令和いらねえ釣りはホットケーキ ver.2/2024年3月26日



2024年3月26日。大雨のなか、お店に買付したレコードが届く。合計350キロ超。枚数というより重さのほうがぼくにはリアリティがある。レコードの人気が再燃して「大きい」とか「あたたかみ」とか言うけど、長年この仕事をしてきてレコードに対して思ういちばんの実感は「重い」だ。レコードをたくさん持ち歩くということは、重さを体で引き受けることでもある。その肩や腕を、腰や膝を痛めつける荷重を心地よく感じるようになったとき、あなたはきっと狂っている、の、ですってば。買付の旅をしていると、終盤になると車の後部座席やトランクが箱でいっぱいになる。想像してください。うしろにお相撲さんがふたり乗ってます状態を。急カーブや坂道、雨道がひやひやになる状態を。まあ、そんな時間を経て、遠い日本までレコードがやってきたことに感じるのは、合計何枚とか、あのレア盤が入ってるとかよりも、重さこそが旅の相棒であったという実感なのだった。たまにはいいかと思い、縦積みして写真撮ってみた。箱にも盤にも負担が大きいので、基本的には3箱積みはしちゃダメよ。

夕方、アメリカからのニュースで、ボルティモア市内に向けて架かる橋が崩落したと知る。Xを見たら崩落の瞬間の映像もすでにアップされていた。貨物線が衝突したのが原因だとか。フィラデルフィア方面からワシントンに南下する時に通る橋ではない街の東側。だけどハイウェイも通っているし、ナビの指示によっては通る可能性もある。事故の発生が真夜中じゃなかったらもっと大きな被害が起きていただろう。そもそも、つい1週間くらい前にいたし! ボルティモア! 10数年前、ミネアポリスとセントポールをつなぐ橋が真っ昼間に崩落した事故があり、あのときはかなり大きな被害が出た。あの橋はたまに通っていたと思う。青ざめるわー。そんな気持ちをポストしたら、某テレビ局の報道部からDMが来て、なにかコメントをと。下記、返信。

メール拝見しました。この橋は知ってますが、テレビでお話できるほどの情報量ではありません。ご容赦ください。

ボルティモアに滞在経験がある日本人、おれ以外にもたくさんいるだろ!と思いつつ、やんわりお断りした。生活者でもないしね。それよりも、ぼくがボルティモアについて語れるとしたら、こういう話かな。最近は市内には行かないけど、大きなピンクフラミンゴのモニュメントが街なかに突然あって、あれはジョン・ウォーターズのファンじゃなくても見もの。全米でひとつだけレコードショーを選ぶなら、ボルティモアのショー。ショーのあとに最近行くメルトチーズサンドイッチの店が最高。かつてハイウェイのサービスエリアには10ドルコインをザッパ顔の記念メダルに変造できるマシンがあったんだが、数年前に撤去されてさびしい(トップ写真は前に撮ってたやつで、ブラックジャックとザッパの並び!)。ザッパはボルティモア出身なのだ。それくらいかな!

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