新卒の若者とファミマのコーヒーの話

それは2年前の春、新卒で入社した若者が「ファミマのコーヒー飲んでから行きませんか?僕奢りますから!飲みましょうよ!」と勝手にコーヒーを買い、マシンで2人分のコーヒーを入れ始めた矢先、彼の社用携帯が鳴り
「あ、やべ、お客さんからだ。これ(コーヒー)どうしよう。」
と言うので
「私がコーヒー入れとくから、電話出なよ」
と伝えた瞬間、彼は
「………………………………!?」という顔をした後、電話には出ず、

「そんな言い方あります!?」
と、言った。

遠隔操作のスタンド攻撃を受けているのかな?とだけ思ったので特に何も言わず、コーヒーは美味しくいただき、全ては記憶の奥底の小箱に押し込んだつもりが最近この出来事を突然思い出して、その彼とずっとチームを組んでいる同僚にこの話をしてみた。同僚は

「彼は、コーヒーを褒められたかったんだろう。」と、言った。

「…は?」←エルヴィンが地下室の話をし始めたときのリヴァイの「…は?」のトーン

「まず、自分が実に手際よく2人ぶんのコーヒーを入れる様子を見ていて欲しかったのと、」

「…は?」

「それと、自分からコーヒーを奢る、という新卒らしからぬ気の利かせ方を、お礼だけじゃなくて、もっと人格評価して欲しかったんだろう。」

「…は?」

「大事な仕事の電話に出るよりも、その時コーヒーを褒められたかったんだろう。僕は彼とずっと一緒に仕事をしている。だからわかる。」


わかるんだ。


理解こそが、人間関係における最強の防御である

のか????????


という、話でした

おわり

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?