夢中/インスタントフィクション
君は深い眠りから目を覚ました。
「貴方、だれ?」
君は僕に向かってそう言った。
それを聴いた瞬間、僕の時間が少しだけ止まった。
「あぁ、そうか。なら少しだけでも道化になるか」と次の瞬間には思い、
「君の彼氏なんだ、無事でよかった…」
そう言った。
またこういうことをしなければならないのかと思うと心がすり減るのを感じるが我慢だと言い聞かせる。
「そう、なんですか…」
と彼女は言う。こんなすんなりいくものなのか?と不思議に思ったが、リアルはこんなものなんだろうと納得する。
「とりあえず、お医者さんを呼んでくるよ」
と彼女に言い、僕は席を立ち、扉へと向かった。
後ろでは彼女は笑っているように感じた。