令和いらねえ釣りはホットケーキ ver.2/2024年3月30日


2024年3月29日。夜中に降り出した雨と強い風が明け方も続く。昼前にはやむという予報を信じて、zineを折る。「おはなしにならない」を追加で盛岡BOOKNERD宛に発送するため。どういうわけか売れ行きがよいらしい。みなさん内容もわからないのによく手を出せますね。感動しないこと請け合いなのに。とはいえありがたいもの。BOOKNERDに送る分と、31日に京都でのイベントで販売する分でひとまず今回のロットはおしまい。すぐ売り切れたと聞くと驚くが、もっと作って、という声も特別に聞かないので、まあ需要と供給が見合っているのでしょう。朝からこねた麺の分だけお客さんが来るうどん屋さんみたいな感じか。少し雨の勢いが弱まった頃合いでコンビニに行き、盛岡向けに発送した。日曜日の午後着。今回は、さすがにゆっくりでしょう!

午後、取材で矢川くんと待ち合わせ。会うなり、「ビヨンセは行かなくてよかったんですか?」と聞かれた。渋谷タワーレコードでビヨンセが突然サイン会を開催すると発表。午前中に受付をしていたのだ。ぼくはちょうど渋谷の近い場所にいたのでチャンスではなかったか、と。でもその整理券を手にしてたらこの取材に来てないわけで、これはつまり冗談。ていうか、知らなかったわ。それに、もしも整理券をゲットしたとしてよ、なにを話す? そんな胸熱な機会は熱心なファンのひとにお譲りしたいですし、ネット大喜利も遠慮します。あ、転売ヤーも行ったかもだけど、地獄に落ちろ(呪い)。ところで10年ほど前、グラミー賞の会場で休憩時間に向こうからのっしのっしと歩いてくるニール・ヤングに会った。さて、あなたならどうする? 来た球を打つだけ、といわれても、そりゃあまりにも豪速球だよ。結論からいうと、ぼくが発した言葉は「アー・ユー・ニール・ヤング?」だった。返事は「イエス!」。握手、グッバイ。笑い話としてときどきひとに話すけど、ある意味でこれって究極のQ&Aじゃね?とも思う。

夜「ブギウギ」最終回を見届けた。このドラマのセールスポイントだったリサイタルのシーンで、福来スズ子はマイクを持たずに歌って踊る。たとえどんなに音楽がアコースティックで、彼女の声が大きかったとしても、それはありえない。ドラマ上の演出だとわかっていう野暮ですが、笠置シズ子はマイクをどう使ってたのか知りたいよね、みたいな話をよくしていた。最終回は長いドラマの大団円であっただけでなく、リアルに歌うシーンの本当はこうでした、の回でもあった。つまり、普通にスタンドマイクに向かって歌い、間奏ではそこから離れて自由に踊ったんでしょう。そりゃそうだよね。あのスタンドマイクは、歌の世界というファンタジーに生きたスズ子を、生活というリアルに戻すための演出でもあったような。とにかく半年間ありがとうございました。

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