止の為の是正処置を行う仕組みを構築。
内部監査:あらゆる仕組みが正しく機能しているか、ISOの国際規格に則っているかを定期的にチェックし是正する仕組みを構築。

ISO15189には守らなければならないルール(基準)が約550項目記載されていますが、それらを遵守する為にざっくりと上記の6部門に分けて委員会運営を行いました。

なんとこれらの仕組みや考え方は、臨床検査室に限らずあらゆる組織運営において応用可能です!!!
当時はまさか飲食店経営にこの知識を使うとは思ってもみなかったですが、ISOとの出会いは私の人生の大きな糧となった事を当時から確信していました。

そしてISOが組織に定着して落ち着いてきた頃、不意に人生の転機が訪れたのです…!!

【飲食店経営編】

いきなり飲食店の店長に就任!?

若手にもかかわらず病院のいくつかの事業のリーダーや中心的な役割を務めさせて頂き、臨床検査技師会でも多くの役割を頂いて、私の検査技師人生はとても充実していました。
しかし自分の世界が拡がるにつれて、この検査界隈、ひいては医療業界がとても狭く、窮屈に感じるようになっていました。

「もっと縛りのない広い世界で自分の可能性を存分に発揮したい」

そんな事を考えて悶々と日々を過ごしていたある夜、たまたま知り合いの経営者(仮称:Y氏)と電話する機会がありました。
丁度その頃コロナで現場がひっ迫し始めたタイミングだった事もあり、色々と話を聞いてもらっていたところ、

「いざとなったらうちにおいでよ」

と声を掛けて頂きました。
恐らくは「だから頑張れ」という激励の意味だったと思いますが、私はその一言で一念発起し次の日にはY氏に正式に転職の申し込みをしました。
そして2週間後に職場見学に行き、その日のうちに内定をもらって帰ってきました。
どうやら決断の思い切りの良さとそれを実現する為の行動力を買って頂いたようです。

そして2021年6月1日から1ヶ月かけて初期研修を受け、2022年7月1日からいきなり店長として現場に配属されました!!!

飲食業は学生時代のアルバイト経験しかありませんでしたが、もうやるしかありません…!!

店長になる前の準備

初期研修の1ヶ月間は下記のように前半と後半に分割して行われました。

前半:会社の理念やポリシーの理解。接客や調理に対する心構え。
後半:店長として担当するお店の営業に必要なオペレーションや運用の習得

飲食業界の相場は分かりませんが、飲食店の基礎から現場の運用までを全て1ヶ月で網羅するというのは恐らく短いと思います。
それでもなんとかなったのは、学生時代に焼き肉屋で4年間働いていた経験と7年間一人暮らしで自炊していた経験、病院で常日頃から患者さんと接していた経験、そして臨床検査技師としての微生物学や食品衛生の知識があったからだと思います。

それらに加えて会社としてのポリシー「お客様からお金を頂くということ」を解像度高く叩き込まれ、前半の研修が終了しました。


私が配属される現場は開店からまだ半年ちょっとしか経っていない新しいお店でしたが、「ほとんど利益が出ない現場」と言われていました。
私のミッションはそのお店で「利益を出す(赤字を出さない)事」でした。

~現場に入る前に行った準備~
損益分岐点の算出:「いくら売れば赤字にならないのか」を計算。その為にあらゆる支出の把握が必要。
月の売り上げ目標(予算)の算出:月の総計だけでなく、1日ごとに細かく目標を設定

損益分岐点の計算はやった事が無かったので苦労しました。
算出する為にはまずお店の家賃や光熱費、使用している食材や消耗品等のあらゆる支出を把握しなければなりません。
そして肝心の損益分岐点の計算はネットで調べられる基礎情報だけでは算出出来なかったので、自分で解決策を考案して対応しました。

そして社長のY氏(仮称)より、目標利益額が言い渡されました。
その為に必要な1ヶ月の売上額を算出し、そこから逆算して平日と土日祝それぞれ1日あたりいくら売り上げれば目標を達成出来るのかを設定しました。
具体的な目標を1日ずつ設定する事で日々の頑張り具合の調整ができ、目標達成をしやすくする事が狙いです。
目標と実績を毎日見比べる事で目標達成確率はさらに上昇します。
※この1日毎に売り上げを管理する方法は私オリジナルではなくY氏から教わったノウハウです

これらの事前準備を行い、いよいよ店長としての生活がスタートします…!!

店長になってから行った改革

既に営業しているお店を私が引き継いだ形ですが、今までと同じ事をしていては収益も今までと変わらない為、何らかの改革が必要です。
そこで私が現場に入って最初に行った改革は下記の2つです。

①支出の見直し
②食品衛生管理の徹底


利益を増やすには、支出を減らすか収入を増やす方法が考えられます。
この2つの内、より難易度が低いのは支出を減らす事です。
何故なら、収入(商品の購入)は最終的にお客様の決定に委ねられますが、コストカットは自分の意思で決定出来るからです。

~コストカット大改革~
【包材(食品を入れる容器)】
食べ終わったら用済みになってしまう物に高額なコストをかけるのはもったいない。商品の見映えと耐久度の条件を満たす代替品を何社も探し回った結果、ほぼ全ての包材のコストカットに成功!

