令和いらねえ釣りはホットケーキ ver.2/2024年4月7日



2024年4月7日。今日の大阪はどうかしてる。あちこちで行くべき催しがあって困るときは、「行くべき」よりも「行きたい」に従え。なので最初に行ったのは松屋町「pol」で開催中のモタコの個展。キララさんのキーホルダーを買った。北浜に戻って「ぽてと」を覗いたがすごい混雑。インバウンドが行きたい店になっているのだろうか。お隣のFOLKでは見汐さんがトークとライブをすることになっている。リハしてるかなと思ったが、そんな気配はまだなかった。歩いているうちにかなり汗かいた。上着も着てないのに。ホテルにチェックインしていったんシャワーを浴びた。さてどこへ行こう。すこしご無沙汰していた天満橋の「tototo records」そして「熱帯夜」へ行ってみる。「tototo」のジョナサン・リッチマン扉(キングジョー画)、サインも増えてヴァージョンアップしていた。「熱帯夜」の階段、カーブの段差と面積がさらにやばいことになっている気がする。この階段はきっと生き物だ。そういえば、「pol」でも、「tototo」にあがる階段でも「ラジオ聴いてます」と声をかけられた。ありがとうございます。「tototo」の階段で会ったひとの手が握手を求めているような気がして、変な間を置いてこちらからぎこちなく手を出して握手してしまった。「あいつ、自分から手を出したぞ」と思われたんじゃないかと、レコード見てるあいだも妙に気になって集中できない。今からでも彼を追いかけて「自分からそんなことするひとじゃないんです、本当は」と詫びたい気持ち……をぐっと押さえたタイミングで、壁に「ムーンライト」のサントラLP発見。あの映画で流れる「Hello Stranger」が最高なんだが、もちろんちゃんと収録されている。それを買って、さっきの握手の不始末をなんとか自分のなかに飲み込んだ。ハロー、ストレンジャー(誰かさん)したんです、と。

ユニバースの「坂本慎太郎LIVE2022@キャバレーニュー白馬 フィルム上映会」。

1958年営業開始で現在も営業を続けるキャバレー「ニュー白馬」での坂本慎太郎ライブ(2022年)を、1955年に創業し、現在はライブハウスとして生まれ変わった「味園ユニバース」で見る。大根仁監督による16ミリフィルム撮影、3面スクリーン上映。DJは安田謙一、キングジョー。マルチバースって、本当はこのことなんじゃないか。

と、昨日インスタに書いた通りの映像体験だったのはもちろん、前回のライブミックスを経て、正式にミックスダウンされたサウンドに耳が喜ぶ。とりわけ、お客さんのどよめきや歓声、おしゃべりもとらえられているのがゾゾゾ体験。自分の周りを見えない観客に囲まれている錯覚で、それはまさに幽霊の気分っていうんですかね。画面のなかでの熱狂とフロアの前方に並べられたソファーに点々と座るお客さんのわずかにゆらゆら揺れる頭の影とのコントラストも含めて、異界で華やかで場末で無時代という完璧さ。このフィルムは、今夜完成したんだと思う。上映の機会は限られている。今週末のリキッドも見逃さないで。

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