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フォークリフト運転技能講習 最短コースが仇に?

前回の重機の講習から3週間後、
フォークリフトの技能講習も受けてみた。
その顛末も忘れない内に記そうと思う。

受講者層など~勝手な分析

朝、教習所に着くと、先の重機より明らかに受講者が多い。
やはり、運送会社や工場など、そもそも対象の業種が幅広いのだろう。
巷でもよく見掛ける機械だけある。
年齢層は、若い人が多いが50代位の方も。

社名入りの作業着で来ている方も多く、取らせてくれて羨ましい、と思ってしまう(笑)

1日目(学科)

この講習も、大特所持者は経験に関係無く、最短の2日間となっている。
加えて、1トン未満のフォークリフトで3ヶ月経験が有る人も同様。
(1トン未満ってそんなにあるのか・・・?)

<カリキュラム。ちなみに、普通免許は4日間、免除無しだと5日間>

さて、初日の学科は全コース共通の7時間。
荷役装置など、フォークリフト特有の内容も多いが、午後の力学や関係法令は前回と共通点も多く、納得しながら理解出来た。

仕上げに学科試験。何となく、ここまで当日終わるのは気が楽だ(笑)

2日目(実技)

さて、翌日はいよいよ本命の実践。
20名程の参加者が、4班に別れて行う。

マシンは、1・5トン積みが供された。

<乗車したのと同タイプのもの>
参考:教習所パンフレット・表紙より

開始前、「2日コースは真剣にやらないと
厳しいですからね」と、早速講師が釘を刺す。

それもそのはず、4日コースは3日間実技があるのだが、2日コースは半日練習し、なんと午後一には試験!

しかも、6人で1台のフォークリフト。実質どれぐらい乗れるのか・・・?
初めて身にとって、不安しかない。

時間が無いので、簡単な説明の後、前進、バックから練習。前方のフォークが無ければ、普通に電動カートのようだった。

次に、角を曲がる練習。
だが、ここで"不安"が的中してしまう。

コースも狭いのだが、障害物に当てまくる(笑)
進入が早過ぎ!切るのが遅い!切り過ぎ!など、間髪を入れず指摘される。
最短コースは、講師の教えも結構スパルタ。
ただ、この乗りにくさは予想外だった。

<フォークリフトの操舵と、外輪差>

その原因がこの図だが、まず普通の車と反対に、フォークリフトは後輪が切れる。
尚且つ、タイヤの切れ角が大きく、最大は90゜。
切り過ぎると外輪差で、車体後部が反対に振り出し、すぐに後部が接触する。

ハンドルも勝手に中立に戻らない。切り過ぎるとタイヤの向きが分からなくなる(これも指摘された)。

個人的には、前進以上にバックの旋回が難しく、
いまいちコツが掴めない。
時間もなく、とりあえず次の過程へ。

午前の後半は、運転と併せて荷役装置の操作。
何回か練習し、すぐに課題走行の練習・・・と、理解する以前に、忙しなく進んでいく。

<運転席の略図。荷役装置は右のレバー2本>

運転も初めてだが、肝心のフォーク操作も初めて。
レバーはショベルよりシンプル。

パレットには500㎏の、コンクリの重りを積載。
フォークの差し込みさえ出来れば、荷の上げ下げは簡単!と思った束の間、また壁にぶち当たる。

とにかく、正確な位置に卸すのが難しい。

課題は1・5m程の架台に、積み取った荷をそのまま卸す、というものだが、左右の線と平行、前後は架台より内側と、正確性が要求される。

<架台と積荷。ここまで近付くと、平行に修正出来ない>

対処法は、なるべく架台と平行に進入することだが、90゜の角を曲がったすぐ先で、車体を立て直すマージンも短い。

その上、積み取りの際に爪の左右を、パレットの穴の左右となるべく等間隔にしないと、卸す位置が格段に合わせにくくなる。

だから、条件的には毎回微妙に変わって来る訳で、
当然修正するテクニックが無いから、何回やっても上手くいかない。

安全確認も必要だし、何せ6人で1台のフォークリフトを回しての練習。

経験者はさすが、慣れている様子だが、結局、ここもマスター出来ずに練習が終わった。

実技試験~まさかの・・・

不安で、昼食も食べた気がしない中、13時から試験開始。
もう、否応なくやるしかない。

課題は定番の安全確認から、前進し、曲がった先の架台から荷を取り、来た道と逆方向へバック。
再び前進し、同じ架台へ荷を卸し、スタート地点へバックして終了、というものだった。

採点は100点満点からの減点法。4日コースは70点以上だが、2日コースは85点以上と、また脅される。
講師の話では、安全確認を3回も怠ると減点超過。(普通免許より厳しくないか?)

あっという間に、自分の3番目になる。
1、2番目は明らかに本業さんで、お手本を披露。
尚更不安になる。

乗り込み、走行、荷の積み取り、バック・・・。
全てが順調過ぎる!、と思った矢先─

荷卸ろしで車体が立て直せず、やむ無くパレットをラインの範囲で、若干斜めに卸す。
ところが、バックで爪がどうにも、真っ直ぐ抜けない?

この時点で明らかに、バンドル切り過ぎ。
爪でパレットを引き摺り、この時点で終了。
最後までやらせてくれたが、後の3人も合格。
結局、6人中自分だけ失敗した。

すぐに、「○○さん、すぐもう1回やる?」と講師に聞かれ、感覚がある内に"2回目"をやらせてもらう。

失敗で吹っ切れたのか、この日一番上手くいった。
(今思えば、前の人がパレットを上手に置いていてくれたのが相当大きい)

こうして、同じコースの方に迷惑も掛けながら、どうにか2日間修了となった。

感想

前回受けた重機(車両系)と比較して、学科はかなり共通しているのに対し、実技は別物だった。

同じ技能講習のはずなのに、課題コースや減点箇所がとにかくシビアで、初心者が半日でこなすには非常に大変。この最短コースは、既に1トン未満に乗っている人の、限定解除用という印象。

運転も見掛け以上に難しい。事実、車もバスも落ちなかった自分が、(初めて且つ半日とはいえ)見事に手こずった。

時間と費用があれば、4日コースは走行練習だけで1日半もあるし、試験の頃には余裕だと思う。

フォークリフトは、他の機械より事故も多く、2日間の最後に、「この講習は最低ラインですから、仕事で乗るなら練習して下さい」と言われた。

実技は悔しかったが、実際の感覚や危険性を得られたのは本当に大きく、良い経験になった。

尚、当日撮った写真が無いのは、そんな余裕が無かったという証拠である(笑)

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