【食材】
安い物は品質が落ちるのでは?と思いましたが全然そんな事はありませんでした!工場や卸さんを探したら安くて高品質な食材が沢山見付かりました!!

申し遅れましたが、私のお店はレストランではなく「テイクアウト」の専門店で、たこ焼きや焼きそば等をパックに入れてお客様に提供しております。
その為商品を入れるパック(包材)のコストは無視できない額の出費になっていました。
しかし包材と食材をほぼ総入れ替えした事で原価率を抑える事に成功し、より利益を生み出しやすくなりました!
沢山の選択肢から選ぶ事はとても大切だと実感しました。


臨床検査の学問の中には微生物学というものが有り、臨床検査技師は菌やウィルスにとても詳しいです。
どこにどんな菌(ウィルス)が居て、どのように感染が広がり、どんな疾患をもたらすのか、そしてこれらを踏まえた上で公衆衛生学感染制御学も学びます。

つまり食中毒と衛生管理に詳しいです!!!

これは私最大の強みでした。
そしてこの知識を活かして食材や機材の管理から調理工程の運用等を見直し、衛生管理を徹底しました。
その結果食中毒リスクを軽減させただけでなく、食材の劣化を防ぐ事にも成功して廃棄コストの削減にも繋がりました!

データは嘘をつかない!!

臨床検査技師の強みの一つに数字に強い事が挙げられます。
それは機器が測定したデータが統計学的に正常か異常か常に判断したり、膨大な検査データを用いて基準(正常)範囲を設定したり、機器や試薬の研究開発に携わったり、日常的に数字と向き合っているからです。

そんな私が飲食店経営において実用的な数値化する事に成功した項目は下記の通りです。

・売上額予測(各商品の販売数予測)
・利益額予測(支出額予測)
・1日売上額の統計学的基準範囲(平日、土日祝別)
各メニューの調理効率(費用対効果。一度に作る量による違い)

最も大きな成果は売上額の予測が安定して的中率90%以上だという事です。

「予測したって収益が上がる訳ではない」と思われるかもしれませんが、予測が正確だと
・食材が不足する事がない→混雑時も最大限売り上げる事が出来る
・食材が余り過ぎる事がない→期限を迎えて廃棄する事がない
・従業員の配置に無駄がない→「暇なのに人件費が発生する」事がない
・体調管理をしやすい→予測に合わせて仕込み等の事前準備を計画的に行える。又、忙しくなる日が事前に分かっているので備える事が出来る。
等の様々なメリットがあります。
予測が全くない状況で経営をしようとすると無駄なコストがかかる上に、忙しさ度合に対して常に受け身になってしまう為、精神衛生上もよろしくないです。
「食材足りるかな!?」「食材が余っちゃう!!」と日常的に不安を抱きながら営業するのはかなりのストレスだと思います。

接客はライブ配信に似ている!!

私は趣味でVtuberさんのライブ配信を鑑賞していますが、お店での接客はライブ配信に通じるものがあると思います。

ご新規さんがいらっしゃった時にどのように心を掴んで、「また来よう」と思って頂くか。
どのように常連さんにとって居心地の良い空間を作るか。
例えば、お店に2回目に行った時に「また来てくれてありがとうございます!この前のたこ焼きのだし醤油味、お口に合いましたか?」と1回目の来店を店員さんが覚えてくれていたら嬉しくないですか?
ライブ配信でも配信者さんが自分を「認知」してくれるのはめちゃくちゃ嬉しいので、私も配信で配信者さんにしてもらったら嬉しい事を意識して接客するようにしています。

1年間お店をやってきてよく感じるのは、常連さんは自分に会いに来てくれているという事です。
美味しい料理を提供するのはもちろんですが、接客もセットで飲食というコンテンツが成立している、と私は考えています。

お店のリニューアル~富士宮やきそばの導入~

コロナの真っただ中にも関わらず、ありがたい事に初月から一度も赤字を出す事なく店長就任前の頃と比べて約1.5倍の売り上げを出せるお店になっていました!!
年末年始という繁忙期も無事に乗り越えて落ち着いた頃、お店の売り上げをさらに伸ばす為に思い切ってリニューアルをしようという運びとなりました。そこで社長のY氏から新たな指令が…!!

~リニューアルミッション概要~
・富士宮やきそばを店の看板メニューとして導入する
・富士宮やきそばの商標を使用する為の契約を結ぶ
・富士宮やきそばの「店ならでは」のレシピ開発
・富士宮やきそばの食材の仕入れルートを開拓
・その他全メニューの見直しと価格設定
・店の外装を全て変更
・外装を発注する業者の選定及び契約
・外装のデザイン決定
・各取引先や関係各所との調整

『富士宮やきそば』とは、静岡県富士宮市で町おこしの為に開発されたご当地グルメです。
かつて『B-1グランプリ』という町おこしイベントで初代&二代目チャンピオンに輝いて殿堂入りした事でその名が全国に轟き、今なおテレビに取り上げられている人気のグルメです!

