令和いらねえ釣りはホットケーキ ver.2/2024年4月25日



2024年4月25日。朝から原稿書くつもりだったのにがっつり寝てしまう。背徳の昼寝。午後から長時間取材。昼寝3時間。仕事3時間。取材場所が御茶ノ水に近かったので、ディスクユニオンに寄る。階段の上り口に「ワールド出てます」と描かれた看板。ほがらか。時間かけて見られなかったけど、韓国のLPやインドの7インチ、たしかに目についた。キンクスの70年代ブートレッグが何枚か出ていて、「ソープオペラ期の音の悪いライブ、くぅ!」と心でうなって保留。それでも3枚ほど見つけて会計したら、財布のなかが残り10円になってしまった。もちろんATMでおろせばいいんだが、いくつになってもあんまりだ、とすこし気落ちしてしまう。結局ワールドは買わなかった。

夜は武蔵境にて飲み会。みんなかなり飲んだ。駅前で買った「ヨーコ」という瓶のお酒がすごかった。ジャージー牛乳を発酵させたヨーグルトを大吟醸と掛け合わせたお酒。二日酔いはしない、ような気がする。VRゲームで遊んでるうちに、気がつけば終電間近。あわててその場を辞して駅へ。いつもと違う道を曲がったのに、どういうわけか見覚えがある。この通り、この墓地。あ、そうか。25年前に何度かここを通った。NRBQの2度目の来日時、トムは早めに来ていて、わけあってこのあたりに泊まっていた。日本のレコード屋さんを案内する役目をぼくが請け負って迎えにきた。あれは4月だった。さんざん音楽の話して、夜遅くなって帰った。ちょうど同じくらいの季節なんだねえ。そのときトムが泊まっていた場所はもうないし、そもそもトム自身が亡くなって12年になる。ひとまわり、ふたまわり? いや何周りしても思い出せるだろう。忘れてたから偉そうにはいえないが、思い出さないよりほマシだろう。あ、やばい。終電終電!

駅に着いたら上り最終電車は数分の遅れ、とのこと。ほっとして、ほどけた靴ひもをエスカレーターの段差に足をかけて結び直そうとした、そのとき。……バランスが。手すりをつかんで体勢を立て直そうとしたが、あいにくエスカレーターの手すりは動くんです。あーあーあー落ちる。瞬間的に体を反転させようとしたけど、判断に肉体が追いつかない。酔ってるから。あーあーあー、あー。できたのは肩にかけてたトートを頭に対してクッション代わりにすべく放ることくらい。結局、ほぼまっさかさまにずり落ちた。ここで死ぬのか……と思ったが、救いの神あり。エスカレーターはまだ低いところだった。夕方買ったレコードがなんとなく厚みとなって頭を受け止めてくれた。「大丈夫ですか」。その様子を見た男性が手を差し伸べてくれた。へ、平気です。実際、打ち身も捻挫もなさそう。よたよたと身を起こしているうちに、体は座ったままで自然と上まで運ばれた。靴ひもを結び直して、ホーム着。何事もなかったように尻をはたいて立つ。トムが助けてくれたのかもしれんねえ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?