令和いらねえ釣りはホットケーキ ver.2/2024年3月10日



2024年3月10日。昨日の雨でずぶ濡れになった靴やダウンジャケット。ひと晩置いといたらなんとなく乾いてしまった(靴のなかにはまるめたペーパーを詰め込んでおいた)。湿度の低さに感謝。一夜明けて雨はもうやんでるけど、からっと冬晴れとはいかない。風が強くて体感温度は気温以上に低い。電車を乗り継いでロングアイランドへ。小さなレコードショーでたいして期待してなかったが、シングル盤すべて半額というのがただでさえいいのに、しかもすべて新品で買ったままコレクトしていたひとの放出品で、ほぼアンプレイドという当たりに出くわし、思いがけず大漁。アメリカでシングル盤の美品が出るのは、かつてはラジオ局からの放出品が主流だったが、さすがにもうその恩恵も10年くらい前を最後にめったになくなった。いまはこういう、新譜を丹念に買い続けたひとの放出がありがたい。わざわざ言わないが、おそらくその大半は遺品整理的な事情なんだろう。たくさん買ったのでディーラーも上機嫌。運搬用のシングル箱を気前よくくれた。「またな」と言われて思い出した。いつものあんたは「半額でも高いよ」と思わせるタイプの、なかなかシブチンなやつだったよね。こっちの財布の紐もいつもは固くなる。おたがいに今日は「いいやつ」になれてよかった。たとえそれが100回に1回の出来事でも。

夜、去年「POPEYE」の取材で訪れたチャイナタウンの新店「Live Not Money」の店主ジョシュアと再会。近くの店で飲みながら、レコード屋の仕事と現状にまつわるあれやこれや。業界ゴシップというより、どうやって音楽と新鮮に触れ続けて、それを伝えていくべきかをまじめに考えているひと。だって店名が「金じゃない、愛」だもんね。

オスカー2024。「バービー」も「パスト・ライブス」も跡形もなかった。

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