お店の命運を握る新メニューを導入するにあたって、まずは富士宮やきそばの歴史を調べました。
座学から入るのは臨床検査技師の習性かもしれません。
地元の方のお話を聞いたり、ネットで調べたり、商標を持っている会社に研修に行ったり…etc
そして私は、観光客にドヤ顔で富士宮やきそばについて語れる知識を身に付けたのです!!

次に、レシピの開発です。
富士宮やきそばは、

が指定されている
肉かすという食材を使用する
だし粉という調味料を使用する

という最低限の決まりが有りますが、それ以外の具材やソースの味付けは各お店で自由に決められるので、その開発に取り組みました。
富士宮やきそばの特徴や決まり事、歴史は下記参照。

私は富士宮やきそばのお店に手当たり次第行き、ひたすら食べて研究しました。
そして各お店のソースの特徴を下図のように四象限に分類してみました。

立地やそのお店のデザインからターゲットが観光客向けなのか地元民向けなのかを分類すると、興味深い事に上図のようにカテゴライズする事ができました。
ちなみに静岡県外から来た私は観光客向け、地元の方にお勧めして頂いたお店は地元民向けグループのお店の味が好みでした。

私のお店は観光のお客様が多い立地だったので、観光客向けの味付けにする事に決めました。
さらに麺や具材の硬さ等も上記のようにカテゴライズし、自分の好みも併せてレシピを調整しました。

ソースは臨床検査技師時代に培った比較検討試験(色んなパターンを比べる手法)を用いて複数のソースや調味料を調合し、目標とする味に近づけていきました。
そして自分が最高に美味しいと思えるソースの開発に成功したのです…!!

ホントにめちゃくちゃ美味しいので全人類に食べて欲しい!!!!!


ですがどんなに美味しい富士宮やきそばを作っても、食べてもらえなければ意味がありません。
そう、全てはお店の外装にかかっているのです!!!!!

とはいえ私にデザインのセンスは有りませんし、臨床検査技師の知識と経験はこの難題の前に無力でした!!泣
しかし売れるお店を作る為にはなんとかやり遂げなければいけません。
全体の外装は、色んな飲食店の良いなと思った要素を取り入れてなんとか決定しました。

看板やメニュー表に使用する商品写真はプロのカメラマンさんに来て頂き、人生初の「物撮り」というものを経験しました。
これも多くの飲食店の写真を参考にして盛り付け方や撮影アングル等を考えに考え抜いて、どのような用途で使用する写真でどのようなイメージなのかを資料にまとめてカメラマンさんにお伝えし、何度も商品を作り直して何度も撮り直して頂いて最高に美味しそうな写真を撮る事が出来ました!!!!!

「ここで妥協したら後悔しますよ」
というカメラマンさんの言葉に背中を押されて生まれた奇跡の一枚

そうやって苦労して出来上がった新店舗は、可愛くて可愛くて仕方ありません!!
愛着が湧くとはまさにこの事です。

こうして舞台は全て整いました!
後は沢山売れてくれる事を商売の神様に祈るばかりです…!!

売上が前年度の倍に…!!

お店をリニューアルするにあたり、私は「売上が2~3割上がったら嬉しいな」と考えていました。
しかしいざリニューアルしてみると、平日・土日共に直近の1.5倍~2倍、前年同月比でなんと約2~3倍も売り上げがアップしたのです!!

~売上の前年同月比~
・2022年5月:3.2倍
・2022年6月:2.0倍
・2022年7月:1.8倍

私が店長に就任したのは2021年7月

売り上げが上がった要因は間違いなく富士宮やきそばです。
いくつかメニューがある中で富士宮やきそばは売り上げの約半分を占め、お店の不動の看板メニューとなりました!!
看板メニュー等の外装デザインを富士宮やきそばに誘導するよう作り上げた事も大いに吉と出ました。
そして何より、観光地におけるご当地グルメの強さを思い知らされました。

しかし「置けば売れる」という商品ブランドに甘える事なく「町おこしとしての富士宮やきそば」という主旨を忘れずに、これからも富士宮やきそばの文化と最高に美味しい富士宮やきそばを皆様にお届けする所存です!!!

最後に

以上が私の半生をまとめたものです。
臨床検査技師時代も沢山の珍しくて素晴らしい経験をさせてもらったので、いつか機会があったらお話を聞いて頂けると幸いです。

飲食店の方もここまで決して簡単に来れた訳ではなく、様々な壁にぶち当たっては乗り越えての連続でした。
ここでの経験や解決法は飲食業だけでなく他業種やご家庭でも応用できそうなものがいくつもあるので、ペースはゆっくりとですが皆様にご紹介出来ればと思っております。

ここまで長文にも係わらずお読み頂きありがとうございます!
それでは皆さん、またお会いしましょうヽ(・∀・)♪

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