※ネタバレ注意※ クロノライブ,良かったンゴね~~

一か月更新してないやつがおるとか,ま~?

はい,久方ぶりに文字をしたためます.
11月はなんやかんやあってなんやかんやをしていたわけですが.
決してネタがなかったわけではありません.いつも通り映画見たりなんなりあったわけですが,この月を振り返るならば,間違いなくこの話題を触れなくてはいけない.
そう,
「CHRONO CROSS 20th Anniversary Tour 2019
                            RADICAL DREANERS Yasunori Mitsuda & Millennial Fair 」
よかったンゴね~.
東京,大阪,名古屋,台湾をめぐるツアーライブ.年明けの東京再演が終わっていないので,SNS上でのネタバレは厳禁ですが,まぁタイトルでこれだけ警戒しとけば大丈夫だよね.

というわけで,ライブの思い出を手繰り寄せながら浸ろうと思います.

音楽性の違い

さかのぼること2ヶ月ぐらい,実はスクウェア・エニックス主催のオーケストラコンサートもあったんですよ.発表はこちらのほうが後だったのですが,これがスクウェアが出したクロスの結論なのでは,と光田さんは仰っていました.オーケストラなので,もう音圧と厚みの重いこと思い事.「クロノ・トリガー」の「魔王決戦」という楽曲があるのですが,冒頭に風を表す「ヒュルルルー」みたいなピコピコ音があるのですが,それをオペラなんかで使う風音発生装置を持ち出してきたときには,とんでもない再現度に感服しましたね.クロノシリーズ音楽は度々オーケストラアレンジがなされているのですが,やはり,物語の沿った荘厳で重厚な音楽にしあがり,落とすところは落とす,上げるところは上げていく,これはこれで素晴らしいものでした.
それでこのライブを受けるわけですよ.発表を受けたときにはクロノ音楽の最新譜「ハルカナルトキノカナタ」みたいなしっとりめで来るかと思ったんです.でも光田さんの「楽しめる音楽発言」,2018年4月に主催された「Xenogears 20th Aniversariy Concert」で目の当たりにしたバリバリのバンドアレンジ,だいたいスタンディングな座席,閃いちゃったよね.
「ハルカナルトキノカナタ」が本シリーズのキーパーソンである「サラ・キッド・ジール」の物語であったのに対して,このライブはクロノの世界に浸るのではない,クロノ世界の音楽を外側から,思いっきり楽しんでしまおうというスタンス.光田さん自身がケルト音楽が好きなので,クラシックが貴族のための音楽に対し,民族系はお祭りとか儀式とか庶民が自ら奏で歌うための音楽なわけで,要は受動的な音楽ではなく能動的な音楽なわけです.私このライブで初めてヘドバンかましてきました.クロス音楽とは腕を組みながら座席に深々とおさまり,ゆっくりと耳を傾けるものであったのを,声を挙げ,体を揺らし,拳を振り上げる音楽に変えてしまったのです.
スクウェアのコンサートが需要としてのクロス音楽を120%満たしたことに関して.クロスライブは光田さんの作曲者としての供給を120%与えたくれたわけなのです.そんな今までとはちがう.20周年にして新しい音楽を与えてくれたわけです.

そんなセトリで大丈夫か?大丈夫だ,問題ない

ライブがあれば当然セトリがあるわけです.斯様に人気な音楽なら当然あってしかるナンバーがいくつかあるわけですし,我々も当然あれが来るだろうと予想するのです.「溺れ谷」と「影切りの森」を差し込んでくるとは,しゅげぇ......
この二つはイベント音楽,戦闘音楽とは異なる所謂フィールド音楽でして,それもダンジョンの音楽なのですが.そのダンジョンが特に大きなイベントがあるわけではない,ただの目的地に向かうための道中なんですよね.そりゃいい音楽ですが,他のものに比べればはっきり言って華がないと思ってまましたごめんなさい.
今回のライブ,ドラム,ベース,ギターに加え,ヴァイオリン,尺八,各種パイプ,パーカス,などなどいろいろごちゃ混ぜにしたような構成なのですが,おかげさまで華がすごいすごい.しかも「影切りの森」のギターアレンジ,このステージで出会えるPCの武器もギターなんですよ.いやギター持ってきたんだからそりゃ鳴らすけど,そういう仕組みとか持ってとても盛り上がりました.メロディラインはそこまで上がるものではないのですが,楽器と弾き方次第でここまで変わるものとは,圧巻でしたね.
他にも,安定のナンバーは安定にやってくれました.「運命に囚われしもの」「-MAGICAL DREAMERS~風と星と波と~」,そして「生命~遠い約束~」「回想~消せない思い~」「RADICAL DREAMERS~盗めない宝石~」の3連コンボ,安定して素晴らしい.「-MAGICAL DREAMERS~風と星と波と~」イベント曲なのですが,作中の再現が半端ない.何気にこの曲を本気のギターで聞くのは初めてで,何がくるかわかっていても泣けてしまうものです.
期待した音楽も,予想外のサプライズも,またクロス世界が新たな広がりを見せた素晴らしい時間でした.

音を楽しむという空間

今回のライブでひしひしと感じた事,音楽って楽しいね.
ライブの魅力というのが演者と観客がつくる音楽ってところで,「勝利~夏の呼び声~」がかかった瞬間狂乱するタオルだったり,真相は知らないがエレメントを完成させられないペンライトだったり,まさかの「天晴驚愕大奇術団」に掛け声だしたり.みんなが楽しめるようにという仕組みが存分にありましたね.みんなで作るライブ,自分たちで作ったものなんて忘れられるわけないじゃないですか.
それに加えて楽しそうな演者の姿よ.よくある”互いの技術を順番に見せつけつやつ”,ヴァイオリンVSギターVS尺八みたいな,みんなスポットライトを狙いに行く姿勢.楽しんでるのをひしひしと感じる.特に「世界のへそ」でみせたドラムVSコンガ,熱かった.熱すぎた.クッソ楽しかった.いいぞもっとやれ.
私自身アマチュアですが何度か舞台に立った経験もあり,ライブ以外にもお芝居を目にする機会もあったわけですが,なにより演者が満足いっていることがナマモノとして重要だと思うのです.ナマモノ,お芝居やライブはその場限りの作品で,同じ題目で同じ演者であろうが,どれだけ再演しようが同じ作品は絶対に生まれないわけです.だから演者は一回一回に全力をかけるわけで,それをしてる人間って,それが楽しいから今その場にいるわけで,自分は今滅茶苦茶に楽しんでますよって空気が直に伝わるんですよね.それが感じられる,非常に素晴らしいものでした.演者も観客も,存分に音楽を楽しんだ時間だったのではないでしょうか.

最後に,自分の大好きな作品を作曲者自らがこうして演じてくださって,今後一生来ないかもしれないあの時間,本当に心に残る時間でした.
箱に制限がある以上,万人がその時間を共有できないのが非常に悔しいのですが,それでも自分が得た一つ一つの時間を,経験を,思いを,しっかりと背負って今後も歩んでいきたいですね.
いつかどこかで,またきっと音楽で出会える時まで.

それでは,どうぞ皆様に素敵な時間が訪れんことを.

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