令和いらねえ釣りはホットケーキ ver.2/2024年6月30日


2024年6月30日。朝、鹿児島の「食堂 湯湯」の中村くんとやりとりしていて、今日、彼が京都に行くのだと知った。ゴリラ祭ーズのライブで物販を出すとのこと(イベントの一環かもしれない)。「奇遇ですね、ぼくも京都に今向かってるんです」と返事しようとした新幹線のなか。ぼくはいろんな都合があってそのイベントには顔を出せない。なのに「ぼくも京都ですよ」と返事するのは違うだろうと思い、サムアップのアイコンを送るだけにした。水くさいと思われるかもしれないけど、自分が行けないとわかっているイベントにかかわるひとに「楽しみにしてますよ、行けたら行きます」みたいな仕草での返事はできるかぎりしたくない。

というわけで、ぼくがいるのは磔磔。家主のツアーで、ゲストがANATAKIKOU。見たくて来たわけだけど、仕事でもある。それはそれとして、ANATAKIKOUという不思議な名前のバンドのこと、最初に聞いたのはヤコブくん経由だったか(数年前にも彼らは京都で対バンしている)。今年の春までやっていたKBS京都ラジオの番組に、リスナーからリクエストが届いた。その回の特集は「もしあなたが自分のラジオ番組のオープニングテーマを選ぶとしたら」で、ANATAKIKOUの「リリー」をお願いします、とあった。その「リリー」の、ちょっとトリッキーなイントロからコーラスへの流れが意外なほどラジオのオープニングにハマった。名前を知ったのは数年前だが、サブスクにある他の曲をいろいろ聴きだしたのは、リクエストされた「リリー」がきっかけだった。シンプルなアレンジでいいメロディ、気になるフックとコード進行、いくつになっても内気なフィーリング。もともとは、もうひとりソングライターがいたそうだが、メンバーの脱退など変遷があり、現在は結成メンバーである松浦正樹さんのソロプロジェクトとして、リズム隊ふたりとのトリオで活動している。今日もそのトリオでのライブだった。このメンバででどれくらいやってるのかわからないけど、なんだろう、臼で餅をつくような気持ちのいいアンサンブル。「リリー」もやった。「ぼくがこれまで書いたなかでいちばんいい曲やります」と松浦さんはMCして笑いをとっていたが、曲がはじまったら笑うひとはもうだれもいなかった。家主のファンならこの曲のよさが瞬時でわかるだろう。必要なもの、それは含羞。正式にCD化されていない曲を収めているCD-R(松浦正樹ソロ名義のC面集?とのこと)を買った。磔磔を超満員にした家主はもちろんすばらしかったのだが、なぜかANATAKIKOUのことばかり書いているね。

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