言葉のスコープ

同じ言葉でも、受け取った相手の認識一つで意味合いが大きく変わってしまう。
例えば「犬」という言葉を用いた時に「チワワの様な小型犬」か「ゴールデンレトリバーの様な大型犬」を思い浮かべるのかは千差万別で、その後の文脈でその人が指し示す「犬」の意味合いを探っていく。

何故こんな事を書いているのかというと、面接の場でそういう事態に遭遇したから。
僕はエンジニア転職の場で「古い技術よりも新しい技術を使いたい」と話していたが、これは伝えたい意図に対して適切ではなかったと思う。言葉が指し示す範囲がちょっと広すぎたのだ。

「古い技術」と伝えたが、僕の意図により近いのは「廃れた技術」という意味合いだった。しかし面接官は「枯れた技術」という意味合いと受け取ったらしい。やり取りを得る中で、「古いという言葉が指し示す範囲は広い」という事と「多くの技術は廃れる中で、枯れる事のできる技術は信頼性が高い証拠」という認識に改める事が出来た。

「新しい技術」も、より意図に近いのは「ある程度流行しており、設計に対する要件を満たせそうな技術」という言葉だと思う。今後の持続性も考慮せずやたらめったらOSSを取り入れるのはリスクが高いと考えるのは当然だと思う。

言葉が指し示す範囲は思っていたよりも広いとはいえ、「ブラウンの毛がフサフサしてお目目がキュートなゴールデンレトリバー」と毎回言うのはちょっと現実的ではない。
相手に合わせて言葉の範囲を調整したり、前後の文脈で読み取れば誤解が減らせると思う。

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