わからなくてもその意味はあった

世界名作劇場をずっと観ている。
最初にハイジを観て、次に赤毛のアンを観て、今は私のあしながおじさんを観ている。

子供の頃、全部観たはずなのに、何もわかっていなかった。

子供の頃、本当にただ観ていた。

ただ観ていた。

すごく面白かったけど、感動したりはしなかった。

大人になってからそれらを観ると、全てがわかってしまう。子供の気持ち、大人の眼差し、少しずつ成長するということ、経験だけが人を変えるのだということ、言葉ではないのだということ。

こんなに全てが描かれているのに

なぜ、子供の頃に気付かなかったの!?
あの頃にちゃんと理解していれば
あの頃に全てを観せられていたのに、私はあの頃、何のためにこれらを?観ていた?

ただ観ていた。

観ていたから、今わかるんだと思う。
べつに名作劇場に限った話ではなく、

大人は当然わかること、それは誰でも大人になれば当然わかるんじゃなくて、子供の頃に大人が見せていてくれたからだと思う。

子供のころに何もわからなくても

心のどこかに貼り付いているんだと思う。

今でもよく、若い頃に年上の人から言われた事なんかを思い出して(あの頃は全然わからなかったけど、今はわかるなー)とか思うけど、

だから自分はどこかで若い人に対して思うところがあったとしても(どうせ言ってもわかんないだろう)(実際自分もそうだったし)(いつかわかる時は来るし)(だから、今言う意味はない)と思っていたけど、

今自分がそれをわかるのは、
あの時言われたからじゃないのか?
あの時言われてなかったら、死ぬまでわからないままだったんじゃないのか?
(は?全然わかりません)と思ったけど、少しだけ、少しだけ心の片隅にひっついていて、だからずっと後になって、何かのきっかけで気付くことが出来たんじゃないのか?

その時全然わからなくても、すぐに忘れたつもりでも、もし、誰にも言われてなかったら


急に怖くなった

わからなくても、それに意味はあった…

私の周りの大人たちはみんな(わからなくても、意味はある)ということを知っていた。ということが怖くなった

私は、わたしは……

まだ、間に合うだろうか


とりあえず、

次はロミオの青い空を観ます



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