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モダンスイマーズ「雨とベンツと国道と私」感想

あの世界で描かれていたのは、傷つくことには敏感だが、傷つけることにはあまり自覚のない人達だった。特にパワハラの根底に多く存在する、”〇〇のためを想って”という身勝手な理由づけがされた加害性が炙り出されていた。そして被害者・加害者側のどちらか片方に寄り切ることはなく、その立場は表裏一体のものではないかということを、ほぼ全員を通して描き切っていた。そのせいでというか、坂根に復讐を遂げるカタルシスもなければ、五味に感情移入することもできず、全体的な生ぬるさを感じたのだった。そしてそ