コンビニの深夜早朝営業不要論といえばという話

中学生の時のある早朝、妹が【バスケ部の先輩たちのためにレモンの薄切りをハチミツに漬けたものを試合に持っていく当番】だったことを忘れていたとやらでワアワア泣いていて母は「ハチミツはあるけどレモンなんかないよ」と言い妹は「もう死ぬしかない」と言い私は「死ぬ前に部活やめれば…」と言い父は黙って何処かへ行った。
当時の田舎にコンビニなどはなくこんな早朝(5時とか)にスーパーも開いてないしどうしようもないので泣いている妹を母と私でただ見ていたら父が静かに帰宅。汚ねージャージのポケットからレモンが2つ。あれは経緯は謎だが人がヒーローになった瞬間だった。父は酒で死んだ。妹は今でも時々「あの人はあの日、レモンを…」と言う。どこからかレモンを手に入れたというだけで、たった一度のことだけで、他の全てが許されている。「たった一度のこと」「たった一度のこと」そうなんだよ。「たった一度のこと」それだけでいいんだよ。あーあ、嫌になるね

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