石を洗う

もし自分が今子供で、学校がずっと休みだったら何するのかなーって考えて、そもそも子供の頃って毎日何をしてたんだっけ…と考えて、
「庭の石を洗っていた」期間があったのを思い出した。
石というか、砂利？ ある日、家の庭が突然一新され、白っぽい石の庭になったのだ。

石灰のような粉がたくさん付いていて、白っぽさがすごく綺麗だった。

石を少し手に取り、庭の隅にある水道で洗ったら、灰色の普通の石になった。

次は多めにバケツに集めて、米を研ぐように何度も洗った。灰色になった石を庭に戻す。

それを繰り返した。

学校から帰ると庭の石を集めて洗い、夜になると、やめた。

白かった庭は、日々少しずつ灰色になっていく。

その日も石を洗っていたら、近所の同級生の男の子が庭の隅の水道で石を洗っている私に話しかけてきて
「おまえ毎日それなにやってんの？」と言うので私が
「石を洗ってる」
と答えたら
「おれもやる」
と言い、2人で石を洗い続けた。

もう、庭の半分は灰色だ。

たぶん、ある日突然やめた。
終わらせた日の記憶はない。

なんだったんだ？あれは。

と思ったけど、今の生活だって、ただ石を洗っていた日々とさほど変わらない。

誰かがもし見てるなら、
「おまえ毎日それなにやってんの？」

と、言うのかもしれないね。

石を洗ってる。

毎日石を洗ってんだよ、今も