令和いらねえ釣りはホットケーキ ver.2/2024年4月4日



2024年4月4日。神保町での取材を終えて、夜に見る予定のライブまですこしだけ時間がある。ひさしぶりにさぼうる2で駆け込みナポリタン。地下に案内され、注文を待っていたら、お冷と一緒にフリーペーパーが来た。「やま中かわら版」。おーい、フリーペーパーは頼んでないよ、ってわけではなく、ひそかに楽しみにしていた。以前に創刊1号をもらってたから。1号は特集「マイク・オールドフィールド」。このご時世にマイク・オールドフィールド? 名前を口に出すだけで何秒もかかるよ。しかも手書きの熱筆だ。どうかしてる(よい意味で)。しばらくこないうちに2号を通り越して、今日もらったのは3号になっていた。手書きテイストはそのままだが、カラー化してる! 特集はGONTITI。このご時世に……とは思わない。さぼうる2でもらえます。壁新聞のように貼ってあるのを読むのもいいが、「やま中かわら版ありますか」と声をかけてみるとよいかと。今日もナポリタンは美味。帰りがけに本店さぼうるに顔を出したら、レトルト化されたナポリタンやミックスCDをおみやげにいただいた。ありがたいことです。

そのまま渋谷に向かうつもりだったが、1件、締切の催促メールが届き、原稿のためドトールへ。なんだ、そのままさぼうるでコーヒー頼んで書いてたらよかった。入稿して渋谷に移動、最後の1行に打ち間違え発見したので地下鉄で修正しているうちにオチを変えたくなり、ぜんぜん違う1行に変更しますとセンター街でメール。WWWに着いたのは開演時間をすこし過ぎたところ。物販に7e.p.斉藤さんがいて、シャバソン、ケルゴヴィッチ&セージの新作アナログ売っていたので、即買う。ロビーにいたジュンくんと台湾話。台南の土地柄に興味が湧く。地震も起きたばかりだし、そこがどんな場所なのか聞くことは、なんていうか、思いのレイヤーを重ねる助けになる。こたつでわかった気になる、というのとはまた別の話で。Summer Eye。PCからの同期でトラックを流すのをやめて、人力プリセットによるヴィンテージ・デジタル実機+ギターを駆使した、ターミナルみたいなセッティング。この仕様は今日がはじめてだって。面白い。VIDEOTAPEMUSIC、ここしばらくのモードである他人のプライベートビデオに映された生活の記録を眺めて語る「湖底」の質感で統一した35分。「Sultry Night Slow」はもう8年前の曲だけど、この文脈でまたあたらしく得ている生命がある。そういえば、あの曲のリリパで、ここWWWでDJしたのは、おれでした。今日のDJはAkieさん。シャバソン&ケルゴヴィッチ前に、アーネスト・フッドが流れて涙出そうになった。

シャバソン&ケルゴヴィッチ with テニスコーツ。テニスのふたりがどんな感じで絡むのかと想像していたけど、思った以上に控えめかつ効果的な献身で、4人の演奏は本当にすばらしかった。ケルゴヴィッチによると、このデュオとしてライブパフォーマンスをするのは今日が3回目、ジャパンツアーは初日。そもそも母国カナダやアメリカで、ツアーという仕組みに乗るタイプの音楽ではないし、そういうタフな生活スタンスでもないんだろう。だから、彼らにとっての日本への旅という特別な時間が、ぼくらだけが甘受できるジャパンツアーになる。海外の物価高や円安などドルやユーロをベースにしたネガティブな圧迫要因は多いけど、斉藤さんやFRUEのひとたちが試しているのは、海外ではありえないことが日本では可能という別のチャンネルの開け方。S&Kのツアーはつづくので今日はネタバレは書かない。もし近くの街で彼らのライブがあるのなら、足を運んでみてください。

終演後、みっちゃんと、台北から遊びに来ていたDJ Spykeeと合流。みっちゃんの案内で、三鷹台で飲むことに。いろんなところで居合わせて、ちょっとやりとりしたことはあるけど、Spykeeと面と向かって話すのははじめてだった。思いついたことがあって相談した。うまくいくといいんだけど。夜に降るかもと予報されていた雨は持ち堪えた。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?