令和いらねえ吊り輪ホットケーキ/2020年3月1日
尾道映画祭の中止(本来なら29日の夜にぼくとVIDEOくんでDJするはずだった)を受け、1日早い帰京。今日は、ぽっかり空いた休日になってしまった。
映画のサービスデーだし、どこかに出かけてもよかったけど、結局1日家にいることに。コロナコロナとうるさいラジオもスマホもしばらく置いて、思いきって昼寝するべ。
いま、阿佐ヶ谷ユジクで細野さんのドキュメンタリー映画「NO SMOKING」と「銀河鉄道の夜」の二本が続けて上映されている。「NO SMOKING」は結局見てないままだし、この並びで見るのはいいかもね。
でも、昼寝を続けた。ユジクでは6日までやってるから、もしかしたらどこかで。3時ごろに起きて、細かい書き仕事や段取り仕事をしながら、部屋で何枚かCDを聴いた。
冬支度『こんな風に』
nutsman『NAGARA』(ミックスCD)
metome, uratomoe, speedmeter『DARK, TROPICAL』
yumbo『鬼火』(ディスク1のみ)
TUCKER『TUCKER IS COMING』
冬支度は前作『オールドハイツ・ミュージック』もいただいていて、我が家のキッチン・クラシックになっている。新作の『こんな風に』には、安田謙一さんのコメントがあって、バンキー&ジェイクが引き合いに出されていた。
それに加えていえば、アメリカのフォークウェイズ・レコードが50年代に出していたような市井の音楽のフィールド・レコーディングにも通じる飾りっ気のなさも印象的だ。フォーク・ミュージックが商売になる音楽としての「フォーク」と呼ばれるようになる以前の「人間の音楽」としての姿、みたいなたたずまい。そんな大げさな、ということなら、これはどう? 寒い日に人が焚き火にあたりたいとか、珈琲を飲みたいとか思う、それくらいに些細だけど率直な心の動きが浮かぶ、そういう音楽。
冬支度のほうの安田さん(安田支度さん)は、おとといロフトプラスワンWESTに来てくれた。その場で『こんな風に』のCDとペーパーを一緒にいただいたのだった。
二度ほどお会いしているけど、まだ冬支度のライヴを見たことがない。今日、とてもライヴで見たい気分になって、頭上のCDプレイヤーを何度か見上げた(仕事机の上の棚にプレイヤーがあるもので)。
今日は、名古屋を拠点に活動してきた男女2人組、小鳥美術館の「プロジェクト完了」も知った日でもあった。
それを受けて、ツイッターに書いたことをあらためてここにも記す。
「小鳥美術館、プロジェクト完了の報せを受けて。長い活動のなかで初のミニアルバムのリリースライヴが共演に片想いを迎えて行われた日のことを思い出す。2016年11月。下北沢440。DJしたいと言っていたぼくの意向を汲んでくれて、幕間BGMの担当に。通常のDJではなく、曲の間に小鳥たちの鳴き声を流した。」
「そのときにすごく活躍したのがこの10インチ(『Songbirds Of America』というタイトルで、野鳥の声をフィールド・レコーディングしている)だった。冊子みたいなジャケットに文章や写真、イラストが添えられている。つつましく頑固だが愛らしくユーモラスでさえある。なぜこのレコード持っていたのかわからないけど、あの日のためだったんだといまは思い出すだけ。」
「子どものころ、気まぐれに庭先や窓の外に遊びに来ていた小鳥の声をいつまでも忘れられないように、小鳥美術館の音楽があったことはこの先も覚えられていてほしい。」
小鳥美術館は完了したが、彼と彼女のフォークウェイズならぬ、バードウェイズはこの先も続く。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?