令和いらねえ釣りはホットケーキ ver.2/2024年4月11日



2024年4月11日。来週の取材に必要な通訳の手配が思いのほか手間どり、DOMMUNEでのゼ・イバーハ出演を見逃してしまった。チェックしてたのに、痛恨。先月、京都でジジさんと話していたとき、「今度来るあのひとが気になります。たしか名前が一文字の……」「ゼー?」「ゼー!」と、息を切らしたひと同士みたいなやりとりをしてたのに。ツアーでは日本全国の魅力的な土地を回遊して東京に戻ってくるとは知っているが、はたしてその日、おれは行けるんでしたっけ?

ヤギヤスオさんの訃報がXで流れてきた。本当だろうか。イラストレーターとしてより先に、ザッパの先生としてヤギヤスオさんを知った。中古で買った「◯△⬜︎」の超巨大ライナーノーツが最初かな。それとも友だちが買ったじゃがたらが先だったかもしれない。高校生だった。「JAPANESE GIRL」や「TROPICAL DANDY」、BO GUMBOSの諸作などには、そのあとに触れた。ライターをはじめてから、取材などでの接点はなかった。おそれおおくてツイッターのフォローもしていなかったけど、いつもツイートを目にしていた気がするのは、自分の周りのひとたちがヤギヤスオさんを気にかけていたからだろう。実際、「最近ヤギヤスオさんのツイートを見ないなあ」という書き込みを今年に入って何度かぼくも見ていた。「いつもあのへんにいたおじさん、最近見ないなあ。でもまた、ふらっと出てくるんじゃないかなあ」。そして訃報もそんな感じで、ふらりと風に乗るように目の前にやってきた。もちろん「え!」となった。でも、ソースは? ソースは?って、とんかつ屋さんじゃないんだから、とも思う。伏せていたのに漏れてしまった(だれかさんが漏らしてしまった)みたいな後味のわるさじゃなく、風のうわさで流れてきたようなヤギヤスオさんの訃報は、現代のひとつの理想かもしれない。

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