令和いらねえ釣りはホットケーキ ver.2/2024年2月1日



2024年2月1日。路地をくくっと曲がって幡ヶ谷・Forestlimitへ。店の前にいくつもの人影がぬっとたむろしている。塁くんの姿が見えたので声をかけると「(なかは)すごいひとです」と超満員になってることを教えてくれた。今はちょうど前のアクトからの転換中で、混雑から抜け出したお客さんが呼吸したり喫煙したりしているところ。シャッポを見に来たのか、このイベント自体の集客なのか。その答えはまだわからないが、都会の路地に漏れ出す光に照らされて立つ人間たちは、そのまま7インチ「ふきだし」のジャケットみたいだ……と思ったら、その影が動いてこちらに来た。音くんと悠太くんだった。今日でシャッポのライブは5回目で、今のところすべてを見ているのは、ぼくと、今日のイベントの主宰であるタクミくんだけだろう。ぼくはライブの日程に恵まれたということもあるが、名うてのパーティーバラモン(よいパーティーや特殊なイベントの匂いを嗅ぎつけてやってくる)であるタクミくんが通っているという事実は、どんなレビューよりも確かな尺度になる。それにしても、今日のライブ、なにか潮目が変わるっていうのか、いいきっかけになる気がした。雑然とした環境で、3人の心情的にはアウェー感も感じながら、ガレージジャズファンク的に見える瞬間もあれば、「歌うんだ」とお客さんが思わず声に出すほどの意表を突く瞬間もありつつ、若いコント集団みたいにジャカジャカとかき回してひゅっと去っていく逃げ足の速さみたいなものもあり。硬軟とか巧拙とか裏表というより、基本の3人(シャッポ+海老原くん)でやるこういうライブで、やりたいことの全部、やれてないことの全部がいさぎよくまる見えになる。満足度合いとかでは測れない時間。いいライブを見たときの習性で、感想を会話で減らしたくないのですぐに店を出た。失礼御免。

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