令和いらねえ釣りはホットケーキ ver.2/2024年3月5日



2024年3月5日。朝7時台に取材。もちろんリモート。ラップトップの内蔵マイクの調子がわるく、声の拾いが小さい。先方の音声は問題なく聞けているのでまだよかった。通訳さんに事前に質問もおおよそ渡してあったのでなんとかなったし、インタビュー自体はとてもうまくいった。某KというバンドのDというメンバー。物静かで的確なプレイ同様の口調と、哲学的とすら感じる受け答えがいい。これで3度目の取材だけど、いつも好印象。朝から大声でしゃべる羽目になり、それなりに疲れたけど。さて、とにかくひと仕事終わって、まだ朝8時半にもなってない。ご飯食べて支度して出かけます。

午後からポツポツと降り出した雨は、やがて本降りに。大雨とか豪雨というより、粒の大きな雨がぼたぼた落ちてくる。冷たいデカ雨。夜道を急いで代官山へ。角銅真実xシャッポ2デイズ。昨日とは変わって、今日は角ちゃんが最初に出る。終盤間に合った。YCAMで初披露された新曲「話したがっている」に続けて、昨日も今日も歌われた佐賀民謡「梅ぼし」が耳に残る。昨日見に来ていたビデオくんは、嬉野温泉に行ったとき芸妓さんに教えてもらったと言っていた。今日は見汐さん(唐津出身)も知ってると言っていた。梅がほころぶ頃に歌われるそうだから、季節としてはギリギリ間に合った感じか。

超満員なのは昨日と変わらず、なんだけど、悪天のせいなのか、混雑のなかにも移動できるスペースはあり。シャッポへの転換中に、思い切って前のほうに。Kashifくんに声かけられて、しばし立ち話。そう、彼は去年の夏、ベースメントバーでおこなわれたシャッポの初ライブを見ていて、それ以来の実演なので楽しみにしてきたのだ。ひっそりと人目につかない場所でライブを重ねるという経験の積みかたができないバンドという状況は、どうしても宿命みたいにつきまとう。そのぶんいいときもうまくいかないときも多くの目にさらされるわけで、昨日の3人シャッポは、正直すこしからまわってたと思う。だけど、今夜は見違えるほどよかった。グルーヴに落ち着きがあり、無理のない範囲での自信を演奏や態度に振りかけている。自信があると声も楽器の音も前に出るし、人柄が自然なユーモアを醸す。もちろん、マイロくんや野村卓史くんがサポートで後半から加わる構成が与えていた「そこまでいけばなんとかなる」的な安心も大きかっただろうし、アンコールで細野さんと一緒にやるということが、いい意味でのやる気をもたらしていたのかも。普通なら口から心臓が飛び出てくるほどの緊張感を味方にできるのなら、それは可能性。細野晴臣+シャッポ+角銅真実で「終りの季節」そして「AIWOIWAIAOU」。ファンキーで、枯れない色気があって、理由を越えた音楽があって、ゾクゾクした。

夜はまだ終わらない。家に帰ってから真夜中に取材がもう1本ある。渋谷駅まで歩くという見汐さん(酩酊)に付き合って代官山から歩くことにしたら、桜ヶ丘の再開発のおかげでものすごい雨とビル風。ビニール傘がまくられて骨が逆曲がり。ほぼ濡れ鼠になりながら駅へ。最寄駅から家までずぶ濡れだぞと思ったら、乗り換えた電車で手頃な忘れ傘発見。本来いけないことでしょうが、わたくしが再利用させていただきます!と手を合わせて拝借した。ようやく家にたどり着いてzoomをつないだころには、もう12時を越えていた。朝、調子が悪かったPCのマイクがさらに悪化していて、チャットを駆使してなんとか取材した。沼澤成毅くん、レアケースに付き合ってもらい、ありがとうございました。取材ではじまって最高のライブを挟んで雨にさらされて取材で終わった。寝る前に見汐さんから、渋谷を歩くおれの写真が送られてきた。長いようであっという間の1日。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?